暁星中学校 入試対策
2024年度「暁星中学校の国語」
攻略のための学習方法
出題傾向
例年、物語文の読解一題と漢字の書き取りという形式が続いている。
素材文の長さは、5000~6000字程度が多い。長文はこれ一題だけなので、文量としては多くはない。内容は主に受験生の年齢に近い世代の設定で、登場人物が困難や苦悩を経て成長していく話が多い。
設問は選択式5~6問と記述問題が5~6問ほど出題される。字数指定のあるものと無いものとがあり、50~80字程度が多い。
一般的な記述問題に加えて、試験の最後に小作文とも言える記述問題があるのが通例であり、300字程度は書ける力が必要になる。練習が必要な部分である。
長文読解
素材文が文学的文章のみなので、本校の対策としては小説・物語に特化した読解練習ということになる。
まずは読解の基本的な技術を身に付ける。文学的文章なので、人物の心情の読み取りが中心となる。登場人物の整理、時間・場所・人物の出入りなどで場面分け、人物の言動や情景から心情の読み取り、全体のテーマの把握。類似問題でコツを掴んでおこう。
問題演習も大切だが、特に小説・物語については普段からの読書経験が資するところが大きい。さまざまなストーリー・多くの登場人物の生き方・考え方に触れて、本を通した人生経験を多く積んでおくことは、そのまま国語力を養う近道にもなる。漢字・語彙も自然と増えてゆく。読書を普段の習慣とすることを強くお薦めしたい。
記述問題
漢字以外はほぼ全て記述問題という、記述に特化した試験である。書く事が苦手な生徒はそれだけで志望校から外してしまう人もいるかも知れない。
しかし、物語や小説の読解力が適切にあればそれほど身構える必要はない。聞かれるのは選択式問題と変わらない、人物の気持ちや行動の理由が主である。本文中に表されている場合も多いので、その場合はそこをまとめに使うことができる。書かれていない場合は、記述以前に国語力の問題となる。
型としては、「できごと+気持ち」でまとめられることが多いだろう。気持ちの変化を訊く問題なら「初めは○○だったが、××をきっかけに△△という気持ちになった」という型が使える。
いずれにしろ、綺麗にまとめて満点を目指す必要は無い。訊かれたことを規定字数まで書いて部分点を稼げば良いのである。
ただし、本校の特色である試験最後に出される小作文のような記述については、やはり練習が必要である。自分自身の経験やそれについての意見を訊かれるので、ここは読解力とは関係がない。
対策としては、やはり作文の練習ということになる。普段のちょっとした出来事などを、300~400字で書いてみるのである。出来事の説明・周囲の反応・自分の考えなどを一定の字数でまとめてみよう。起承転結や序破急といった、文章のリズムをつけられればなお良い。たくさん書くと、読み手にとって読みやすい文章というものがわかってくるだろう。理想はともかく、この問題については下手でもいいからとにかく字数を埋めることである。空欄にして無得点になることだけは絶対に避けたい。
漢字・言語事項
知識の問題も量は少ないが必ず出題されている。あまり差がつかない部分なので、失点すると非常に不利である。記述問題にばかり気を取られて油断しないようにしていただきたい。
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2024年度「暁星中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年通り、小説の読解一題という構成になっている。記述以外の問題は、できる限り短時間で済ませて記述に時間をまわしたい。
記述は、全部で5問。2問については字数指定がない。最後の記述は難しく考えすぎず、求められている内容を自分なりに丁寧に書けば良い。解答欄が埋まるくらいの文量は書き込みたい。
【大問】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:50分
- ★必答問題
父親や母親と同じ大学に行き同じスポーツをするのも悪くないと思っていた主人公だったが、中学受験を前にしてやりたいことが出てきて、進路について自分なりに考えるようになる。
問1 ㋐ 意外 ㋑ 姉貴 ㋒ 時刻 ㋓ 親切 ㋔ 夫婦 ㋕ 簡単
㋖ 局面 ㋗ 努力 ㋘ 困(っ) ㋙ 就(き)
問2 塾のA組に入ろうと自分でも頑張って勉強しているそばから、もっと頑張れと言われて反発を覚えている。
問3 M中学にラグビー部があることを知り母親の薦めとは違う意味で興味がわいた「ぼく」は、中学受験をすることで将来の選択肢が広がるというアッシーの言葉を思い出し、M中学に入ればラグビーができるという選択肢が出てくるということに気づいた。
問4 イ. ラグビー部に入りたいことを母親に隠そうとしている様子はない。
問5 両親と同じような進路をなぞることに疑問を抱き始めた主人公は、何かにつけて自分たちと同じテニス部に入らせようとする母親の言動に、食傷している。
問6 両親と同じ大学でテニスをやってもいいと考えていたが、運動神経が鈍いからテニスをやるのは違うのではないかということ。(五十七字)
問7 アッシーはまず、幅の広い人間になるためだと言っている。多くのことに興味を持ち、いろいろなことを知っている人の方が心は豊かになり、間違った選択をしにくくなる。また、将来の選択肢が広がるとも言っているので、以上の二点を字数以内でまとめればよい。
問8 A. 茶々を入れる――横から余計な言動をはさむこと。
B. 拍子抜け――予想に反して手ごたえがないこと。
問9 期待していたのに真相を知ってがっかりした、ということであろう。「期待外れ・興覚め」など。
問10 エ. 会話の中で自身が認めている。
問11 ア・ウ・エ・オのような様子は、文中では描かれていない。
問12 興味・関心を強く持っているものを前にして、目が離せなくなったという経験を訊かれている。まずは自分がどんな事物に興味・関心があるのか、どんなものが好きなのかを説明する。そして「目が釘付けになった」ときの状況や対象を詳しく書く。それを目にした経緯やその時の感情などを丁寧に説明する。そしてそれほどの経験であるから、それまでの経験とはどのように異なっていたか、新たに気づいたことや経験したことで自分に起こった変化など、その経験の強さなども書ければ読んだ人に自分の体験したことがよく伝わるだろう。
攻略のポイント
文学的文章に特化した問題なので、普段の物語・小説の読書量がモノを言う試験である。年齢の設定は受験生と近い話が多く、無理に難しい小説を読む必要はない。どんな気持ちなのか・なぜこんな行動を取るのかなど、試験で訊かれるようなことを考えながら、物語や小説を読んで想像力を養っておこう。
記述問題は規定の字数(8~9割)が書けていなければ得点にならない。綺麗な答えで満点を目指さなくてよいので、ともかく字数に達して部分点を取る泥臭さを持ちたい。
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