中央大学附属横浜中学校 入試対策
2023年度「中央大学附属横浜中学校の社会」
攻略のための学習方法
〇問題構成
大問3つに、地理分野・歴史分野・政治経済分野が割り当てられる形式がここ数年の定型となっている。分野別では政治経済の問題数がやや少なめである。総解答数は35問前後。
選択肢と適語記入の問題が多く、地理・歴史分野で計3問の記述問題が出題されている。
記述問題は40~50字ほどの字数でまとめるようになっている。リード文・資料文・地図・統計グラフ・史料などが多く用いられ、試験全体の分量が多くなっている。
〇地理分野
日本全体から幅広く訊かれる場合とある地域について詳しく訊かれる場合とがある。
奈良市を訪れる観光客の行動の特徴(2021年度)や日本と外国との関係(2020年度)などの出題があった。地形・地名・産業・貿易や気候など、広い範囲から問題が出されている。地図や統計・グラフなど、資料が多く用いられている。
記述問題では与えられた資料から考えられることを述べる論説タイプの問題がよく出されている。各地の特徴や統計データなどについて、暗記するだけでなくその理由もよく考えながら勉強しよう。
〇歴史分野
いくつかの時代について説明した文章を読んで、下線部について答えていく形が多い。古代から近・現代まで、広い時代から出題されている。政治・外交や文化など、いろいろな項目の問題が見られる。時代順の並べ替え問題が毎年出されている。また、年度により、図版などの資料が用いられることもある。
記述問題は資料から考えられることを述べる論説タイプも、ある事項の理由を答える説明タイプも、両方みられる。どの時代から出題されても困らないよう、全体に抜けが無いように覚えておこう。また、なぜそのようなことが起こったのか、原因・背景なども合わせて考えるようにしよう。
〇政治経済分野
前年など、直近に起こった出来事について、またそれを題材として憲法や政治の仕組みなどについて訊かれている。三権の仕組みや選挙、国際関係などの問題が出されている。この分野では記述問題は出題されていない。基本事項の問題が多いが、前年の話題が多く取り上げられるので、重大ニュース集や時事問題集で最新の情報によく目を通しておこう。
〇記述問題
ここ数年は地理分野と歴史分野で1問ずつ出題されている。統計や資料などを読み取ってそこから考えられることを答える論述タイプも、歴史上の事柄などについて内容や理由を訊かれる説明タイプも両方出されている。論述タイプといっても、与えられた材料をしっかり読み取れば答えられるものなので、臆病になることはない。なぜ統計の数字がそのようになるのか、そのような出来事が起こった背景は何かなど、考えながら資料を見る練習を積んでおこう。
〇[まとめ]
各分野が混合した一問一答形式の設問に慣れておこう。一問ごとに、分野・内容・時代がさまざまに異なる問題がならんでいる。そのたびごとに、関連する内容を頭のいろいろな部分から引き出してこなければならない。なお、2022年度・2023年度は大問ごとに3分野が分けられていた。今後の傾向に注意したい。
リード文も量が多いので読むスピードは速い方がよい。もっとも、下線部だけ読めば答えられる問題も多いので、読む部分は必要最小限に抑えることもできそうである。
また、資料を使った問題が多いこと、特に写真をもとに判断する問題が見られるので、資料集をよく読みこんで、写真や図版をすぐ見分けられるようにしておけば得点に結びつくだろう。
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2023年度「中央大学附属横浜中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は44問で例年と変わらない。地理分野14問・歴史分野18問・政治経済分野12問という内訳になっている。統計などの資料が多く使われており、リード文や資料文もあるので、全体量が多くなっている。記述3問に10分程度をあてて、残りの時間で他の問題をこなせるスピードをつけておこう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
九州・中国・四国地方を題材として、産業や貿易などについて訊かれている。
問1 (1) 干潟 (2) リアス海岸 (3) C(佐賀県)
問2 (ア) 自宅から通学してもらうことで、地域との交流や家族とのつながりが途切れないようにするという狙いがある。
問3 夏の南東の季節風は四国山地にあたって高知県側に雨を降らせる。冬は北西の季節風が中国山地にあたって鳥取県側が雨や雪となる。そのため、2つの山地に挟まれた瀬戸内地方は年間を通して雨が少なくなるのである。
問4 標高差がわかる図はBとD、市の位置や交通についてわかり易い図はCである。
問5 (1) 「ジャストインタイム方式(リーン方式ともいう)」はトヨタ自動車が開発したシステムで、必要な物を・必要な時に・必要な量だけ供給するための生産管理システムである。
(2) 順調に販売台数を上げている自動車のグラフは①。ほぼ横ばいの③のグラフは鉄鋼、投資が減少傾向である②は電気機器である。
(3) イ. その国の経済力に応じて労働者の賃金は国ごとに大きく異なる。企業は少しでも安い労働力を得るため、賃金の安い国に工場を建てるのである。
問6 (1) 北海道が1位のグラフ②は肉用牛。鹿児島・宮崎・岩手などブランド地鶏を多く飼育している県が上位を占める③が肉用若鶏、残る①が豚である。
(2) 川の見え方から(イ)は④、(ウ)は①とわかる。神社の鳥居が写り込んでいる(ア)は③、残る(エ)が②である。
(3) 輸出品の変化から「ある国」はオーストラリア、日本の貿易額が最高であるAの国は中国である。
問7 (ウ) 人口増減率のグラフを見ると増加を示す白い部分は全くないので、正しい。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
8つの時代について、人物や出来事について訊かれている。
問1 (イ) 青銅器は主として祭器に使われたもので戦争があった証拠にはならない。また、銅剣・銅矛が大量に出土することはほとんどない。
問2 卑弥呼
問3 現在の埼玉県・東京都・神奈川県の一部には武蔵国が広がっていた。
問4 墾田永年私財法
問5 (イ) 鎌倉時代になっても荘園は存在した。荘園が完全になくなったのは豊臣秀吉の太閤検地以降である。
問6 平将門・藤原純友の乱(10世紀前半)→前九年・後三年の役(11世紀後半)→保元・平治の乱(12世紀半ば)→源平の戦い(12世紀後半)の順。壬申の乱(672年)は武士の出現のはるか前である。
問7 一所懸命
問8 源頼朝の妻・政子が北条家の血筋であった。
問9 (オ) 正長の土一揆(1428年)は時期・内容とも説明と合わない。
問10 (ア) オランダ人ではなく、スペイン人が正しい。
(イ) 信長は関所を廃止した。
(エ) 当時、鉄砲は国内でも製造されていた。
(オ) 安土城があったのは琵琶湖岸である。
問11 武家諸法度
問12 イとオは江戸、エとカは京都のことである。
問13 (ア) 正確な地図を作ることが「簡単に侵略できない国であること」を示すことにはならない。
問14 伊能忠敬
問15 表1からは5万石未満の小さな藩が多かったこと、表2からは各藩の領地が広い範囲に分散していたことが読み取れ、県の行政1つでは治めるのが大変であることが推測される。
問16 (ア) 日露和親条約と、その後の樺太・千島交換条約の内容として正しい。
問17 (エ) 東京では1927年に、大阪では1933年に地下鉄が開業しているので誤り。
問18 佐藤栄作
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
憲法や政治のしくみについて訊かれている。
問1 (1) ウ. 小選挙区制では1つの選挙区から1人しか当選しないため、落選した候補者へ投じられた票の民意が反映されないことになる。
(2) a. 2015年に公職選挙法が改正され、2016年の参議院議員選挙で初めて実施となった。
b. インターネットを使った選挙活動は2013年に認められたが、投票はまだ認められていない。
c. 特定枠の制度は2019年の参議院議員選挙から取り入れられた。
d. 投票時間は午前7時から午後8時までと決められている。
問2 (イ) 国会議員であるので不逮捕特権はあるが、現行犯であれば会期中であっても他の議員と同様に逮捕される。
問3 国会が内閣総理大臣を「指名」し、内閣総理大臣は国務大臣を「任命」する。また、内閣は最高裁判所長官を「指名」し、最高裁判所長官がその他の裁判官を「任命」する。
問4 E. 衆議院 F. 総辞職
問5 違憲立法審査権
問6 国民審査
問7 安全保障理事会の常任理事国は、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア・中国の5か国である。
問8 どちらも正しい。
問9 (イ) たとえ多数決で決まる仕組みであっても、少数意見を完全に無視するのは民主主義の原則に反する。
問10 (エ) 京都議定書が定められたのは気候変動枠組条約第3回締約国会議においてである。
攻略のポイント
選択肢問題中心だが、やや細かい知識を訊かれる問題もある。特に前年の国内・国外での出来事はよく出されているので、今年度の社会情勢の動きや大きな災害などについてはよく調べて詳しくなっておこう。
また、資料集は常に手元に置いて、テキストで得た知識をグラフや写真などで確認し、知識に厚みを持たせよう。資料がいつの時代のどんな人物・出来事に関係のあるものか、すぐ思い浮かべられるようになっておくと安心である。設問がいろいろな時代・分野に飛ぶので、過去問でよく慣れておくこと。
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