麻布中学校 入試対策
2016年度「麻布中学校の理科」
攻略のための学習方法
麻布といえば、記述や考えさせる問題というのがイメージされ、そのための準備がまず頭に浮かぶかもしれないが、それよりもまず大切なのは、通常の理科の勉強である。
40点中、25点を狙うとして、その25点は実際には記述式や考えさせるようなものを抜いて十分に達成しうるものである。
対策として、記述や考えさせる問題はどうしても対策が難しかったり、麻布のみをねらった対策というのはなかなか時間がとれるものではない。
よって、まずは、通常の理科の勉強を十分に固めることが対策のスタートとなる。
①知識問題
まずはここからである。進めれば進めるほど、着実に差がつけられる。塾などの毎回のカリキュラムとは別に、1冊の一問一答の問題集を進めてほしい。
ただし、知識問題であるから、子供に任せて一語ずつ憶えていけばそれでいいというものではない。小学生だと、どうしても意味もわからずの丸暗記となってしまう。
理想的には一語一語全てその説明ができるくらいを目指してほしい。例えば、答えが導管だとして、それが答えられたらおしまいではなくて、導管について、どんな働きをして、植物のどこにどのように通っているのかをあらかた説明できないと、入試では得点にはなりにくいのである。
勉強はしているのに、家にいるほとんどの時間を勉強につぎ込んでいるのに偏差値がなかなか上がらないという生徒に多いパターンとなってしまう。やはり大人がしっかりとチェックしていかないと知識問題でもだめなのである。
また、「受験の最後に知識は詰め込んで」などというフレーズはよく聞くのだが、差をつけるための知識はそんな時間では入らない、次に書く計算問題のほうが直前の学習で何とかなることはあるのだが、知識はしっかりと時間をかけて進めないといけない。
②計算問題
前提として、理科の計算問題というのはそのほとんどが典型問題である。いつかどこかでやった問題が繰り返し出題されている。
大きくいえば、算数もそうなのであるが、理科はそのバリエーションが少ないので、原則出題されるのはいつかどこかでやった問題である。
しかし、中には当然、典型問題にならないように出題しようとする中学校もある。麻布もその一つである。そうすると対策が大変なように思えるが、やはりそうやって作った問題はなかなか適切に思考力を問うようなものをつくるのは難しいのである。
今年の計算問題も難易度は低いものといっていいであろう。
対策としてはテキストに出ている計算問題を漏れなくこなし、差がつかないようにしておくのが一番である。
③記述・思考力問題
あくまでもここまでの通常の勉強が大切なのであるが、記述・思考力問題の勉強についてである。
一番大切、かつ、現在の中学受験の指導から抜けていることなのであるが、記述・思考力の養成には、大きくいって、知識のアウトプットが大切なのである。
思考力といっても、創造的なものを要求しているのではない。論理的な内容をきちんと理解できているかどうかがポイントなのである。
現在の中学受験の指導状況は、例えば、麻布対策の授業といっても、やはり、一般的な講義形式の授業でしかない。これでは、思考力も記述力も育ちにくい。理解できているかは結局その内容を子供自身の言葉で説明ができるかどうかである。
全体授業で子供の説明をうまくくみ取って授業を展開できる技能を持った授業は中学受験塾には残念ながらいない。家で一人一人に対して指導していく、説明させていくしかないのが現状だ。なるべく子供に説明させながら時勉強を進めていかないといけないのだ。
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2016年度「麻布中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
グラフの理解は必須である。グラフの読み取りを交えて出題されている。
大人は中学・高校の数学でいやというほど、関数をやったために、グラフについての知識は当然のようになっているが、小学生にはハードルは高い。
しかし、塾のカリキュラム以上のグラフの理解が必要である。特別な問題集をやるのではなく、過去問を使って、なぜその解答になるのか説明できるように準備するのが最短である。
【大問Ⅰ】生物
- 時間配分:10分
生物の分野に入れるしかないのだが、実際は理科の分野から外れてしまっているといっていい。
問1 唯一、1で理科的な知識で考えることができる問題。
問2 問題の読み取り。
問3 問題の読み取り。
問4 基本問題。
問5 基本問題。社会?
問6 基本問題。
【大問Ⅱ】化学・中和
- 時間配分:10分
中和といっても、酸性・中性・アルカリ性など本当に基本的な知識しか必要ではない。基本は読み取りの問題である。
問1 問題の読み取り。
問2 問題の読み取り。
問3 問題の読み取り。
問4 基本問題。
問5 問題の読み取り。
問6 もちろん解いたことのない問題であろう。どのような方法でどこまで書くことを求められているのかなかなか明確ではない。
問7 基本問題。酸ということについての基本的知識とあとは結局、一般常識の範囲である。
問8 問題の読み取り。
問9 問題の読み取り。
問10 文章から読みとることはなかなか難しいであろう。
【大問Ⅲ】力学
- 時間配分:10分
重心と周期の関係が聞き方を変えて、何度も聞かれている。答えが出ればおしまいではなく、きちんと理解できているかどうかで大きく得点が違ってきてしまう。
問1 理科の記述としては基本中の基本である。必答。
問2 少し応用であるが、このレベルの問題は解いていないといけない。きちんと説明できるように準備しよう。
問3 結局、問2と全く同じことを聞いている。
問4 かなりの基本問題である。
問5 表の読み取り。これも答えが出ればよいではなく、きちんと説明できて、初めて過去問をやった意味が出てくる。
問6 問5ができれば自動的に問6もできる。
問7 重心などの意味がきちんとわかった上で問題を説いてきたかどうかが問われている。「答えがあっていれば次」の勉強ではだめなのである。説明をさせて、それが大丈夫なのかどうかを判断する人は理科に限らず、中学受験では実は必須である。
問8 また、重心と周期の関係についてである。同じことを繰り返し聞いている。
問9 ブランコに乗った体験と学習したことが結びつけられるかどうかが聞かれている。
【大問Ⅳ】地学
- 時間配分:10分
問1 基本知識。社会とかぶる内容だ。
問2 基本問題。繰り返しだが、きちんと説明できるように準備しないといけない。
問3 グラフの読み取り・理解。このグラフを準備してきた受験生はいない。理解したうえで考えて選択肢から選べるかどうかである。だが、大人が考えるよりグラフの問題は小学生には厄介だ。大人は中学生以降、数学でメインでやってきたのは関数だ。簡単に見えてしまう。あまり深入りしないほうがいいであろう。できる生徒は当然解答があっているだけでは役には立たない。なぜそれが答えなのか、説明できるようにするのが勉強だ。
問4 これは特に勉強はいらない。常識の範囲内でできてしまう。
問5 基本知識で解けるであろう。対流と同じく、軽ければ上昇するだろうということが考えられれば良い。
問6 基本知識。グラフの読み取り。このような問題も注意しないといけない。小学生一人で進めていると、答えがあっていたらOK にしてしまいがちである。特に第一志望で繰り返さないといけないということで繰り返すと、当然答えはあってくる。しかしそれは意味がない。なぜ、イになるのか、説明できるかどうかが勉強である。
問7 基本的な計算問題。
問8 グラフの多用が目立つ。上にも書いたように、小学生にグラフは要注意である。しっかりと、着実に勉強を進めないといけない。これもなぜ南東になるのか、わかりやすい説明をしてもらうのではなく、小学生なりの言葉でいいので、説明できるかどうかがポイントである。
攻略のポイント
麻布ということでどうしても身構えてしまうのであるが、勉強の基本方針は、塾のテキスト、カリキュラムをどれだけきちんとマスターしてきたかどうかということである。当然、丸暗記の知識は全く通用しない。もちろん、理科において、知識は重要であるが。
対策としては、これは中学受験の勉強一般に言えることであるが、理解しながら勉強を進めていったかどうかである。当然のように聞こえるかもしれないが、これは割合難しい。
塾の大人数の授業は目的がどうしても正解を出させるという一点に向かいがちだ。それは当然のことであるが、小学生にとってそれは正解を出す方法の暗記の授業になりがちである。実際、現在の塾の指導体制はその形が強い。「答えの出し方、解法を身につける=理解」では麻布に限らず、上位校での高得点は無理である。
結局は、一人ひとり、一つずつ、理解できたかどうか、説明させなければ、入試で使う学力が付いているかどうかは判断できない。模試の記号式の正答率では判断は無理である。
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