学習院中等科 入試対策
2022年度「学習院中等科の算数」
攻略のための学習方法
学習院中等科、算数の満点は100点、今年度の合格者平均点は8割程度。昨年とほぼ同レベルであった。
標準的な問題が多いがややレベルの高い問題も含まれている。今年度では、大問5・大問6がやや難しい内容であった。グラフの読み取り問題などほぼ確実に出題される単元もあり、過去問およびその類題演習に大きな意味がある。試験時間は50分、問題量に対して十分な時間は用意されているので、慌てる必ことなく、落ち着いて取り組んで欲しい。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
毎年整数、小数、分数の計算が4題程度出題される。□を求める問題も含まれる。計算問題への対策としては、毎日5題~10題程度の計算練習を行って欲しい。素早く解くことも大事だが、落ち着いて丁寧に解く練習を心がけて頂きたい。□を求める問題も例年出題されているので、練習を十分に行って欲しい。
文章題
今年度は、小問として通過算・集合算など、大問では2人の間の距離を表すグラフについて出題された。ここ何年かを見ると、小問としては、食塩水の濃さ、売買損益などの割合と比に関する文章題が、大問として速さに関する問題が頻繁に出題されている。速さに関する問題はダイヤグラムの読み取りと関連して出題されることが非常に多い。ダイヤグラムの読み取り問題の練習には時間をかけて取り組んで欲しい。
また、和と差の文章題(過不足算、つるかめ算等)、割合と比の文章題(食塩水の濃さ、相当算など)の練習もしっかり行って欲しい。
数に関する問題
場合の数、数の性質、数列に関する問題が頻繁に出題される。今年度は、小問で割り算のあまりに関する問題、大問では分数の数列に関しての出題であった。この分野の学習として、まず場合の数では順列・組み合わせ・カード並べなどいろいろなパターンの問題があるので、幅広く問題の練習を行って頂きたい。数の性質に関しては、今年出題された割り算のあまりに関する問題、約数の個数、素因数分解に関連した問題の練習を中心に学習すること。規則性に関する問題では、等差数列・群数列・三角数や平方数を利用する数表に関する問題の練習に力を入れて欲しい。
平面図形
面積や角度を求める問題は毎年出題さている。今年度は図形の移動についての出題であった。ここ何年かでも図形の移動について出題されており、正多角形とおうぎ形による複合図形の求積なども見られる。この分野については、際立った難問はあまり見られないが、多少応用的な内容も含めて練習しておきたい。特に、図形の移動と相似など比を使った問題に力を入れて欲しい。また日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形
今年度は立体図形の出題はなかった。ここ何年かを見ると、立体図形の出題はあまり多くはないが、水そうに水を入れた時の深さの変化に関する問題が出題された年度もある。ここでもグラフの読み取りが大きなポイントとなる。今後も同様の出題が予想される。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい。
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2022年度「学習院中等科の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題が4題、小問4題、大問が3題で100点満点、試験時間は50分で例年通りであった。合格者平均は、約80点で、昨年とほぼ同レベルであった。すべての小問数は19で多くはないので、あせることなく落ち着いて取り組んで欲しい。高得点での戦いになるほどミスは禁物になる。
【大問1】計算問題
- 難度:易
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)整数の四則演算
(2)小数の四則演算
(3)分数の四則演算
(4)□を求める問題
例年通り大問1は計算問題4題であった。確実に正答したい。慌てることなく計算し、見直しも行って欲しい。
【大問2】小問集合
- 難度:易
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1) 植木算
植木算の典型題。両端に木を植えるとき、木の数=間の数+1。
(2) 集合算
野球またはサッカーが好きな人は、22+18-6 より、34人。どちらも嫌いな人は、45-34 より、11人。
(3) 通過算
電車は鉄橋の長さと電車の長さを足した長さを進む。
(4) 数の性質
220-10 の約数を求める。あまりの10より大きな数で割っていることに注意。
文章題・数の性質など典型題の小問集合。間違えた問題があれば、テキストの例題などに戻って復習すること。
【大問3】図形の移動
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1) 30度-60度-90度の直角三角形では、一番長い辺と一番短い辺の長さの比が2:1になることを利用。6+12+6 より、24cm。
(2)(3)点Pは、半径24cm・中心角90度のおうぎ形、半径18cm・中心角120度のおうぎ形、半径6cm・中心角150度のおうぎ形を描く。
(2)ではおうぎ形の弧の長さを求め、(3)ではおうぎ形の面積の計算をすればよい。
図形の移動に関する問題。テキストや問題集では「犬小屋につながれた犬の動ける範囲を求める問題」としてよく見かける内容の出題。また、30度-60度-90度の直角三角形については、中学入試必須の重要事項。解答にあたっては、作図と計算を落ち着いて行うこと。間違えた場合は、上記タイプの問題練習を行って欲しい。
【大問4】数列
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
(1) 分子は公差2の等差数列、分母は公差9の等差数列になっている。30番目の分子は、15+2×(30-1)より73、30番目の分母は22+9×(30-1)より283。
(2) (400-22)÷9+1 より、分母が400の分数は43番目の分数。43番目の分数の分子は、15+(43-1)×2 より、99。
(3)15+②:22+⑨=1:4 という比例式が成り立てばよい。内項の積と外項の積は等しいという性質を使うと、22+⑨=60+⑧ となり、①=38 従って39番目の分数とわかる。
数列に関する出題。(1)は易問。(2)も何とか正答したい。(3)は比を使った処理が入るために、やや難度が上がる。
【大問5】速さとダイヤグラム
- 難度:やや難
- 時間配分:9分
- ★必答問題
太郎が学ぶと出会うまでに歩いた距離は、60×42 より2520m
学は太郎と出会うまでに歩いた距離は、5400-2520 より2880m
従って、学の歩く速さは、2880÷32 より、分速90m。
- 学がB地点からA地点まで分速90mで歩くと、5400÷90 より、60分か
かる。途中の休憩時間5分を含めると、65分かかった。太郎は学より10分速く出発し、学と出会うまでに42分かかっているので、走った時間は、33分間。
この33分間で、42×60+5400 の7920m進んだので、走る速さは、
7920÷33 より、毎分240m。
- アは太郎がA地点に戻ったときの2人の間の距離である。42+2520÷240 より、太郎がA地点に戻ったのはA地点を出発してから52.5分後。それまでに学は、90×(52.5-10-5) より、3375m進んでいる。従って、2人の間の距離は、5400-3375 より、2025m。
本校算数入試ではおなじみのダイヤグラムの出題。まずは、2人の間の距離のグラフの折れ曲がっている部分で何が起こったのかを考えることがポイント。その上で、太郎、学それぞれの動きを表すダイヤグラムを作成し、それを見ながら解答すること。休憩や速度の変化などがあることが問題をやや複雑にしているが、ダイヤグラムは本校の入試で超頻出の重要問題である。本校受験者は特に力を入れて学習して欲しい。
【大問6】推理算
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
(1) むらかみ君の発言より、2回勝ったチームに勝った3組が1位。もりした君の発言より、3組はもりした君のチームとわかる。
(2) 各自の発言から、だれが何組で何位かを推理する問題。「何組か」と「だれの組か」を結びつけながら考えることがポイントだが、やや難度が高い。
条件整理の問題。今後も出題の可能性が高く、練習をしておきたい。
攻略のポイント
前半は計算問題と小問の集合で、後半に大問が4題という例年同様の構成。大問1の計算問題は基本的なもの。大問2の小問集合は、植木算・集合算・通過算といった塾のテキストなどで見かける典型題であった。後半の大問は図形の移動、数列、速さとダイヤグラム、推理算の4題であった。
本校攻略のポイントとしてまずは苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけることがあげられる。過去に頻繁に出題されているダイヤグラムなどのグラフの読み取りに関する問題、平面図形などには特に力を入れて学習して欲しい。
問題に取り組む姿勢としては、前半の計算問題や小問集合は得点しやすい問題が並んでいるので、ここで確実に得点することである。
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