学習院女子中等科 入試対策
2019年度「学習院女子中等科の理科」
攻略のための学習方法
本校入試で例年出題される記述問題に意識を取られがちになるが、一口に記述問題と言っても書きやすいものと書きづらいものの違いがあるし、全体の中では2~3割程度の点数配分と推測されるため、各単元の基礎的な内容を理解できていないのに記述問題対策を重点的に行うのは感心しない。むしろ、各単元の基礎的な内容(現象の理屈や生物やものの構造など)を理解することにこだわって学習したい。基礎的な内容を理解し、演習問題をこなしていく中で、書きやすい記述問題が解けるようになればそれで十分だ。演習時は受験テキストの標準~応用程度の問題を完璧にこなせるようにおけば合格点に手が届く。
以下、問題種別に対策を述べる。
【計算・思考型問題】
物理、化学、地学分野において頻出の問題である。解き方自体は算数のときに使うものより易しいと言えるが、「なぜそのような計算をする必要があるのか」という理屈が分かっていないと何をして良いのかさっぱり分からないのがこの分野の怖いところだ。したがって、これからこの分野を強化しようという人は、各単元において基本となる法則を丁寧に理解することから始めて欲しい。全ての計算は基本法則が根拠となって行われるものだからだ。また、基本法則を理解しようとする場合、「図」を大切にして欲しい。テキストに掲載されている図を見るのはもちろん、自分で図を描けるようにするとなお良い。
今持っているテキストの説明だけでは理解しづらい場合は、異なるテキストを開いたり、先生に分かるまで解説してもらったりしよう。基本法則が理解できたら、1日に1問ずつ問題を解いたり、週に2回程度理科の計算練習をしたりするなど、算数の問題演習と同じように、理科の計算問題の学習を習慣化していくとさらに定着が良くなるだろう。
【知識問題】
本校の入試問題で意外と厄介なのが知識問題だ。厄介な理由は少しマニアックな知識を要求する問題が少し含まれているためである。しかし、マニアックな問題は、基本的な問題を全て完璧に解けるようになった人向けの問題と捉えてもらって良い。受験テキストで紹介される基本的な知識さえ覚えていれば合格点に手が届くのだ。したがって、基本的な知識を正確に覚えることに注力すると良い。一問一答形式の問題で基本的な言葉を覚えたり、テキストの演習問題や過去問を解いたりする中で知識を定着させていくと良い。
【記述問題】
この分野を学習するのは、受験テキストの演習を通じて基本的な事柄がある程度定着し、各単元の基礎的な知識が十分に身についてからで良いだろう。記述練習をする際は、自分の手で書いてみること、お手本となる解答をよく読むことを心掛けたい。また、テキストや過去問の模範解答のみが正解では無いため、書いたものを先生に見てもらうとなお良い。基礎が定着したのであれば、記述問題に積極的に取り組むことは、さらに理解を深める上でとても有益であるから、楽しみながら取り組んで欲しい。
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2019年度「学習院女子中等科の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問4題の内訳は生物、地学、化学、物理からそれぞれ1題ずつとなっており、問題数は計22問だった。記号選択が6問、適語補充が5問、計算問題が6問、記述問題が5問だった。制限時間は30分であるから、大問一つにつき7分程度が目安だ。
【大問1】昆虫のからだ/生物
- 難度:やや難
- 時間配分:6分
やや答えづらい問題が含まれていた。受験テキストに書かれている細かな情報にも目を通す習慣が必要となる。生物のからだの構造に関して、なぜそのような構造をしているのか日ごろから疑問を持ち、調べる経験を積んでおくとなお良い。また、知らないことを聞かれたとしても、考えられそうなことを書く姿勢で構えておきたい。
問2 昆虫のむねにある器官について考えると良い。
問4 ヒトを含むセキツイ動物のセキツイの意味を考えると違いを認識しやすくなるだろう。
【大問2】惑星、月、星座/地学
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
受験テキストに記載されている基本的な内容を理解していれば難しくはないだろう。
天体に関する図を自分の手で描いて考えられるようにしておくと心強い。
問1 確実に得点したい。太陽系の惑星についての基本的な知識を持ち合わせておきたい。
問3 定番の記述問題である。この内容については、太陽を中心に地球が公転する様子の図を描いて考えられるようにしておきたい。
問5,6 地球と、火星や金星などの地球以外の惑星が太陽の周りを公転する様子の図を描くと考えやすい。問6では、描いた図をもとに、外惑星と内惑星の違いを考えると良い。
問7 最後の1文をヒントとして活用するのも手。
【大問3】ものの溶け方/化学
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
溶解度に関する定番の計算問題。確実に得点したい。本問では与えられた表の数値が溶け残った結晶の質量であることに十分注意したい。
問1~4 いずれの問題も、「温度を変化させない場合、溶ける最大の質量は溶媒の質量に比例する。」という規則を正しく使えるか否かが問われる。
【大問4】ハーフミラーと光/物理
- 難度:標準
- 時間配分:7分
問題文で説明されている基本ルールを理解することが重要である。ルールさえ理解できれば難易度は高くないため、高得点を狙いたい。知識が無いと解けない問題で長時間悩まされるより、こちらを丁寧に解いた方が得策である。是非、自分の手で図を描いて考えて欲しい。
問2 冒頭の説明および問1の説明の内容を正確に使えるかを問うている。図の中に光の強さの数値を書きこんでいくと良い。
問3 光がミラーに当たる毎に、透過する光と反射する光の2種類の光が生じる。
問4 「25」という数値の意味を考えると良い。
問5 より多くの光を受けている人の方が明るく見える。したがって、受けている光が少ない人を選べば良い。問題文の言葉に注意を払いたい。前問までと同様、光の強さを書きこみながら考えると良い。
攻略のポイント
手早く処理していくことが求められるため、悩む時間は極力減らし、解きやすい問題から解いて欲しい。一定数用意される思考型の問題では、問題文を適切に解釈することが必要であるため、問題文を丁寧に読みたい。また、頭の中だけで考えづらい問題では、面倒くさがらずに式を書くこと図を描くことを徹底したい。初見の記述問題では、完全には理解していない内容だったとしても、言えそうなことや関連しそうなことを書きたい。標準的な問題でミスをしないことが重要であるため、確実に取れそうな問題の見直しも行いたい。
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