フェリス女学院中学校 入試対策
2014年度「フェリス女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
[知識の暗記]
1つめは、知識の暗記は「ものの名前」だけではなく「ものの関係」を含めて覚えるようにしたい。例えば【大問2】は、ひとつひとつの「ものの名前」を問うのではなく、「ものの関係」を問うている。こういった出題形式の背景には、少ない設問数でより多くの内容を問いたいという、難関校の事情が想定できる。特に気をつけたいのは、【大問1】や【大問3】のような実験にまつわるもので、作業の目的をきちんと述べられるようになっておきたい。過去問を解いてみて、知識問題の正答率が、普段の模試と異なっていた志望者は、勉強の質を改めよう。
[答案作成の速度と精度]
2つめは、答案作成の速度と精度を磨いておきたい。
フェリスの理科においては、単純な知識は、当然のように暗記していることが前提になる。そのうえで、解答の速度と精度について、早い段階から意識して訓練していきたい。「作業の早さ」と「ミスの少なさ」は、時間制限の緊張のなかで答案を作成する経験からでしか身につかない。過去問の演習の時は、時計を使って時間を計り、時間の感覚を身につけておきたい。
[記述問題に慣れる]
3つめは、記述問題に慣れたい。
記述問題では、身近にある自然現象がなぜ起こるのか、すでに学習した理科のさまざまな法則を当てはめて、説明することが求められている。結果が答えられても、そこまでの過程を、自分の言葉で説明できなければ、得点は伸びない。志望者は日頃から、身のまわりの自然現象を、理科の言葉で説明してみよう。記述問題は、意識して対応していかなければ、なかなか解けるようにならない。すこしでも記述を書いたら、きちんと指導できる人間に添削してもらおう。
[分析力]
4つめは、分析力を身につけたい。
フェリスの理科は、与えられた設問分から「法則を発見」し、その「法則を運用」できることを求めている。具体的には、【大問5】の(設問3−1)と(設問3−2)のような設問だ。志望者の頭の中で、きちんとした法則を構築できるかが、正答率に影響を与えている。いわゆる「仕組みの問題」だが、形式的に丸暗記してきた志望者は歯が立たなくなる。分析力が必要な問題を、時間をとって演習しておきたい。
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2014年度「フェリス女学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は30分で、得点は60点満点だ。大問数は、今年5問で、例年は5問から6問で構成される。短時間で非常に多くの設問を解かなければならない。さらに解答には記述が含まれるので、受験生は答案を埋めるだけでも相当な速度が必要だ。
初めて過去問を解いてみて、時間感覚に戸惑いを覚えるのが、受験生の自然な反応だろう。標準的な試験では、数字や記号だけを答える「短答」形式が多いのだが、フェリスの理科はそれとは別物だ。設問数の多さと、記述を書く手間があるので、あっという間に時間が過ぎていってしまう。答えやすい設問と答えにくい設問が、ばらばらに存在するので、すべての設問に一度は目を通しておける速度がほしい。
【大問1】生物
- 時間配分:5分
生物分野から「動物のしくみ」単元が出題された。目安時間は5分以内だ。
(設問1−1)と(設問1−2)知識問題で、身近な動物への実験の方法について問われている。
(設問2−3)思考問題で、脊椎動物の「哺乳類」と「魚類」の分類の知識から、具体例を挙げることが求められている。
【大問2】地学
- 時間配分:4分
地学分野から「天気の変化」単元が出題された。目安時間は4分以内だ。
全体にわたって、知識の丸暗記では対応できない思考問題になっている。一問一答の暗記による知識ではなく、きちんと物事の関係を理解できているかが問われている。正答率の低くなった受験者は、勉強の質を改めよう。
【大問3】化学
- 時間配分:8分
化学分野から「気体の発生」単元が出題された。目安時間は8分以内だ。
(設問1)実験の細部まで、しっかりとした知識が求められている。
(設問2)「割れる」という結果だけではなく、そこまでの「物事の関係」を記述できることが求められている。
(設問5)思考問題で、受験者の学力の目安になる良い問題だ。「推論の流れ」を、しっかりと言葉で説明できることが求められている。
【大問4】物理
- 時間配分:6分
物理分野から「電気と回路」単元が出題された。目安時間は6分以内だ。
発電やモーターを扱った実験の経験があれば、正答率があがるはずだ。
【大問5】地学
- 時間配分:7分
地学分野から「大地と水の循環」単元が出題された。目安時間は7分以内だ。
(設問3−1)と(設問3−2)与えられた指示を、その場で理解して、計算する設問だ。
攻略ポイント
フェリスの理科において、知識問題では受験者に差がつくとは考えられない。
合否を決めるのは、受験者の「速度」になる。「速度」には2種類ある。
1つめは、計算を処理し、選択肢を判断する速度、いわば「手順を進める速度」だ。
2つめは、設問文や図式が、いったい何を求めているのか分析し、そこから自分の言葉で記述を組み立てていける「考える速度」だ。
過去問の演習をする時は、受験者はどの「速度」を、鍛えていけばよいのか、自覚して取り組んでほしい。
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