学習院中等科 入試対策
2021年度「学習院中等科の算数」
攻略のための学習方法
学習院中等科、算数の満点は100点、今年度の合格者平均点は8割を超え、昨年度の本校1回目試験に比べるとかなり易化している。
標準的な問題が多いがややレベルの高い問題も含まれている。今年度では、大問4の平面図形についての出題がやや難しい内容であった。グラフの読み取り問題などほぼ確実に出題される単元もあり、過去問およびその類題演習に大きな意味がある。試験時間は50分、問題量に対して十分な時間は用意されているので、慌てる必ことなく、落ち着いて取り組んで欲しい。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
毎年整数、小数、分数の計算が4題程度出題される。□を求める問題も含まれる。計算問題への対策としては、毎日5題~10題程度の計算練習を行って欲しい。素早く解くことも大事だが、落ち着いて丁寧に解く練習を心がけて頂きたい。□を求める問題も例年出題されているので、練習を十分に行って欲しい。
文章題
今年度は、小問として過不足算、年齢算、平均算、仕事算が、大問では速さとダイヤグラムが出題された。ここ何年かを見ると、小問としては、食塩水の濃さ、売買損益などの割合と比に関する文章題が、大問として速さに関する問題が頻繁に出題されている。速さに関する問題はダイヤグラムの読み取りと関連して出題されることが非常に多い。ダイヤグラムの読み取り問題の練習には時間をかけて取り組んで欲しい。
また、和と差の文章題(過不足算、つるかめ算等)、割合と比の文章題(食塩水の濃さ、相当算など)の練習もしっかり行って欲しい。
数に関する問題
場合の数、数の性質、数列に関する問題が頻繁に出題される。今年度は、割り算のあまりを中心とした数の性質の出題であった。場合の数や数の性質などこの分野を苦手にしている方が多いと思う。特に場合の数はいろいろなパターンの問題があるので、幅広くいろいろな問題の練習を行って頂きたい。数の性質に関しては、今年出題された割り算のあまりに関する問題や、約数の個数、素因数分解に関連した問題の練習を中心に学習すること。
平面図形
面積や角度を求める問題は毎年出題さている。今年度は円とおうぎ形の複合図形の求積で、やや難度の高い問題であった。ここ何年かでは、正多角形とおうぎ形による複合図形の求積、図形の移動に関する出題などが見られた。この分野については、際立った難問はあまり見られないが、多少応用的な内容も含めて練習しておきたい。特に、相似など比を使った問題に力を入れて欲しい。また日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形
今年度は立体図形の出題はなかった。ここ何年かを見ると、立体図形の出題はあまり多くはないが、水そうに水を入れた時の深さの変化に関する問題が出題された年度もある。ここでもグラフの読み取りが大きなポイントとなる。今後も同様の出題が予想される。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい。
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2021年度「学習院中等科の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題が4題、小問4題、大問が3題で100点満点、試験時間は50分で例年通りであった。合格者平均は、81.3点で、ここ何年かの本校1回目入試に比べると大幅に高くなっている。すべての小問数は19で多くはないので、あせることなく落ち着いて取り組んで欲しい。高得点での戦いになるほどミスは禁物になる。
【大問1】計算問題
- 難度:易
- 時間配分:8分
(1)整数の四則演算
(2)小数の四則演算
(3)分数の四則演算
(4)□を求める問題
例年通り大問1は計算問題4題であった。確実に正答したい。慌てることなく計算し、見直しも行って欲しい。
【大問2】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1) 過不足算
過不足算の典型題。
(2) 年齢算
線分図を描いて考えること。年齢の差は何年経っても変わらない。
(3) 平均算
面積図またはてんびん図を描いて考えること。
(4) 仕事算
A1人が1日にする仕事が②、Bが1日にする仕事が①、全体の仕事が⑱となるので、18÷1 より18日。
文章題の小問集合。いずれもテキストの例題にのっている典型題。確実に正答して欲しい。間違えた問題がある場合は、テキストに戻って基本から復習すること。
【大問3】数の性質
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1) 12、18、42の最小公倍数を求めると252。4桁で最小の数であることから、252×4 より1008。
(2) 252の倍数+1で、4桁の最大の数を求めればよい。
(3)12の倍数+11、18の倍数+17、42の倍数+41 は、12の倍数-1、
18の倍数-1、42の倍数-1 と考えることができる。252の倍数-1で、
5000に最も近い整数を求めればよい。
割り算のあまりを中心とした数の性質に関する出題。中学入試では頻出の内容で、特に(3)の解法が使えるかどうかが大きなポイント。
【大問4】平面図形
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
(1) 6か所ある同じ形の斜線部分の1つに着目すると、半径3cm中心角60度のおうぎ形の弧の長さの4つ分になる。
(2) 6か所ある斜線部分のうち1つ分の面積は、1辺の長さ3cmの正三角形2つ分にあたる。1辺の長さ3cmの正三角形の高さは問題文に書かれてある2.59cmを利用すること。
(3)6つある斜線部分のうち1つ分に注目すると、半径6cm中心角60度のおうぎ形から、1辺3cmの正三角形2つと半径3cm中心角60度のおうぎ形2つを除いた面積になる。
円・おうぎ形の複合図形の求積を中心とした出題。図の観察がポイントで、おうぎ形の半径・中心角を見極める力が必要になる。
【大問5】速さとダイヤグラム
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
(1) 太郎の行きの速さ3、一郎の行きの速さを8とすると、出会うまでに進んだ道のりの比は、3×18:8×12=9:16。2000mを9:16で分配することにより、720m。
(2) 一郎が太郎と出会うまでに進んだ道のりは1280mなので、1280÷12×6
0をkmに変換し、毎時6.4km。
(3) 太郎の家から公園までの道のり:一郎の家から公園までの道のり=9:16なので、帰りの速さを9:16にすれば2人は同時に家に帰宅する。
本校算数入試ではおなじみのダイヤグラムの出題。次年度以降も出題される可能性が極めて高いので、今回間違えた方、あるいはダイヤグラムに関する問題が苦手な方は、ダイヤグラムを利用する速さに関する問題の練習に時間をかけよう。
【大問6】推理算
- 難度:標準
- 時間配分:8分
(1) 「B、C、Dの中に奇数は1枚」「A、C、Dの中でCが最大」「A、B、Dの中でDが最大」 以上より、A=1、B=2、C=4、D=3。
(2) Aの発言が本当なら、BとCはうそになる。この条件で表を作成。同様に、Bの発言が本当のとき、Cの発言が本当のときについて表を作成して、条件に合うものを見つけること。
推理算。(1)は易問。(2)は表に整理して考えるなど工夫が必要。
攻略のポイント
前半は計算問題と小問の集合で、後半に大問が4題という例年同様の構成。大問1の計算問題は基本的なもの。大問2の小問集合は、過不足算・年齢算・仕事算といった塾のテキストなどで見かける典型題であった。後半の大問は数の性質、平面図形、速さとダイヤグラム、推理算の4題であった。
本校攻略のポイントとしてまずは苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけることがあげられる。過去に頻繁に出題されているダイヤグラムなどのグラフの読み取りに関する問題、平面図形などには特に力を入れて学習して欲しい。
問題に取り組む姿勢としては、前半の計算問題や小問集合は得点しやすい問題が並んでいるので、ここでの取りこぼしは禁物である。
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