暁星中学校 入試対策
2018年度「暁星中学校の国語」
攻略のための学習方法
出題傾向
例年、物語文の読解一題と漢字の書き取りという形式が続いている。
素材文の長さは、5000~6000字程度が多い。長文はこれ一題だけなので、文量としては多くはない。内容は主に受験生の年齢に近い世代の設定で、登場人物が困難や苦悩を経て成長していく話が多い。
設問は選択式1~2問と記述問題が5~6問ほど出題される。字数指定のあるものと無いものとがあり、50~80字程度が多い。
一般的な記述問題に加えて、試験の最後に小作文とも言える記述問題があるのが通例であり、300字程度は書ける力が必要になる。練習が必要な部分である。
長文読解
素材文が文学的文章のみなので、本校の対策としては小説・物語に特化した読解練習ということになる。
まずは読解の基本的な技術を身に付ける。文学的文章なので、人物の心情の読み取りが中心となる。登場人物の整理、時間・場所・人物の出入りなどで場面分け、人物の言動や情景から心情の読み取り、全体のテーマの把握。類似問題でコツを掴んでおこう。
問題演習も大切だが、特に小説・物語については普段からの読書経験が資するところが大きい。さまざまなストーリー・多くの登場人物の生き方・考え方に触れて、本を通した人生経験を多く積んでおくことは、そのまま国語力を養う近道にもなる。漢字・語彙も自然と増えてゆく。読書を普段の習慣とすることを強くお薦めしたい。
記述問題
漢字以外はほぼ全て記述問題という、記述に特化した試験である。書く事が苦手な生徒はそれだけで志望校から外してしまう人もいるかも知れない。
しかし、物語や小説の読解力が適切にあればそれほど身構える必要はない。聞かれるのは選択式問題と変わらない、人物の気持ちや行動の理由が主である。本文中に表されている場合も多いので、その場合はそこをまとめに使うことができる。書かれていない場合は、記述以前に国語力の問題となる。
型としては、「できごと+気持ち」でまとめられることが多いだろう。気持ちの変化を訊く問題なら「初めは○○だったが、××をきっかけに△△という気持ちになった」という型が使える。
いずれにしろ、綺麗にまとめて満点を目指す必要は無い。訊かれたことを規定字数まで書いて部分点を稼げば良いのである。
ただし、本校の特色である試験最後に出される小作文のような記述については、やはり練習が必要である。自分自身の経験やそれについての意見を訊かれるので、ここは読解力とは関係がない。
対策としては、やはり作文の練習ということになる。普段のちょっとした出来事などを、300~400字で書いてみるのである。出来事の説明・周囲の反応・自分の考えなどを一定の字数でまとめてみよう。起承転結や序破急といった、文章のリズムをつけられればなお良い。たくさん書くと、読み手にとって読みやすい文章というものがわかってくるだろう。理想はともかく、この問題については下手でもいいからとにかく字数を埋めることである。空欄にして無得点になることだけは絶対に避けたい。
漢字・言語事項
知識の問題も量は少ないが必ず出題されている。あまり差がつかない部分なので、失点すると非常に不利である。記述問題にばかり気を取られて油断しないようにしていただきたい。
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2018年度「暁星中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年通り、小説の読解一題という構成になっている。記述以外の問題は、できる限り短時間で済ませて記述に時間をまわしたい。
記述は、全部で5問。そのうちの3問は字数指定がない。最後の記述は難しく考えすぎず、求められている内容を自分なりに丁寧に書けば良い。解答欄が埋まるくらいの文量は書き込みたい。
【大問一】小説の読解 問1~問9
- 難度:やや難
- 時間配分:35~40分
- ★必答問題
ランニングを密かに練習していた主人公は駅伝に参加したいと思っていたが、不本意ながらヒロシたちのチームに補欠として入ることになり、本心をはっきり口に出せない自分に悔しさを覚える。
問一 カ.間の距離が近いので「間近」。
ケ.頭の皮で「頭皮」。
問二 A.ほかの4人とは実力差があるので、一緒に走るなんて「とんでもない」。
B.「上目づかい」は相手の機嫌や様子をうかがう仕草。
問三 陸の表情や言動から、主人公の誘いが真面目に受け取られていないことがわかる。自分が毎朝練習していて本気でマラソン大会に出場したいと思っているなどと言い出せず、あいまいに笑って話を終えるしかなかったのである。
問四 毎朝のランニングの成果で「2㎞くらいなら走れるだろう」と思っているので、イの「練習不足」やエの「自信を失う」は合わない。「明日、ほかでメンバーをあたってみよう」と考えているのでウも誤り。また父親については主人公を「むりやり出場させ」るような人であることが書かれているので、出場を「邪魔する」というオも正しくない。消去法でアを選ぶ。
問五 少し前の陸の「だれか見つかった?」の発言とその表情から、主人公がメンバーを探していることを少しバカにしてからかっている様子がわかる。傍線の発言を「余計なこと」と感じていることからも、陸が自分をバカにしてからかっていると主人公は受け止めている。
問六 康介のチームは本気で優勝を狙っているチームである。そこに自分が補欠とはいえ参加するのは気が引ける。そんな気持ちの時に康介がヒロシの名前を口にしたので、中でもヒロシは実力者で本気の度合いが高いということが思い起こされたのである。
問七 補欠として誘われたことに、主人公は「バカにしやがって」と憤慨し、悔し涙まで流している。アの「補欠をほかの人に取られそうであせった」やイの「お世辞のようなこと」、オの「うれしかった」は合わない。自分からチーム入りを志願した結果が「補欠」だったら「はずかしい」だろうが、そうではないのでウも少し違う。ここも消去法でエを選ぶ。早く話を終わらせたい主人公の様子とも合う。
問八 傍線前後の出来事や主人公の独白から考える。直前でヒロシから「補欠だからどうせ走らないし、それでメダルがもらえるならラッキーだ」などと、完全にバカにされた発言があった。その怒りもあって、傍線後ではやはり補欠は断ってもう一度自分でメンバーを探そうと考えている。「両こぶしに力をこめた」という動きに悔しさや決意が見て取れる。
問九 本当は補欠なんかで出たくない。断る機会もあったのに言い出せなかった。友達である陸にも本心を話せない。そんな自分の情けなさを傍線の直前で述べているので、そこを使ってまとめる。
【大問一】小作文 問10
- 難度:難
- 時間配分:10~15分
問十 指定のような条件は、たとえば「親に言われてむりやりさせられている」とか「友達がみんなするので自分もしかたなく」といったシチュエーションが考えられる。
350字前後書けそうなので、3~4つくらいのパートにわけて、①本心は○○だった ②しかし言い出せなかった ③それでも話してみた ④その結果どうなった、といった構成にすれば書きやすいだろう。
言い出せなかった経緯や話すことに決めた理由なども書いて、字数をかせぎつつ読み手によく伝わるようにまとめよう。
攻略のポイント
文学的文章に特化した問題なので、普段の物語・小説の読書量がモノを言う試験である。年齢の設定は受験生と近い話が多く、無理に難しい小説を読む必要はない。どんな気持ちなのか・なぜこんな行動を取るのかなど、試験で訊かれるようなことを考えながら、物語や小説を読んで想像力を養っておこう。
記述問題は規定の字数(8~9割)が書けていなければ得点にならない。綺麗な答えで満点を目指さなくてよいので、ともかく字数に達して部分点を取る泥臭さを持ちたい。
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