中央大学附属中学校 入試対策
2020年度「中央大学附属中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成の特徴]
例年、説明的文章と文学的文章の計2題の長文読解が出題されている。漢字やことばの知識も合わせて出題される。選択式問題が大半を占め、数問の書き抜き問題が出される場合もある。総解答数は40~55問ほどと多めである。
読む分量が多い点が大きな特徴である。素材文2題で計10000字超、それに加えて設問で使われる解説・補足文が900字ほどと、総計12000字程度(2019年度)の文に目を通さなくてはならない。2020年度では計15000字ほどにもなっている。この解説文は主題や要旨について穴埋め選択で答えさせるもので、問題も兼ねているのでしっかり読む必要がある。
選択肢問題と読解のスピードを意識して、過去問・類似問題でよく練習しておかれたい。
[読解問題]
読解の基本を身に付けよう。
・論説文の読解
段落――形式段落と意味段落の整理をし、段落ごとのつながり・まとまりを把握する。意味段落の内容を小見出しのように簡単にメモしておくとあとでわかりやすい。
要点と細部――各段落の最重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておくとよい。細部には要点を捕捉する説明や例え・言い換えなどがあるので注意しておく。
要約と要旨――要点をつなげれば要約ができ、その中でも筆者の一番言いたいことが要旨である。
論説文には専門的な用語や難解な考えなどが含まれているが、つまるところ、それらをわかりやすく端的に短くまとめるという作業が、論説文の読解の基本となる。本校の場合、設問の中の解説文がその役割を果たしてくれている部分があり、大きなヒントにもなっている。過去問を多くこなして、試験の特色をうまく利用できるように慣れておこう。
・小説の読解
登場人物――名前・人数・それぞれの関係を整理する。それぞれの性格も把握しておく。
場面分け――時間・場所・人物の入出などで、場面の変わり目を見つける。場面の変わり目自体が問題となる場合もある。
心情把握――人物の言動・表情さらには情景などから人物の気持ちを読み取る。人物の性格が異なれば、その言動の意味するところも変わってくる。
主題――作者が描きたかったのはどんなことか。人物の成長や苦難・挫折などいくつかのパターンがある。小説を多く読んでいろいろなパターンに触れておこう。
本校の場合、この分野でも人物の心情や小説のテーマなどについて解説文で問題にしてくれている。そこには詳しい説明など解答のヒントも多く含まれているので、しっかり読んで正解につなげたい。
[まとめ]
文量の多さへの対処が重要になる。速く・正確に読めるように多くの文章を読んで経験値を上げておきたい。
問題も兼ねている解説文については、多くの試験では記述で答えたりたりする部分を選択式の穴埋め問題にしてあるので、手がかりも多くなり取り組みやすくなっているとも言える。記述問題への特別な対策が必要でない分は荷が軽いので、しっかり読解力を養うことに注力しよう。言語事項もひととおり訊かれるので手を抜かないように。
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2020年度「中央大学附属中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
読む分量の多さに対処する必要がある。解説・補足文も解答に直結するためしっかり読まなければならない。読むスピードをつけておくこと。
解答数は39問と多い方であるが、選択式問題がほとんどであり、記述式ほど時間は取られない。
【大問1】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:26分
- ★必答問題
「政治をすること」とは「わからなくても決断しその後を覚悟する」ことであり、議論は仲間を作り集めるためでなければならないと述べている。
問1 a. 知見――実際に見て知ること。そうして得た知識。
b. 君臨――ある分野で強大な力を持って他を支配すること。
c. 自負――自分の才能や仕事に自信と誇りを持つこと。
d. 一家言――その人独特の意見や主張。
e. 専門
問2 王様・貴族・ブルジョアジー・労働者と主権が拡大されてきたのだから、ウが選べる。
問3 直前の段落で、大衆でも土日が休みで一般的な知識は持っていることが述べられているので、イが良い。ウは「高度な政治的判断が行える」が合わない。
問4 「まだ知るべきことがある」と「安易な判断を避けようとする」「学者らしい態度」を指している。
問5 「政治家は時間の制約の中、ある段階で物事を決めなくてはならない」とあるので、イを選ぶ。
問6 時間の制約を気にせずに世界を知ろうとし続けるということだろうが、イはそもそも不可能なので、エを選ぶ。
問7 問題の多くは結論が出ない→なぜなら→不誠実さに耐えられないから→だから→先送りにされる。かりに→決めても失敗したら反対派から糾弾される→だから→継続審議にする。
問8 ウは後半は良いが「決定を受け入れた」が合わないので選ばない。
問9 E・F 時間をかければ自分の正しい意見が通るはずだと思っている。「正論」「持論」
問10 ① (ウ)「公共への関心が必ずしも高くない一般大衆まで政治が民主化されてきた」「そんな社会」で「政治に一定の主張なり意見なりを持っていれば十分政治に関わっている」と考えられる。しかし→②
② (エ) 「決めることと覚悟すること」が抜け落ちては「政治をすること」にならない。
③ (ク) 「政治とは仲間を作ること、集めること」であるから→④
④ (コ) 意見の異なる者をも納得させるような議論でなければならない。
a.(オ)どんな決定をしてもそれぞれの「利害の絡み合い」で評価は分かれる。
b. (カ) 自分の考える正しい意見「揺るぎない信念」ばかりが主張された。
c. (ア) 「分岐点の確認」ができなければ対立点が明確化しない。
【大問2】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:24分
児童養護施設で育った主人公と、死期の迫ったかつての園長との最後の会食でのやり取りが、過去の回想をはさみつつ描かれている。
問2 「子どもの考え出したものであるから、べつにたいしたべからず集ではなく」とある。「十戒」というほどでもない、他愛ないものであるということである。
問3 昔のような痛くなるほどの力で握られはしなかった、恐れる必要はなかったということであろう。エは「面食らった」が合わないので選ばない。
問4 ④ 精を出す――物事を一生懸命にする。 ⑤ 元を取る――それまでに費やした金銭・労力などを回収すること。
問5 B. 父子二代で施設にお世話になるという悲しい状況なので「とぼとぼ」。
問7 オムレツが最初の形のまま崩れていない様子を表しており、ルロイ修道士の食欲がないことを示している。
問8 一時的な肉体の痛みより、長く口を利いてもらえないという人としてのつながりを失った状態のほうが辛いのである。
問9 「余命わずか」かどうかはまだ確定していないし、聞いたからといって「追いつめる」ことにもならないので、イは選ばない。
問11 「いけない」と言いながらも、自分へのサービスでちょっとした規則違反をしてしまう上川の元気に働く姿を嬉しく思っている。
問12 「悪戯を見つかったときにしたように」とある。隠していた(自分の死期が近い)ことに気づかれたとわかり、恥ずかしくなっている。
問13 説明文にのっとれば、傍線部の動きは自分に対してのものと考えられる。結局、別れ際に「死に対する恐怖はないか」とルロイ修道士が隠そうとしていた事実に言及して、(f)失礼な質問をしてしまい、うまく見送ることができなかった自分にいら立っているのである。
別の考えとしては、ルロイ修道士に対してと考えてもよさそうである。神に仕える身として真実を隠すことは罪になるはずである。どうして本当のことを話してくれなかったのだと、ルロイに対して駄目を出したのだとも解釈できるのである。
このように、いろいろに考えてみることが小説を読む楽しみでもある。
攻略のポイント
問題自体は特別に高難度というわけではないので、時間が足りずに問題に手が付けられないという事態になったらもったいない。過去問で文章量の多さによく慣れておき、とにかくひととおりは目を通せるように、長文を読むスピードはぜひともつけておきたい。
解説文の穴埋め選択肢という形式にも十分に慣れておくこと。選択肢問題が大半であることも意識して類似問題をこなしておくこと。
漢字やことばの知識も難問ではないので、地道に覚えておいて得点を稼ごう。
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