麻布中学校 入試対策
2015年度「麻布中学校の理科」
攻略のための学習方法
麻布といえば、記述や考えさせる問題というのがイメージされ、そのための準備がまず頭に浮かぶかもしれないが、それよりもまず大切なのは、通常の理科の勉強である。
40点中、25点を狙うとして、その25点は実際には記述式や考えさせるようなものを抜いて十分に達成しうるものである。
対策として、記述や考えさせる問題はどうしても対策が難しかったり、麻布のみをねらった対策というのはなかなか時間がとれるものではない。
よって、まずは、通常の理科の勉強を十分に固めることが対策のスタートとなる。
①知識問題
まずはここからである。進めれば進めるほど、着実に差がつけられる。塾などの毎回のカリキュラムとは別に、1冊の一問一答の問題集を進めてほしい。
ただし、知識問題であるから、子供に任せて一語ずつ憶えていけばそれでいいというものではない。小学生だと、どうしても意味もわからずの丸暗記となってしまう。
理想的には一語一語全てその説明ができるくらいを目指してほしい。例えば、答えが導管だとして、それが答えられたらおしまいではなくて、導管について、どんな働きをして、植物のどこにどのように通っているのかをあらかた説明できないと、入試では得点にはなりにくいのである。
勉強はしているのに、家にいるほとんどの時間を勉強につぎ込んでいるのに偏差値がなかなか上がらないという生徒に多いパターンとなってしまう。やはり大人がしっかりとチェックしていかないと知識問題でもだめなのである。
また、「受験の最後に知識は詰め込んで」などというフレーズはよく聞くのだが、差をつけるための知識はそんな時間では入らない、次に書く計算問題のほうが直前の学習で何とかなることはあるのだが、知識はしっかりと時間をかけて進めないといけない。
②計算問題
前提として、理科の計算問題というのはそのほとんどが典型問題である。いつかどこかでやった問題が繰り返し出題されている。
大きくいえば、算数もそうなのであるが、理科はそのバリエーションが少ないので、原則出題されるのはいつかどこかでやった問題である。
しかし、中には当然、典型問題にならないように出題しようとする中学校もある。麻布もその一つである。そうすると対策が大変なように思えるが、やはりそうやって作った問題はなかなか適切に思考力を問うようなものをつくるのは難しいのである。
今年の計算問題も難易度は低いものといっていいであろう。
対策としてはテキストに出ている計算問題を漏れなくこなし、差がつかないようにしておくのが一番である。
③記述・思考力問題
あくまでもここまでの通常の勉強が大切なのであるが、記述・思考力問題の勉強についてである。
一番大切、かつ、現在の中学受験の指導から抜けていることなのであるが、記述・思考力の養成には、大きくいって、知識のアウトプットが大切なのである。
思考力といっても、創造的なものを要求しているのではない。論理的な内容をきちんと理解できているかどうかがポイントなのである。
現在の中学受験の指導状況は、例えば、麻布対策の授業といっても、やはり、一般的な講義形式の授業でしかない。これでは、思考力も記述力も育ちにくい。理解できているかは結局その内容を子供自身の言葉で説明ができるかどうかである。
全体授業で子供の説明をうまくくみ取って授業を展開できる技能を持った授業は中学受験塾には残念ながらいない。家で一人一人に対して指導していく、説明させていくしかないのが現状だ。なるべく子供に説明させながら時勉強を進めていかないといけないのだ。
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2015年度「麻布中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
実験・観察問題はどうしても時間がかかるのであるが、50分ということで時間がなくなるということはないであろう。
基本的にはまず知識事項を埋めて、残りの時間で、実験・観察問題と思考力系の問題を進めていけばいいと思う。
【大問Ⅰ】生物(食物連鎖)
- 時間配分:12分
典型問題ではないが、解答は全て本文中にある。
通常の授業で勉強した光合成の知識があれば大丈夫である。
問1 基本問題。必答。
問2 やったことはもちろんない問題であるが、さすがにサンゴから海水をもらっているのはおかしいと感じるであろう。必答。
問3 消化管がないのは消化の必要がないという当たり前すぎる解答である。必答。
問4 「二酸化炭素の反応」という文言から見つけられるであろう。必答。
問5 おなじく「二酸化炭素の反応」という文言からわかるであろう。必答。
問6 これも海の中と陸上の違いからの判断は難しくはないであろう。
【大問Ⅱ】物理
- 時間配分:12分
問1 基本問題。必答。
問2 基本問題。必答。
問3 文章に詳しく解説がなされている。国語の読み取りに近い。ただ、できなくともよいであろう。
問4 本文の回転できるという文から理解できるであろう。必答。
問5 おなじく、回転できるのであるから、向きの問題である。必答。
問6 典型問題。電磁石の強さと同じ。何度もやった問題。
問7 これはパスでよいであろう。
【大問Ⅲ】地学(地層)
- 時間配分:12分
4つの大問の中では、一番典型問題に近い物で占められている。
やりやすかったと思われる。
問1 基本問題。必答。
問2 問1ができれば、間違うことはないであろう。必答。
問3 恐竜の化石とゾウ(哺乳類)の化石についての知識問題。必答。
問4 基本問題。必答。
問5 基本問題。必答。計算問題であるが、単純である。
問6 柱状図の読み取り。必答。
問7 計算問題であるが、やはり単純。必答。
問8 基本問題。必答。
【大問Ⅳ】物理・化学(光・炎色反応)
- 時間配分:12分
計算問題も入っているのであるが、単純なものがメインである。
難易度は高くはない。
問1 基本問題。必答。
問2 基本問題。純粋な割り算。
問3 3つのうち2つがわかれば、平方数の数列とわかる。しかし、できなくともいいかもしれない。
問4 逆にこの問題を考えると問3ができてしまうかもしれない。
問5 数値のデータからというより、食塩=塩化ナトリウムで正解してほしい。必答。
問6 難しい聞かれ方になっていると思う。できなくともよい。
攻略のポイント
理科の知識を運用する力を必要とするが、その内容はいくつかの要素に分解できる。
①文脈から答えを決定する国語の力
②与えられた条件を理解し、かつその条件を使って具体的に実験して答えに迫る算数の作法
③問題文を数の言葉に置き換え、計算し、答えに至る算数の翻訳する力
④選択肢からキズのあるものを消去し答えを絞り込む国語の作法
理科の最低限の知識はもちろん必要だが、問われているのはそれ以前の、国語と算数の勉強に対する姿勢である。できる生徒は試験中よどみなく手が動き続けるだろうが、なかにはいくら時間を与えられてもお手上げという生徒もいるだろう。
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