学習院中等科 入試対策
2018年度「学習院中等科の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問3つに地理分野・歴史分野・政治経済分野が割り当てられる形である。総解答数は65問前後、3分野でほぼ均等の出題数となっている。リード文は計1500~2000字ほど。地図や統計などの資料はここ数年、用いられていない。
設問は適語記入が多いが、年度により選択肢問題が多い時もある。リード文の穴埋めや年表の穴埋めにプラスして、下線部について訊いていく一問一答形式の問題が並ぶ。他校ではあまり見ないかなり細かい地名や人名も出されており、難しい。2行くらいの短文の記述問題が3~4問出されるが、詳しい知識を必要とするやや難しい問題も見られる。
地理分野
東北新幹線のルートに沿って地名を訊く問題(2018年度)や、発電の種類を題材としたリード文の穴埋めに答えていく問題(2017年度)などが出された。資料や統計を読み取るような問題はここ数年出されていない。
テーマについてかなり詳しく訊かれる問題も多い。2018年度では、東北地方について、山・半島や岬・湖など細かく頭に入っていないと正確に答えられない問題が多かった。尻屋崎や富津岬(2018年度・大問1)など、覚えていない人も多かっただろう。
皆が答えられる問題を取りこぼさないことが重要である。どのテーマについても標準レベルにもう一歩プラスした詳しい知識を身に付けられるよう、広く丁寧な学習が必要であろう。
歴史分野
昭和時代前半の出来事(2018年度)や幕末から明治維新にかけて(2017年度)といったテーマで、年代をある程度区切って問題が出されている。リード文や年表の穴埋めに答えた後で、下線部について一問一答で答えていく形が多い。
この分野も、標準レベルの知識から一歩踏み込んだ質問が見られる。高橋是清や浜口雄幸(2018年度・大問2)といった人名は思い浮かばなかった人もいたはずである。また、同じ2018年度では、「協調外交」について一般的な意味ではなく、1929年に取られた政策の中身を訊く問題も出された。
地理分野と同様、標準レベルから一段階詳しい知識がないと答えられない問題がある。それ以外の、多くの人が答えられる問題を落としていては勝負にならない。基本レベルの知識を確実にしたうえで、関連する詳しい情報も付け加えて、さらなる得点を狙えれば理想的である。
政治経済分野
前年に起こった出来事を話題にしていくつかの項目が取り上げられ、そのことについて、あるいは関連する下線部について訊かれる問題が出されている。政治の仕組みや国際関係の問題が多い。
憲法や政治についての基本を押さえたら、直近・特に前年の出来事をよく調べておこう。外国の首相や国際連合についての質問もある。日本だけでなく、世界の主な国の政治的・国際的な出来事にも注目しておこう。
まとめと注意点
時間は40分と多めだが、問題数も65問前後と多くなっている。年度により多少異なるが、適語記入の問題が多く、正確に覚えていないと得点にならない。また、穴埋め問題の数が多いので、リード文をすべて読むことになり時間も取られる。
難しい問題は皆もできないとある程度覚悟を決めて、それ以外を完璧に解答する気構えで、基本事項の徹底したマスターを目指したい。
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2018年度「学習院中等科の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数が65問前後とかなり多い。リード文の穴埋め問題は問題数が多いので結局リード文をすべて読むようになる。例年は適語記入など、ことばで書く問題が多いのでさらに時間がかかるが、今年度は地理で選択肢問題が多かったので多少余裕がある。
知識で答えられる問題はどんどん解き進めて、記述問題に余裕をもって取り組みたい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
- ★必答問題
東北新幹線の沿線の地理について詳しく訊かれている。
問一
③新白河駅は、栃木県との県境近くにあり福島県に入って最初の駅である。
⑤白石蔵王駅は宮城県に入って最初の駅で、山形県にもまたがる蔵王山が北西方向にある。
⑦八戸・五戸など「~戸」という地名は青森県のイメージだが、一戸・二戸までは岩手県にある。
問二
①岩木山は青森県の最高峰で津軽富士の愛称がある。
②蔵王山は白川蔵王駅の名前の由来にもなった山で山形県・宮城県にまたがっている。
③古川駅は石巻線との乗り換え駅で、西に辿ると山形県・月山がある。
④水沢江刺駅は奥州・平泉の近くにあり、ずっと西に辿ると山形・秋田県境にまたがる鳥海山がある。
問三
①・④秋田県・男鹿半島、宮城県・牡鹿半島。
②・③七戸十和田駅の北には青森県の二大半島のうち、右側に当たる下北半島がある。左側が津軽半島である。
問四
②津軽半島の突端に竜飛崎がある。
③・④下北半島の左の突端はマグロで有名な大間崎。右の突端は尻屋崎。
問五
③下北半島の根元あたりに小川原湖がある。汽水湖でワカサギ・シラウオなど水産資源が豊富である。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
昭和時代前半の政治や経済の歴史について訊かれている。
問一
(1)1926年12月25日に大正天皇が崩御した。昭和元年は1週間しかなかった。
(3)1923年9月に起こった関東大震災。昼時だったので火災が発生し、犠牲者が増えた。
(4)枢密院はもともとは大日本帝国憲法の草案作成を審議する機関であった。
(5)~(7)日清戦争の講和条約・下関条約で譲り受けた台湾。
(8)・(9)原敬内閣を引き継いだ高橋是清。
(12)浜口雄幸は大蔵省出身の政治家。大蔵大臣・内務大臣などを務め、1929年総理大臣に就任したが、後に右翼の青年に刺され、翌年亡くなった。
問二
閣僚の大半が立憲政友会員で構成されていた。
問三
衆議院と貴族院の二院制だったが、貴族院議員は非公選で皇族や高額納税者などから選ばれた。
問五
一般的に協調外交は、互いの利害を計算して他国の政策などに同調する外交のことを言う。
問六
財政支出を低く抑えること。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
前年に起こった出来事を取り上げ、国際関係や政治の仕組みなどについて訊かれている。
問一
(1)・(2)はがきは10円上がって62円に、封書は定型については変更なしで82円のままである。
(3)・(4)イギリスがアヘン戦争に勝利したことで香港はイギリスの植民地とされたが、1997年に中国に返還された。
(5)福岡県・沖ノ島は島全体が宗像大社の御神体とされ、今も女人禁制が守られている。
問二・問三
ロシアのプーチン大統領の強硬な政治姿勢を警戒して、スウェーデンは徴兵制を復活させた。
問四・問五
前年の世界での政権交代が試験に出されている。重大ニュースには注意しておこう。
問九
テレワークは、インターネットなどを通じて在宅で仕事をする形。オリンピック期間は交通などの混雑が予想されるので、道路の渋滞・鉄道の乗客ラッシュの防止になることが期待されている。
攻略のポイント
問題数の多さ、ことばで書く問題の多さなどから、スピードが要求される試験である。リード文の穴埋めも多いので、結局すべて目を通すことになる。難しい問題もところどころに見られ、記述問題にも細かい知識を問われるものがある。基本レベルをマスターしたうえで、もう一段階詳しい知識を上積みできるように学習したい。
試験に臨んでは、難しい問題はとりあえず保留して、その他の基本事項をミスなく答えて、合格者平均点以上を狙いたい。記述問題は2行ほどでまとめるものなので、さほど時間はかからないだろう。
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