学習院中等科 入試対策
2018年度「学習院中等科の算数」
攻略のための学習方法
学習院中等科、算数の満点は100点、合格者平均点は例年7割程度である。満点は算数、国語が100点、理科、社会が80点で、算数と国語の比重がやや高くなっている。
標準的な問題が多いがややレベルの高い問題も含まれている。グラフの読み取り問題など頻繁に出題される単元もあり、過去問およびその類題演習に大きな意味がある。
試験時間は50分、問題量に対して十分な時間は用意されているので、慌てる必ことなく、落ち着いて取り組んで欲しい。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
毎年整数、小数、分数の計算が4題程度出題される。□を求める問題も含まれる。計算問題への対策としては、毎日5題~10題程度の計算練習を行って欲しい。素早く解くことも大事だが、落ち着いて丁寧に解く練習を心がけて頂きたい。□を求める問題も例年出題されているので、練習を十分に行って欲しい。
文章題
ここ何年かの出題傾向を見ると、小問として過不足算、倍数算、食塩水の濃さ等が、大問として速さに関する問題が頻繁に出題されている。速さに関する問題はダイヤグラムの読み取りと関連して出題されることが多い。際立った難問が出題されることはないので、基本をしっかり固めることが大切である。特に、ダイヤグラムの読み取りには時間をかけて演習を多く重ねて欲しい。
数に関する問題場合の数と数の性質に関する問題でややレベルの高い問題であった。ここ何年かを見ると、数列に関する問題が頻繁に出題されている。場合の数や数の性質は苦手にしている方が多いと思う。特に場合の数はいろいろなパターンの問題があるので、幅広くいろいろな問題の練習を行って頂きたい。
平面図形
面積や角度を求める問題は毎年出題さている。今回は図形の移動に関する出題もあった。平面図形については際立った難問はあまり見られないが、多少応用的な内容も含めて練習しておきたい。特に、相似など比を使った問題に力を入れて欲しい。また日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形
今年度は立体図形の出題はなかった。ここ何年かを見ると、立体図形の出題はあまり多くはないが、水そうに水を入れた時の深さの変化に関する問題が出題されている。ここでもグラフの読み取りが大きなポイントとなる。今後も同様の出題が予想される。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい
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2018年度「学習院中等科の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題が4題、小問4題、大問が4題で100点満点、試験時間は50分で例年通りであった。合格者平均は、ここ何年かは7割前後で落ち着いており、一定レベルの難易度が保たれている。
すべての小問数は20で多くはないので、あせることなく落ち着いて取り組んで欲しい。できる問題から解答欄を埋めていくという姿勢も大切である。
【大問1】計算問題
- 難度:易
- 時間配分:6分
(1)整数の四則演算
(2)分数の四則演算
(3)小数の四則演算
(4)□を求める問題
特に難しい計算もないので、確実に正答したい。慌てることなく、計算した後の見直しを行って欲しい。
【大問2】小問集合 (文章題、数の性質)
- 難度:標準
- 時間配分:8分
(1)平均算
「毎日10000個の商品を製造している」は問題を解く上で全く関係ない。
「月曜日から金曜日までの不良品の平均×5-月曜日から木曜日までの不良品の合計」で金曜日の不良品の数が求まる。
(2)和差算
3本の線分図を描いて考えること。
(3)食塩水の濃さ
面積図または天秤図を描いて考えること。
(4)数の性質
線分図を描いて考えると、550と862の差である312と、862と1252の差である390の最大公約数を求めればよいことがわかる。
文章題と数の性質の小問集合。いずれも問題集等で見かける典型的な問題。確実に正答するためにも、図を描くなどして落ち着いて考えて欲しい。
【大問3】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
(1)正六角形の長い方の対角線は、1辺の長さの2倍になることがポイント。
求める図形の周の長さは、長い対角線6本、短い対角線12本、辺6本の合計になる。
(2)描かれた図形は6角形なので、その内角の和は180×(6-2)より720度
(3)求める図形は対角線の長さが15.57cmと9cmのひし形の面積の2/3にあたる。
別解としては、求める図形が正六角形の何個分にあたるかを考えてもよい。
(1)でも書いたように、長い方の対角線の長さがすぐに判断できるかが明暗を分ける。
(3)について図をよく見て判断して欲しい。
ここで得点できなかった場合は、正六角形の分割の基本をもう一度復習して頂きたい。
また、内角の和の求め方など多角形についても復習して欲しい。
【大問4】図形の移動
- 難度:標準
- 時間配分:9分
(1) 図より、180-(76+42)=62度回転したことがわかる。
(2) 共通部分を加えて考える。(ア=イならばア+ウ=イ+ウという考え方)
従って、ア-イ=中心角62度で半径6cmの扇形-中心角42度で半径6cmの扇形となる。
(3)180-(69+59)より52度となる。
(2)の考え方を利用して解く問題は入試でもよく利用される。しっかり覚えておきたい。また、回転移動の問題では、どの辺とどの辺が等しいのか印をつけることにより、二等辺三角形や正三角形の発見につながる。
【大問5】図形上の点の移動とグラフの読み取り
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
(1) 三角形ABCが12㎠なので、辺ABの長さは6cm
(2) 三角形PABは1秒間に3㎠ずつ増加し、三角形QBDは1秒間に1.5㎠ずつ減少するので、12÷(3+1.5)で求めることができる。
(3) 面積の和が最も大きくなるのは、三角形PABの面積が12㎠になる4秒後である。
このとき、三角形QBDの面積は 12-1.5×4より6㎠。よってその時の2つの三角形の面積の和は、18㎠となる。
学習院中で毎年出題されるグラフの読み取りに関する問題。(2)では、2つの面積の変化を旅人算的な考え方で解くことがポイント。
ここで得点でなかった方はもちろん、学習院受験生は過去問等を通じてグラフの読み取り問題を、過去問等を使ってしっかり学習して欲しい。
【大問6】場合の数・数の性質
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
(1)5×4×3×2=120通り
(2)5321×4、5312×4、4321×5、4312×5などを計算して確認すると、2番目に大きいのは4312×5の21560になる。
(3)
残った1枚が1の時・・・すべて割り切れる
残った1枚が2の時・・・1の位を4にすると割り切れる
残った1枚が3の時・・・5+4+2+1=12より、できる4けたの数は必ず3の倍数になる。
残った1枚が4の時・・・しも2桁が12、32、52にすれば4の倍数ができる
残った1枚が5のとき・・・5の倍数をつくることはできない
場合の数、および数の性質に関する出題。
(1)は易問なので正答不可欠。(3)は倍数の見分け方と場合の数を融合した良問。
やや難しいかもしれないが、倍数の見分け方の復習も兼ねてしっかり考えて欲しい。
攻略のポイント
前半は計算問題と小問の集合で、後半に大問が4題の構成になっている。大問1の計算問題は基本的なもの。文章題、数の性質の小問集合も塾のテキストなどで見かける標準的な問題であった。
大問は平面図形、図形の移動、図形上の点の移動とグラフ、場合の数と数の性質の4題で、場合の数と数の性質はややレベルの高い出題であった。
本校攻略のポイントとしてまずは苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけることがあげられる。その上で、過去に頻繁に出題されているダイヤグラムなどグラフの読み取りに関する問題、平面図形、数列などには特に力を入れて学習して欲しい。
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