学習院女子中等科 入試対策
2023年度「学習院女子中等科の理科」
攻略のための学習方法
本校入試で例年出題される記述問題に意識を取られがちになるが、各単元の基礎的な内容を理解できていないのに記述問題対策を重点的に行うのは感心しない。むしろ、各単元の基礎的な内容(現象の理屈や生物やものの構造など)を理解することにこだわって学習したい。基礎的な内容を理解し、演習問題をこなしていく中で、徐々に記述問題にも着手していくと良いだろう。難易度としては受験テキストの標準~応用程度の問題を完璧にこなせるようにおけば合格点に手が届く。
以下、問題種別に対策を述べる。
【計算・思考型問題】
物理、化学、地学分野において頻出の問題である。解き方自体は算数のときに使うものより易しいと言えるが、「なぜそのような計算をする必要があるのか」という理屈が分かっていないと何をして良いのかさっぱり分からないのがこの分野の怖いところだ。したがって、これからこの分野を強化しようという人は、各単元において基本となる法則を丁寧に理解することから始めて欲しい。全ての計算は基本法則が根拠となって行われるものだからだ。また、基本法則を理解しようとする場合、「図」を大切にして欲しい。テキストに掲載されている図を見るのはもちろん、自分で図を描けるようにするとなお良い。
今持っているテキストの説明だけでは理解しづらい場合は、異なるテキストを開いたり、先生に分かるまで解説してもらったりしよう。基本法則が理解できたら、1日に1問ずつ問題を解いたり、週に2回程度理科の計算練習をしたりするなど、算数の問題演習と同じように、理科の計算問題の学習を習慣化していくとさらに定着が良くなるだろう。
【知識・時事問題】
本校の入試問題で意外と厄介なのが知識問題だ。厄介な理由は少しマニアックな知識を要求する問題が少し含まれているためである。しかし、マニアックな問題は、基本的な問題を全て完璧に解けるようになった人向けの問題と捉えてもらって良い。受験テキストで紹介される基本的な知識さえ覚えていれば合格点に手が届くのだ。したがって、基本的な知識を正確に覚えることに注力すると良い。一問一答形式の問題で基本的な言葉を覚えたり、テキストの演習問題や過去問を解いたりする中で知識を定着させていくと良い。一方、時事問題については受験年の前年の話題が題材になりやすく、対策が立てやすい。ニュースや本、インターネット等から情報を収集し、基本的な内容について学習しておきたい。
【記述問題】
上述の通り、受験テキストの演習を通じて基本的な事柄がある程度定着し、各単元の基礎的な知識が十分に身についてからで良いだろう。記述練習をする際は、自分の手で書いてみること、お手本となる解答をよく読むことを心掛けたい。また、テキストや過去問の模範解答のみが正解では無いため、書いたものを先生に見てもらうとなお良い。基礎が定着したのであれば、記述問題に積極的に取り組むことは、さらに理解を深める上でとても有益であるから、楽しみながら取り組んで欲しい。
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2023年度「学習院女子中等科の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
物理、化学、地学、生物からそれぞれ1題ずつの計4題で問題数は計20問だった。内訳は選択問題が7問、適語記入が2問、数値記入が4問、記述が5問、作図が2問とバラエティに富む。制限時間は30分であるから、1問にかけられる時間は1分程度だ。
【大問1】海洋酸性化と海洋プラスチックごみ問題/生物
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
近年ニュースなどで見かける題材を元にした問題。海洋酸性化に関する問題と、海洋プラスチックごみに関する問題がそれぞれ3問ずつ、計6問出題され、内3問が記述式だった。これらについて学習した経験があると有利だろう。
問1~3 海洋酸性化についての問い。海水の液性、酸性化の原因、問題点についての理解が求められた。一部の生物が持つ石灰質の殻と酸性の水溶液の反応について着目すると良い。
問4~6 海洋プラスチックごみについての問い。何が問題視されているか、ということへの理解が問われた。プラスチックの性質、海洋における食物連鎖に目を向けると良い。
【大問2】化学変化/化学
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
化学変化についての基本知識と計算能力が問われた。定番の内容ではあるが、学習の経験が無いと厳しいだろう。
問1 化学変化と物理変化の違いについての問い。それらの用語について理解していることが望ましいが、その点はどちらでも良い。序文で述べられている通り、「全く別の物質に変化」するものを選択する。
問2(1) 鉄の性質について考えると良い。(2) 定番の計算問題。過不足なく反応する場合の反応量の比について考えると良い。
【大問3】星座/地学
- 難度:標準
- 時間配分:7分
季節の星座、日周・年周運動を題材とした問題。定番の内容と思われるので、高得点を取っておきたい。
問1 季節の星座についての問い。代表的な星座であるため選びやすいだろう。
問2,3 北天に見られる代表的な天体についての問題。確実に正解したい。
問4~6 北天における日周・年周運動についての問い。基本知識を整理しながら確実に正解したい。
【大問4】ソーラーライト/物理
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
コンデンサーを使用した夜間のみ点灯を行うソーラーライトを題材とした問題。コンデンサーについての知識があると有利ではあるが、無くても構わない。問題の誘導に従って解いていけば良い。
問1 コンデンサーについての問題。文やグラフで示されているコンデンサー、豆電球の性質について良く理解してから解き進めたい。難易度は高くないはずだ。
問2 回路図で示されたソーラーライトが夜間のみ点灯を行う仕組みについて記述させる問題。問1で考えたコンデンサーの働き、電磁石の働き、金属棒および鉄の役割を考えると良い。
攻略のポイント
最も重要なことは標準的な問題でミスをしないことである。そのためにも、悩む時間を極力減らし、解きやすい問題から解くのは必須だろう。一通り解き終えた後に見直しの時間をとれるとなお良い。一見難しそうと思われる問題は、問題文や資料にヒントが書かれている場合があるため、丁寧に読みたい。また、頭の中だけで考えづらい問題では、面倒くさがらずに式を書くこと図を描くことを徹底したい。初見の記述問題では、完全には理解していない内容だったとしても、言えそうなことや関連しそうなことを書きたい。
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