「民族」の定義として、境界を接している他民族との関係によって定義されるとする最新の文化人類学の説が説明されている。

問一　ア.　研究 　　イ.　標準　　ウ.　綿密　　エ.　沿(って)　　オ.　起源

問二　あ.　日本人といっても内部には大きな「多様性」がある。

い.　首飾りも腕輪もそれほど「実用性」はない。

う.　近代化しても変わらない「普遍性」があるのではないか？

問三　Ａ.　～とバルトは考えた。「たしかに」調べていくとそのようなケースがたくさんあった。

Ｂ.　バルトの考えるようなケースがたくさんあった。「つまり」、～なわけではかった。

Ｃ.　前段落の内容を実例を挙げて補足しているので「たとえば」。

Ｄ.　「以上述べたように・このように」世界をとらえると……。

問四　「道徳的で文明の進んだヨーロッパという自己像を確立するために、対照的にオリエントは近代文明より遅れた社会であるとのイメージを捏造した」というのが引用された部分の要旨である。

問五　「境界」が設定されたことによって差異が強調され、共通点や似た部分が無視されるというのがバルトの主張であるから、選択肢３は合わない。

問六　①・③が時計回りになるので首飾り、②・④が反時計回りになるので腕輪である。

問七　特に「差異を疑うような比較」を考えることで、他の民族との間に変わらない普遍性が見つかるかもしれないのである。

問八　(１)　１.　Ｙ　　２.　Ｚ　　３.　Ｙ　　４.　Ｙ　　５.　Ｚ

(２)　どちらも「外部の人間にはそれ自体に価値があるようには思えないもの」をやり取りしている点で共通している。

問九　「境界」が本来共通する部分も多い民族を分断してしまうことを憂い、「境界」から「はみだし」て互いをもっと理解し合おうというのが筆者の考えである。

亡くなった人やいるはずのない人に観覧車で会うという不思議な体験を繰り返す主人公の話。

問一　ア.　付帯　　イ.　有頂天　　オ.　率直

問二　２

問三　Ａ.　１　　　Ｂ.　２

問四　子どものときに乗った観覧車が②・③、父親が倒れた時に乗った観覧車が⑤・⑦、現在乗っているのが①・④・⑥・⑧である。

問五　家族と乗っているときは楽しかったが、一人で乗ると「孤独と上昇への不安に、落下の恐怖が加わった」。

問六　直前に書かれている。努力して事業を成功させても、同族会社のトップは他人にはなかなか認めてもらえずぼんくら扱いされるものだが、父親はそれを苦にしなかった、とある。それも父親のひとつの才能だと、主人公は思っているのである。

問七　幼い頃のように一つ前のゴンドラに亡き母が乗っているのではないかと期待していたが、乗っていたのは見知らぬ女性だった。

問八　ゴンドラにいるはずのない若い頃の父親を見ている非現実の状態から、現実へと意識が戻りつつあったのである。

問九　自ら理由を考察している。「怖かったのかもしれない。また誰かに出会うことが、ではなく、出会えないかもしれないことが。」と。過去二回自分の大事な人と観覧車で会えていたため、次は会えないかもしれないと恐れて観覧車に乗ることを躊躇していたのである。