フェリス女学院中学校 入試対策
2020年度「フェリス女学院中学校の社会」
攻略のための学習方法
スライド式学習
「フェリス対策」では当然、「地理」「歴史」「公民」全単元の「知識」を確実に定着させることが最優先となる。「基礎的事項」は無論、細部にわたる「知識」や「深い理解」が求められる問題もあるので、テキストの「注」や「囲み説明」等のチェックもしておきたい。
だが、悲しいことに人は忘れるものだ。時が経てば経つほど忘れる。ここに落とし穴がある。基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し定着させたのか、その時期が問題となる。塾では通常、本格的な受験勉強が始まる５年になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、６年の夏休み前には終える。
その後は「復習」となるが、メインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。６年で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか？ 実質的に１年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。フェリスでは「地理」の全分野から出題されるのだ。
そこで、独自の「復習」が必要となる。塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある５年の冬休みやその後の春休みを利用して、徹底的に「地理」の「復習」をしておくことがポイントだ。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用するといい。さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習をこっそり続けておくことで、ライバルに差をつけておきたい。
いもづる式学習
特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。塾での「歴史」の学習は通常、「政治史」を軸とした「通史」で「時代別」「時代順」になっている。しかし、フェリスではそうした単純な出題はほとんどない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸になっている。
それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」～「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。
さらに、その「年表」には「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」も対応させて記入しておきたい。「世紀」と「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が多いからだ。特にフェリスでは「なん世紀」を問う問題が必ず出る。「年表づくり」を楽しみながらやってみたい。
手づくり式学習
ある一つのテーマをもとに、いろいろな時代について総合的に問うパターンが多く見られる。
世界遺産のある土地に関係する歴史（平成24年度）や、各時代の外国との交流（平成25年度）など、話題は多岐にわたる。
この分野では、難しいとされる出来事の並び替えの問題も出されている。
発生した時期が近い出来事の並び替えなどは、年号をはっきり覚えておくか、年表のように一連の流れを思い出せるようにしておかないと正確には答えられない。
人物や出来事について一通り覚えたら、次に年表を使って時間の流れに沿ってまとめていき、地図や白地図で合わせて場所も確認しておく。歴史史料をもとに考えさせる設問もみられるので、資料集の図版などを見分けられるようにしておきたい。
また、用語を書かせる問題が多数あるので、漢字で書けるようにする必要がある。
細部へのこだわり式学習
「リード文」「設問文」「統計資料」等の「要素」と自らの「知識」を多角的に結びつけないと解けない問題がフェリスにはある。考える際の前提は無論、それぞれの「要素」をいかに正確に読み取るかということだ。そこから「考えるヒント」を見つけ出すのだから、「細部」にこだわって読み取ることが重要となる。
当然、トレーニングが欠かせない。過去問や練習問題等を用いて、各「要素」の細かな「意味」や「資料の数字」、そして「関連事項」など全てを材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する練習をしなくてはいけない。導き出せることについては、過去問や問題集の「解説」に示されているので活用する。
こうした「細部へのこだわり学習」を続けることで、次第に様々な「要素」から着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」と結びつけて考えていけばいい。
意識継続式学習
どのような場合も、常に何かを「意識」しながら学習することが必要だ。無意識に机に向っていても無意味。その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのかを具体的に「意識」し続けていることが重要だ。そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。
フェリスの入試では30分という制限の中で、様々な「要素」を考え「条件」をクリアして45前後もの問題に答えなくてはならない。だからこそ、「設問」を正しく理解しているか？ 「要素」は全て確認したか？ 「他の設問」との関連は大丈夫か？「条件」を満たしているか？ つまらないミスはないか？ といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。入試では見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2020年度「フェリス女学院中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問１は｢地理｣。｢北海道･栃木県･長野県｣についての｢リード文｣からの出題｡小問は全３問(解答数11）、｢事項･地名記述｣(｢空所補充｣あり)､｢説明記述｣(１問｡｢字数指定｣なし､｢30字ほど｣の解答欄)。
大問２も｢地理｣。｢中国･四国･九州地方｣の｢地図｣からの出題｡小問は全８問(解答数８）、｢選択肢｣(｢経線･位置特定｣あり)､｢事項記述｣､｢説明記述｣(１問｡｢字数指定｣なし､｢30字ほど｣の解答欄)。
大問３は｢歴史｣。｢東大寺の歴史｣についての｢リード文｣からの出題｡小問は全13問(解答数13)、｢選択肢｣(｢年代整序｣あり)､｢事項記述｣(｢空所補充｣あり)､｢説明記述｣(２問｡ともに｢字数指定｣なし､｢20字ほど｣｢30字ほど｣の解答欄)。
大問４も｢歴史｣(ただし、｢公民｣｢考察問題｣が混在)。｢教育の歴史｣についての｢リード文｣からの出題｡小問は全８問(解答数11)、｢選択肢｣(｢不適切｣あり)､｢事項記述｣(｢空所補充｣あり)､｢説明記述｣(｢考察論述｣を含めて４問｡全て｢字数指定｣なし､｢20字ほど｣２問と｢30字ほど｣と｢60字ほど｣各１問の解答欄)。時間配分としては、｢説明記述｣に９分ほど、｢事項記述｣｢選択肢｣は１問を30秒強という超ハイペースで解いていくことになる。
【大問１】｢地理｣(｢説明記述｣１問あり)
- 難度：易
- 時間配分：6分
｢北海道･栃木県･長野県の地形や産業など｣についての｢リード文｣からの出題｡さまざまな｢統計資料｣や｢地図｣に関しての、｢地理｣単元の｢基本的事項｣が問われている。１問だけ検証してみる。
[ｂ] ｢下線部の空所補充統計資料読み取り事項記述設問｣。
｢リード文｣中の下線部(ｂ)の空所に入る｢農作物｣を、示されている｢表｣(2017年の上位３位までの都道府県別生産量)を参考にして答える。空所前後は｢(栃木県は)裏作用作物として( )の生産が戦後から盛んになり｣となっている。｢裏作｣？ピンとこないか？｢麦｣などが思いつくか？だが、｢表｣の順位は｢栃木｣｢福岡｣｢熊本｣となっている。そこから、｢答え｣＝｢いちご｣だと特定したい。｢いちご｣は収益が高く、｢冬〜春｣が栽培時期なので、｢米作り｣の｢裏作｣にはもってこいだ。本問のように、いくつかの情報(ここでは｢下線部｣と｢表｣)が与えられている場合は、ひとつにとらわれず総合的に考えることが肝要。
＜時間配分目安：30秒弱＞
【大問２】｢地理｣(｢説明記述｣１問あり)
- 難度：標準
- 時間配分：5分
｢中国地方の瀬戸内海側･四国地方･九州地方の地図｣(県境表示)からの出題｡各地域の地理的特徴や産業などについて小問が並ぶ。｢地理｣単元の基礎力が問われているが、紛らわしいものもある。いくつかを確認してみたい。
[問４] ｢地図中の位置特定選択肢設問｣(３択)。
｢地図｣中の(ア)～(ウ)の中から｢室戸岬(むろとみさき)｣を示すものを答える。｢室戸岬｣、何県？といった諸君は｢地理｣の学習が全く不足していると自覚せよ。
(ア)は｢鹿児島県｣の東側の｢大隅半島｣(西側が｢薩摩半島｣、混同せぬよう)の先端、
(イ)は｢高知県｣の｢土佐湾｣の｢西側先端｣、
(ウ)は同じく｢土佐湾｣の｢東側先端｣をそれぞれ示している。
無論、｢室戸岬｣は｢高知県｣、西か東か？｢答え｣は東側の(ウ)だ。迷うようだったら、｢足を引きずっている｣ように見る｢西側｣は｢足摺岬(あしずりみさき)｣だと判別すればいい。ちなみに、(ア)は九州本島最南端の｢佐多岬(さたみさき)｣⇒｢愛媛県｣の西端に突き出た佐田岬半島先端の｢佐田岬(さだみさき)｣と混同しやすいので要注意。
＜時間配分目安：30秒弱＞
[問７] ｢地図中の県名特定と統計資料読み取り選択肢設問｣(４択)。
｢地図｣中の県(Ｂ)･(Ｅ)･(Ｆ)･(Ｈ)の｢養殖業の種類別収穫量｣を示した｢表｣で、｢(Ｈ)県｣を(ア)～(エ)の中から答える。
それぞれの県名は誰でも分かる。
(Ｂ)＝｢熊本県｣･(Ｅ)＝｢広島県｣･(Ｆ)＝｢愛媛県｣･(Ｈ)＝｢徳島県｣だ。｢表｣の項目で｢かき類｣がダントツでトップの(ア)＝｢広島県｣、｢のり類｣がけた違いで多い(イ)＝｢熊本県｣、｢まだい｣が最多の(エ)＝｢愛媛県｣だと判別できるはず。したがって、｢わかめ類｣が他県を圧倒している(エ)が｢徳島県｣＝｢答え｣になる。｢統計資料読み取り｣では、特徴的な項目(数字)に着目して判別していくこと。無論、｢消去法｣も活用すべし。
＜時間配分目安：30秒強＞
[問８] ｢地図中の県名特定と統計資料読み取り選択肢設問｣(３択)。
｢地図｣中の県(Ａ)･(Ｄ)･(Ｇ)の｢県内人口が多い上位２都市それぞれの県総人口に占める割合｣を示した｢表｣(｢●｣が付されているのは｢県庁所在地｣)で、｢(Ａ)県｣を(ア)～(ウ)の中から答える。それぞれの県名は、
(Ａ)＝｢福岡県｣･(Ｄ)＝｢山口県｣･(Ｇ)＝｢高知県｣。
｢表｣ですぐに気づかなくてはいけないのは、(ウ)は｢県庁所在地｣の人口が｢第２位｣だということ｡そこから、(ウ)＝｢山口県｣だと分かる(｢山口市｣より｢下関市｣の方が多い)。残りでは、｢第１位の都市｣がおよそ半分の人口割合となっている(ア)が｢高知県｣の｢高知市｣、｢１位と２位の都市｣で人口割合が約半分の(イ)が｢福岡県｣の｢福岡市｣と｢北九州市｣だと特定できる。よって、｢答え｣は(イ)だ。尚、｢県庁所在地が県内人口第1位ではない県｣は全国で５県ある。｢山口県｣以外では、｢福島県｣(｢福島市｣は｢いわき市｣｢郡山市｣に次いで３位)･｢群馬県｣(｢前橋市｣は｢高崎市｣に次いで２位)･｢静岡県｣(｢静岡市｣は｢浜松市｣に次いで２位)･｢三重県｣(｢津市｣は｢四日市市｣に次いで２位)。本校に限らず頻出なので必ず定着させておくこと。
＜時間配分目安：30秒強＞
【大問３】｢歴史｣(｢説明記述｣２問、｢年代整序｣あり)
- 難度：標準
- 時間配分：8分
- ★必答問題
何度も戦乱で焼けてしまった｢東大寺｣、その大仏を納めた｢大仏殿の歴史｣についての｢リード文｣からの出題｡｢奈良時代｣～｢現在｣までの主に｢政治史｣が多彩な小問で問われている。｢歴史｣単元の標準レベルだが、若干ひねくれた問題があるので注意したい。以下、いくつかの｢設問｣を検討する。
[ｂ] ｢下線部に関しての内容説明記述設問｣(｢字数指定｣なし､｢20字ほど｣の解答欄)。
｢リード文｣中の下線部(ｂ)｢聖武天皇は、さまざまな社会不安が続くなか、仏教の力で国が安らかになることを願い、国分寺を建てることや大仏をつくることを命令｣に関して、この時期の｢社会不安｣を背景にして、｢聖武天皇がたびたび行った、このほかのこと｣を説明する。｢聖武天皇｣が｢鎮護国家｣(仏教により国を守り安泰にすること)の思想で、｢東大寺大仏殿｣や｢国分寺･国分尼寺｣をつくらせたことは知っているはずだが、それ以外となると……、なかなかの難問だ。｢皇族や貴族間の争い｣や｢疫病｣などを避けるために、｢平城京｣→｢恭仁京｣(くにきょう＝京都府木津川市)→｢難波京｣(なにわきょう＝大阪市)→｢紫香楽宮｣(しがらきのみや)→｢平城京｣と都を移しているのだ。こうした内容を簡潔にまとめていく。たとえば、｢平城京から都をあちらこちらに移したこと｡｣(20字)といった｢答え｣だ。本校ではこうしたレベルの出題もあると心得よ
＜時間配分目安：１分弱＞
[ｈ] ｢下線部についての年代整序選択肢設問｣(３択)。
｢リード文｣中の下線部(ｈ)｢(15世紀後半からは)室町幕府がおとろえ、戦国の世となっていった｣について、示されている｢できごと｣を｢起きた順に並べかえて｣答える。
｢年代整序｣は｢うろ覚えの年代｣で整序するのではなく、｢流れ｣や｢キーワード｣を確認し、特定していくことが肝要。｢できごと｣は
(ア)｢室松幕府の滅亡｣･(イ)｢桶狭間の戦い｣･(ウ)｢鉄砲伝来｣だ。
｢流れ｣を確認する。｢キリスト教伝来｣→｢鉄砲伝来｣⇒｢戦国時代｣の歩みが早まる。その時流に乗ったのが｢織田信長｣⇒｢桶狭間の戦い｣＝｢織田信長｣の全国デビュー→｢織田信長が室町幕府15代将軍足利義昭を京都から追放｣＝｢室松幕府の滅亡｣となる。よって、｢答え｣は｢(ウ)→(イ)→(ア)｣となる。ちなみに、それぞれの｢できごと｣の｢年代｣は、(ア)＝｢1573年｣･(イ)＝｢1560年｣･(ウ)＝｢1543年｣。尚、｢戦国時代の流れ｣は本校に限らず頻出なので、確実に押さえておくこと。
＜時間配分目安：30秒＞
[ｋ] ｢下線部についての事項記述設問｣。
｢リード文｣中の下線部(ｋ)の｢５代将軍徳川綱吉｣が、｢仏教の教えに基づいて出した法令｣を答える。はっ？｢仏教の教え｣？何それ？知らない、などとなってはいけない。｢問題文｣は｢人々の間では不満が高まった｣と続いているではないか。であれば、｢答え｣は｢生類憐みの令｣だと特定できるはずだ。この｢法令｣は確かに、仏教では最も重い罪のひとつとされている｢殺生｣(生き物を殺すこと)に基づいている。｢リード文｣や｢問題文｣などのどこに｢手がかり･ヒント｣があるか分からない。全てに目配せをすることが肝要。
＜時間配分目安：30秒強＞
【大問４】｢歴史｣(｢公民｣｢考察問題｣の混在あり)
- 難度：やや難
- 時間配分：11分
｢江戸時代以降の日本の教育の歴史｣についての｢リード文｣からの出題｡｢江戸時代～20世紀末期｣までの｢歴史｣単元の設問に、｢公民｣単元と｢考察問題｣が混在している。本年度の大問では最も手強い小問が並んでいる。特に、｢公民｣と｢考察問題｣は厄介だ。以下、いくつかの｢設問｣を検証したい。
[(３)] ｢リード文の空所補充事項記述設問｣。｢公民｣単元。
｢リード文｣中の空所部( ３ )に入れる｢言葉｣を答える。空所は２か所あり、｢1989年に国連総会で採択された『( ３ )条約』は、締約国が教育についての( ３ )を認め、平等な機会を与える｣となっている。｢1989年｣｢国連で採択された条約｣ということで、すぐに条約名が出てくれば問題ないが、そうでなくても、｢教育について認め｣｢平等な機会を与える｣という｢文脈｣から、｢権利｣⇒｢子どもの権利条約｣と結びつけたい。｢答え｣は｢子どもの権利(条約)｣だ。直接的には知らないことでも、さまざまな｢情報｣をつなぎ合わせて考えていくこと。その際には｢文脈｣の読み取りも重要になる。
＜時間配分目安：１分弱＞
[ｅ] ｢下線部についての理由説明記述設問｣(｢字数指定｣なし､｢20字ほど｣の解答欄)。歴史｣単元。
｢リード文｣中の下線部(ｅ)｢(太平洋戦争が終わっても)初めのうちは『青空教室』で学ぶ子供たちも多くいた｣について、｢『青空教室』で授業が行われたのは、どのような理由からか｣を説明する。｢青空教室｣、｢歴史｣のテキストの｢写真｣で見た記憶があるはず。覚えているか？校舎はなく、周囲は｢焼け野原｣だった。｢空襲｣によるものだ。このことについてまとめていきたい。たとえば、｢空襲で校舎が焼失した学校が多かったから｡｣(20字)といった｢答え｣になる。テキストは、本文だけではなく｢写真｣｢図表｣｢図版｣などの隅々まで確認しておくことが肝要だ。
＜時間配分目安：１分＞
[ｆ] ｢下線部についての事項記述設問｣。｢公民｣単元。
｢リード文｣中の下線部(ｆ)｢(日本国憲法は)第26条で教育を受ける権利を保障｣について、同条は｢第１項で教育を受ける権利を保障｣し、｢第２項では、それを実現させるための手立てを定めている｣が、｢第２項が定めていることをひとつ｣答える。何やら問題文がややこしいが、要は｢日本国憲法第26条の第２項で定められていること｣が問われているわけだ。だが、｢第26条｣＝｢教育を受ける権利｣とは定着しているが、｢第２項｣といわれてもピンとこない諸君が多いだろう。なかなかの難問だ。ここでも与えられている内容から｢自らの知識｣に結びつけていきたい。｢教育を受ける権利｣を｢実現させるための手立て｣⇒｢教育を受けさせる義務｣｢義務教育は無償｣……。よって、｢答え｣は｢教育を受けさせる義務｣や｢無償の義務教育｣などだ。尚、｢日本国憲法第26条第２項｣は｢すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする｣となっている。
＜時間配分目安：１分強＞
[ｈ] ｢下線部についての考察理由説明論述設問｣(｢字数指定｣なし､｢60字ほど｣の解答欄)。｢考察問題｣。
｢リード文｣中の下線部(ｈ)｢国際社会でも、教育を受ける権利は基本的人権｣について、｢教育を受ける権利は、なぜだれもが保障されなければならない基本的人権ととらえられるのか｣、｢あなたの考え｣を論述する。｢基本的人権｣は｢自由権｣･｢平等権｣･｢社会権｣などということは基本的定着事項だ。そして、｢教育を受ける権利｣は｢社会権｣。そこから、｢保障されなければどうなってしまうのか｣と考察していけばいい。｢経済的な理由による不平等･不利益｣がひとつのポイントとなる。たとえば、｢経済的な理由などで教育を受けることができない人が不平等な扱いを受け、人間らしく生きることができない可能性があるから｡｣(58字)といった｢答え｣だ。
本問は、｢新たな大学入試制度｣で重視される｢思考力･判断力･表現力｣を意識した｢考察論述問題｣だ。来年度以降も要注意なので、しっかりと対策をしておきたい。
＜時間配分目安：２分強＞
攻略のポイント
●例年、大半を占める｢基礎的問題｣を絶対に落とさないことが重要。ライバルは確実に得点してくる。したがって、失点は許されない状況だ。ただし、やはり本校らしい｢難問｣もあるのも事実(本年度も少数ではあるが、例外ではない)。しかも、30分で例年45前後の解答数で(本年度は43)で｢説明記述｣までもある。そうなると当然、｢戦術｣も必要だ。｢できそうにもない問題｣に時間を取られ｢できるはずの問題｣を逃してしまうということを防ぐために、瞬時に｢捨て問｣を判別し次の問題に立ち向かうこと。もし時間が余ったら、また戻ればいい。合格ラインは非公表だが、｢受験者平均得点率｣(過去12年間平均で68.6%､本年度は68.3%)から判断すると75%(45点/60点満点)はめざしたい。全体の難易度から判断して、単純なミスさえ防げば｢基礎的知識｣で十分対応できる範囲だ。
●｢統計資料｣｢地図｣などの｢読み取り問題｣が毎年出題されている。解く際には、｢資料｣に示された｢項目｣｢数字｣といった｢要素｣と｢自分の知識｣を多角的に結びつけて考えることが必要になる。そのためにも、過去問演習を通じて(｢解説｣を読みながら)、どのような｢要素｣を組み合わせて考えていけばいいのかを繰り返し確認し、自分でも｢多角的思考｣ができるように練習しておきたい。
●｢説明記述｣の攻略ポイントは、短時間で簡潔にまとめられるように練習を繰り返すことだ。そして、｢社会の記述｣で重要なのが、必ず｢社会科用語｣を使うということ。たとえ｢内容｣は同じだとしても、的確な｢用語｣を用いていなければ得点にはならない。また、｢必要な要素｣は絶対に外さないこと。
●尚、本年度出題があった｢新たな大学入試制度｣を意識した｢考察論述｣、十分な準備が必要なことは言うまでもない。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
フェリス女学院中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー＝学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。