学習院女子中等科 入試対策
2024年度「学習院女子中等科の理科」
攻略のための学習方法
本校入試で例年出題される記述問題に意識を取られがちになるが、各単元の基礎的な内容を理解できていないのに記述問題対策を重点的に行うのは感心しない。むしろ、各単元の基礎的な内容(現象の理屈や生物やものの構造など)を理解することにこだわって学習したい。基礎的な内容を理解し、演習問題をこなしていく中で、徐々に記述問題にも着手していくと良いだろう。難易度としては受験テキストの標準~応用程度の問題を完璧にこなせるようにおけば合格点に手が届く。
以下、問題種別に対策を述べる。
【計算・思考型問題】
物理、化学、地学分野において頻出の問題である。解き方自体は算数のときに使うものより易しいと言えるが、「なぜそのような計算をする必要があるのか」という理屈が分かっていないと何をして良いのかさっぱり分からないのがこの分野の怖いところだ。したがって、これからこの分野を強化しようという人は、各単元において基本となる法則を丁寧に理解することから始めて欲しい。全ての計算は基本法則が根拠となって行われるものだからだ。また、基本法則を理解しようとする場合、「図」を大切にして欲しい。テキストに掲載されている図を見るのはもちろん、自分で図を描けるようにするとなお良い。
今持っているテキストの説明だけでは理解しづらい場合は、異なるテキストを開いたり、先生に分かるまで解説してもらったりしよう。基本法則が理解できたら、1日に1問ずつ問題を解いたり、週に2回程度理科の計算練習をしたりするなど、算数の問題演習と同じように、理科の計算問題の学習を習慣化していくとさらに定着が良くなるだろう。
【知識・時事問題】
本校の入試問題で意外と厄介なのが知識問題だ。厄介な理由は少しマニアックな知識を要求する問題が少し含まれているためである。しかし、マニアックな問題は、基本的な問題を全て完璧に解けるようになった人向けの問題と捉えてもらって良い。受験テキストで紹介される基本的な知識さえ覚えていれば合格点に手が届くのだ。したがって、基本的な知識を正確に覚えることに注力すると良い。一問一答形式の問題で基本的な言葉を覚えたり、テキストの演習問題や過去問を解いたりする中で知識を定着させていくと良い。一方、時事問題については受験年の前年の話題が題材になりやすく、対策が立てやすい。ニュースや本、インターネット等から情報を収集し、基本的な内容について学習しておきたい。
【記述問題】
上述の通り、受験テキストの演習を通じて基本的な事柄がある程度定着し、各単元の基礎的な知識が十分に身についてからで良いだろう。記述練習をする際は、自分の手で書いてみること、お手本となる解答をよく読むことを心掛けたい。また、テキストや過去問の模範解答のみが正解では無いため、書いたものを先生に見てもらうとなお良い。基礎が定着したのであれば、記述問題に積極的に取り組むことは、さらに理解を深める上でとても有益であるから、楽しみながら取り組んで欲しい。
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2024年度「学習院女子中等科の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年通り、物理、化学、地学、生物からそれぞれ1題ずつ、計4つの大問が出題され、問題数は計33問だった。内訳は選択問題が17問、適語記入が6問、数値記入が8問、記述が2問とバラエティに富む。制限時間は30分であるから、1問にかけられる時間は1分程度だ。
【大問1】アゲハチョウ/生物
- 難度:標準
- 時間配分:7分
半分が知識問題、半分が資料解釈問題と言える内容。知識問題は基本的な内容と言えるもので、資料問題も考察しやすいものと言えるため、高得点を取りたい。
問1~3 アゲハチョウをふくむ昆虫に関する基本的な問題といえる。
問4 ナミアゲハのさなぎの色に関する資料解釈問題。(2)の記述問題では、棒の違いや共通点に着目すると良いだろう。
【大問2】津波/地学
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
地形と津波の高さの関係を調べる実験についての問題。津波のニュースに接した経験があると有利かもしれない。合理的に考えることが重要だ。
問1 津波に関する文章への語句補充問題。④⑤は問2以降の内容と関連するため、問1の段階では保留にしておき、問2以降を解き終えた後に取り組んでも良い。
問2,3 本大問の主題である、地形と津波の高さの関係に迫る問題。算数でも扱われる、容器とあふれる水の関係を想起してみると良いかもしれない。
【大問3】浮力/物理
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
おもりを入れた容器に水を入れたときの水深のグラフに関して考える問題。全問計算問題で、算数に近いと言える。グラフを見て容器内で起こる現象をイメージできる必要がある。
問1,2 算数でも扱われる問題。円柱Aを入れた容器に注目すると良い。
問3~6 グラフの読み取りだけでなく、浮力についての知識も必要とする問題。問3~5では、円柱Aと円柱Bの違いに着目すると良い。
【大問4】水溶液の性質/化学
- 難度:標準
- 時間配分:7分
有名な8種類の水溶液の判別実験についての問題。液性、におい、溶質、混合時の反応などについての知識が必要だが、受験教材などにおいては定番の内容であるため高得点を取りたい。
問1~4 混乱をしないよう、記号と名称を特定できた水溶液については、その対応関係をメモしながら解くと良い。
攻略のポイント
最も重要なことは標準的な問題でミスをしないことである。そのためにも、悩む時間を極力減らし、解きやすい問題から解くのは必須だろう。一通り解き終えた後に見直しの時間をとれるとなお良い。一見難しそうと思われる問題は、問題文や資料にヒントが書かれている場合があるため、丁寧に読みたい。また、頭の中だけで考えづらい問題では、面倒くさがらずに式を書くこと図を描くことを徹底したい。初見の記述問題では、完全には理解していない内容だったとしても、言えそうなことや関連しそうなことを書きたい。
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