暁星中学校 入試対策
2022年度「暁星中学校の算数」
攻略のための学習方法
暁星中学の算数の入試問題の特徴は、計算問題⇒一行問題⇒大問(標準問題・応用問題、)という標準的な模試タイプの問題構成ではなく、すべてが大問の形式になっていることがあげられる。計算問題や一行問題は一切ないので、過去問等を通じてこの問題構成に慣れて頂きたい。
出題頻度の高い単元
①速さ
特にダイヤグラム(進行グラフ)についての出題頻度が高く、ここ数年では連続して出題されている。同じダイヤグラムについての問題でも、年度によって難易度に差がある点は注意が必要であり、レベルの高い問題も想定して学習しておきたい。さらに、今年のようにダイヤグラム以外にもう一題出題される可能性もあるので、旅人算・流水算など速さ全般における問題演習にはしっかり時間をかけておきたい。
②平面図形
相似など比を使って解くタイプの問題よりも、円や多角形の複合図形の面積を、工夫をして求めるタイプの問題が多い。ただし、今回に関しては、近年では珍しく平面図形の出題がなく、代わりに、立体図形からの出題であった。来年以降を考えると、平面図形と立体図形両方の可能性があると思って学習しておくべきであろう。
③数の性質
今年度は約数の個数に関する出題であった。2020年入試でもほぼ同様の出題が見られている。
④割合と比の文章題
今年は割合の文章題で、今回の出題の中では最も得点しやすい易問であった。過去の出題を見ると、ニュートン算が2018年から2020年まで3年連続で出題されている。それ以外では、仕事算、食塩水の濃さなどが出題されている。
学習のポイント
本校の近年の入試問題を見ると、ニュートン算・ダイヤグラム・約数の個数など頻繁に出題される単元が見られる。このような傾向を見ると、過去問を使っての学習は非常に有効的であり必須である。上記単元を中心に基本の定着はもちろんのこと、多少レベルの高い問題にも対応できるように問題練習を積み重ねて欲しい。問題演習においては、1行問題だけではなく、本校の特徴である大問形式の問題を、1つの大問につき10分程度の時間設定を行いながら進めて欲しい。
本校の入試では計算問題としての出題は見られないが、計算練習は怠りなく行って欲しい。今回の入試でも、速さの問題の中に計算力が要求される問題が見られた。自信を持って解き進めるのに必要な計算力を身につけて欲しい。
過去問以外の問題演習においては、本校入試と同タイプの練習が有効的である。問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。
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2022年度「暁星中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
50分で大問が5、小問が12。すべての問題に計算欄がある,いわゆる「記述」形式である。時間に対して分量は適切なものであり,式や計算式を書いても時間不足になることはないだろう。
本年度の特徴としては、平面図形に代わってここ数年出題されなかった立体図形から出題されたことと、例年出題されているダイヤグラムを使った速さの問題に加え、もう1題速さから出題されたことがあげられる。
【大問1】立体図形
- 難度:易
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)直方体の側面のペンキが塗られた部分の面積を求める問題。
直方体の上から20cmまでの側面の半分にペンキが塗られていることに着目すればよい。
20×4×20÷2 より800㎠
(2)円柱の側面のペンキが塗られた部分の面積を求める問題。
(1)と同様に、円柱の上から20cmまでの側面の半分にペンキが塗られていることに着目。
20×3.14×20÷2 より628㎠
立体図形の出題。「上から20cmの部分の半分に塗られている」ことさえ気が付けば容易に処理できる であろう。今回の出題の各大問の難度を見ると、ここはしっかり得点しておきたい。
【大問2】旅人算と比
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
(1)太郎と父が5度目に出会うまでの時間と、追いつくまでの時間が同じであったので、1日目の父の速さ+太郎の速さ:2日目の父の速さ-太郎の速さ=5:1。 1日目の父の速さ10、2日の父の速さ11、太郎の速さを①とすると、10+①:11-①=5:1 となる。これより、①=7.5となるので、1日目の太郎と父の速さの比は、7.5:10=3:4 となる。
(2)1日目に太郎が走った距離が3000mなので、(1)より1日目に父が走った距離は4000m。二人が走った距離の和が7000mで、これが池5周にあたるので、池の周りは7000÷5 より、1400m。
旅人算と比に関する出題。(1)「5回目に出会う」「速さが1割増し」等の条件が少し複雑なために難度がやや高くなっている。
【大問3】 旅人算とダイヤグラム
- 難度:難
- 時間配分:15分
(1)「弟が速さを変えてから兄に追い抜かれるまでの時間と追い抜かれてから兄がQ地点に着くまでの時間は同じ」がポイント。50分後2人は1.1km離れているので、兄がQ地点に着いた時も2人は1.1km離れている。この1.1kmを弟は30分で進んだので、弟の時速は2.2km。
(2)最初の50分の兄の速さは時速3km。50分後にあった1.1kmの差がなくなるまでの時間は1.1÷(3-2.2)より、11/8時間となり、PQ間の道のりを求めることができる。
(3)「兄と弟の速さの比が15:11」、「兄がQ地点を出発した時の2人の差:弟がP地点に到着した時の2人の差=11:5」の2つを利用。(2)で求めたPQ間の距離10.75kmを弟は215/44時間で進む。PQ間の道のりを55とすると、弟が22進んだ時に兄が出発したことになるので、215/44×22/55より、43/22時間後になる。
本校頻出のダイヤグラムの出題。昨年度のダイヤグラムの問題に比べると大幅に難度が高くなっている。数値もきれいではない分数が出てくるので、解き進めていく上でかなり不安が生じる可能性がある。自信を持って処理できるかも大きなポイントとなる。
【大問4】割合の文章題
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1)集団10%が病気にかかり、病気にかかった人の80%が陽性であったので、0.1×0.8 より、8%。
(2)病気にかかっていないが陽性と判定された人の割合は、0.9×0.1 より9%。従って、陽性と判定された人の割合は、8+9 より、17%。
割合の文章題。(1)(2)ともに易問であり、確実に正答したい。
【大問5】数の性質
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)①80=2×2×2×2×5 (4+1)×(1+1) より、 10個。
②81=3×3×3×3 4+1 より、5個。
(2)約数の個数が3個になるのは、同じ素数の積(素数A×素数A)の場合である。素数A=2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43の場合の14個となる。
(3)約数の個数が9個になるのは、①同じ素数を8回かけた場合と、②2種類の素数によってできる素数A×素数A×素数B×素数Bの2パターン。①のパターンの最大は2を8回かけてできる256 ②のパターンの最大は3×3×13×13の1521。
約数の個数をテーマにした約数の個数に関する出題。「約数の個数の求め方」を知っているかどうかで明暗が分かれる内容。
攻略のポイント
テスト時間は50分で100点満点、例年通りであった。
本年度の合格者平均点は「63点」(昨年度89点)と前年から大幅に難化している。ここ数年の合格者平均点を見ると55⇒33⇒69⇒89⇒63 と乱高下している。合格偏差値はあまり変化がないのに、これだけ問題の難度が大幅にアップ・ダウンするという学校は珍しい。
本年度は速さに関する出題が2題見られ、この2題の難度が高いという特徴的な出題であった。反面、速さ以外の大問は易問も多かった。大問5の約数の個数についての出題は過去にもほぼ同様の出題が見られた。得点すべき問題で確実に得点できたかがポイントとなる出題であった。
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