中央大学附属横浜中学校 入試対策
2018年度「中央大学附属横浜中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は2つ。それぞれに論説文の読解と小説の読解が割り当てられている。また、それぞれに漢字の読み書きが5問ずつ・計10問含まれている。総解答数は30~45問ほどで年度により差がある。
設問は選択肢と書き抜きが中心である。記述問題は30~50字ほどの文量で1~2問出題され、「文中の表現を用いて」まとめる形が多い。
特筆すべきは素材文の文量の多さである。ここ数年は、論説文4500~5000字・小説10000字前後で計15000字もの字数になっている。分速700字程度を目標に速読の訓練を積んでおかれたい。
論説文の読解
人文科学・社会科学分野からの出題が多い。論理的文章ということで、接続詞の問題がよく出されている。記述問題は「文中の表現を用いて」答える形で出題されている。書き抜き問題も多いので、文中の重要点をすぐ探し出せるようにしておくとよい。説明的文章の読解の技術を身に付けよう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやす
い。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えな
どは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるとこ
ろ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
小説の読解
小学生を主人公に設定した話や、江戸時代を舞台にした小説などが出題されている。文章は難解なものではなく、小学6年生にも読みやすい。こちらの分野では、読解と合わせて慣用句や文学史の問題が出題されている。
記述問題は文中の言葉を抜き出してまとめただけでは答えにならない問題も多い。はっきり書かれていない心情や理由については、読解で読み取らなければならない。文学的文章の読解の基本を確認しておこう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその
言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もあ
る。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文
章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれる
テーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くこ
とだろう。
選択肢問題
選択肢問題の文章には注意が必要である。一部分だけが異なるものや似ているがよく読むと文意と合わないものなど、注意を怠ると足をすくわれる恐れがある。選択肢の一語一句を本文とよく比較検討して正確に判断できるように、注意力・集中力を高めておきたい。
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2018年度「中央大学附属横浜中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は44問と前年度より10問以上多く、年度により差があるようである。
まずは15000字にもなる本文を読むスピードが欲しい。かなり速いが、分速700字を目標に訓練を積んでおきたい。
難しい問題に時間をかけすぎて、できる問題をやり残すことがないように、過去問でペース配分をつかんでおこう。
【大問1】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:22分
「生きることの4段階」という考えを紹介し、人間が真に「グローバル」に生きるにはどうするべきか論じている。
問一 ア.席巻――ひろく猛威をふるうこと。
問二 2.直後に「~であることも~」とあるので、付け加えるはたらきの接続詞がよい。
問三 同じ段落に「進歩・成長を求める社会」とある。また、4段落後にも「成長を求めての競争」、文章の最
後のほうにも「競争に明け暮れる社会」という言葉があるので、選択肢4が選べる。
問四 この言葉を正しく認識することが、「地球の上での私たちの生き方を考えるうえで大事なこと」だと、次
の段落で書かれている。
問五 人間が「巧みに生きる」とはどういうことかを、傍線の次の段落で、「食品の安全性を自分の感覚で判断
することが生きる基本ではないか」と、具体的に説明している。そして段落の最後で「生きものとしての
能力を充分に生かすこと」が大事だとまとめている。
問七 共存共栄――争うことなく生き、ともに繁栄すること。
問八 筆者の考える真のグローバルとは、最後の段落にある「創造力豊かな、生きる力に充ちた人々が寛容の精
神でつくる社会」を実現するものである。このような内容に当てはまる選択肢が2つある。
問九 1.「あたりまえを基本に置いた社会」とは書かれていない。
2.生物界において弱まっているとは書かれていない。
5.「経済の発展が人間を幸せにする」とは書かれていない。
<時間配分目安:22分>
【大問2】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:28分
- ★必答問題
父親と諍いを起こして木に登り意地でも降りてこない弟を安全に降ろすために、主人公と兄は一計を案じる。
問一 ア 務める・努める・勤めるの3つを区別できるようになっておこう。
イ 無下に――冷淡に・そっけなく。
ウ 逸材 ――並み以上に優れた人物。
問三 五郎が泣き出した場面で、作戦の内容を推測できる言葉が出てきている。しばらく待てば五郎も「心細
さ」を感じて、「意固地の殻」が剥がれると兄たちは考えたようである。
問四 主人公は「もともと木登りなぞ苦手」だと言っている。「胴震い」「冷や汗」などの語からも、高い所が
怖いのだとわかる。
問五 (2)「家は御家人で、身分が低いくせに生意気だ」と普請奉行の息子から目の敵にされている、とあるの
で選択肢1が合っている。
問六 2も良さそうだが、「不遇な友人」「友人のために自らが盾となって」は内容が合わない。
問七 (1)直前の小平治の「父上、~」という呼びかけに応えているので、父。
(2)直前の小平治の「ですが母上、~」という呼びかけに応えているので、母。
(3)直後の、兄が言葉を添える……の部分から、兄。
(4)直後の、父と長兄が相談する声……の部分から、父。
問八 主人公と兄の計画は以下のようなものだったと考えられる。まず五郎が疲れて意固地な気持ちに倦(う)ん
で来るのを待ち、好物の菓子を食べさせて気持ちをほぐす。そして安全に降ろすために、また五郎が降り
られないというと面目を保てないので、高い所が怖い主人公が怖くて降りられないといったところで鳶の
職人を呼びはしごをかけてもらう。五郎はそんな主人公たちの気配りを理解したのである。
問九 1 波線a・bは「喧騒から静寂への転換を際立たせる」効果を狙ったものではない。
2 この時の五郎は高い木の上で寂しさや疲れでべそをかいている状態なので、波線cの情景とは合わな
い。
<時間配分目安:28分>
攻略のポイント
まずは読むスピードをつけること。時間切れで、答えられたはずの簡単な問題に手がつけられなかったという事態は避けたい。
選択肢問題は一言一句に注意して、本文との一致・不一致を正確に判断できるように集中すること。5択であり、文章が少し紛らわしくなっている場合もあるので、選択肢問題の経験を十分に積んでおきたい。
ことばの知識の出題は少ないが、接続詞などは毎年出されているので要注意である。言語事項が少ない分、漢字は全問正解するくらいでないと差がついてしまうかもしれない。
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