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暁星中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「暁星中学校の社会」
攻略のための学習方法

傾向

試験時間40分、大問は3~4だが、総解答数は50~60にも及ぶ。
本文・資料も含めると、目を通す分量がかなり多い試験である。
解答形式は、記号選択と用語記入がほとんどである。

平成26年度では無くなっていた記述問題がその後は復活している。また、試験全体の難易度も27年度以降は突然に高くなった。

今後の動向について、学校説明会などに参加し、情報があれば確認しておきたい。

地理分野

日本地理全般の問題がまんべんなく出題されていて、偏りは無い。
地図や資料が多く示され、地形図の読み取りも出されている。
ここ数年は特に統計・グラフから数値を読み取って答える問題が多くなっている印象である。

また、毎年一つの事項について集中して詳しく訊く問題(例:平成23年度大問3の五街道がテーマの設問や平成24年度大問3の政令指定都市の設問など)が、地理分野で多いのが特徴的である。副教材などで「世界遺産」や「国際紛争の起こった地域」などをまとめたページでテーマごとに覚えておくと良い。

問題自体はテキストや参考書で勉強できる内容なので、幅広くこなしておく。
地図を使った問題は頻出なので、常に近くに置いて場所などのチェックを怠らないこと。
また、世界地理の問題も出されているので、主だった国や地域は知っておこう。

平成27年度と同等、今年度も難しくなっている。鉱山に関して所在地を特定する問題や、それにもとづいてさらに突っ込んだ内容も問われている。

歴史分野

古代から近代、現代の時事的要素を含む問題まで、幅広い範囲から出題される。
歴史上の出来事があった場所や関係の深い都道府県など、「歴史地理」といった問題も見られる。

単発の知識よりも歴史の流れを問われる設問が目立つ。
事項を時代順に並べ替えたり、本文自体で文章を時代順に並べて穴埋めさせたりという問題が出されている。

先に述べたように27年度から著しく難易度が上がったが、とくに歴史分野でその傾向が顕著である。橘諸江や恵美押勝など他校ではあまり問われない人物名や、近江大津宮の場所など、答えられなかった人も多かったであろう。

27年度・28年度と高難易度の問題が続いたので、次年度も同様の試験レベルを想定しておくべきであろう。

政治分野

日本国憲法・政治の仕組み・国際関係などからの出題。
特に憲法と三権の仕組みはよく訊かれるので、しっかり覚えておくこと。
政治分野も細かく突っ込んだ内容は問われないので、テキストを中心に丁寧に学習しておけばよい。

この分野で時事的問題が合わせて聞かれることが多いので、地理・歴史と比べると、政治自体の問題数は少な目である傾向が見られる。
この分野では地理・歴史分野のような難易度の大幅な上昇は見られなかった。

知識

26年度まではテキストに書かれているレベルの基本をしっかり押さえた学習で対処できたが、27年度から難易度が急上昇した。例年45点前後だった合格者平均点が27年度以降では30点前後と大幅にダウンしている。
来年度の動向に注意しつつ、テキストレベルにおいて可能な限り高度な学習を目指し、極端な難問以外は確実に得点できる実力を身につけたい。

 ◆テキスト・問題集で基礎をしっかり固めた上で、地図・白地図・資料集等で場所や関連事項を詳しく調べておく。

 ◆年表で時代の流れに沿って知識をまとめておく。地図で場所も確認する。

 ◆「必要と思われる解答は全て漢字で」という指定がつくので、特に人名・地名や法律の文言などは漢字で書けるようにしておく。

特別な勉強法は要らないので、正確・確実な知識を身につけるよう着実に学習を進めたい。
さらに注意点として、本文と設問でかなりの文章量になる年が多いため読むスピードは必要であるということを付け加えておく。

記述問題について

本校の過去の記述問題の出題例を見ると、他の問題と比べて少し難度が上がっている。
単に二つのデータの違いを指摘するだけ、といった問題ではなく、その違いから導き出される理由や結論を答えるような『考える』問題になっているのである。

問題文に示されたデータと自分の知識を利用して正解に気づけるよう、普段から「なぜそうなるのか」と考える癖をつけておきたい。

26年度は出題されなかったがその後は復活しているので、来年度についても準備はしておくべきであろう。

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2016年度「暁星中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

本校の試験問題は、全体の文章量が多く、資料もたくさんあり、読み取りに時間がかかる。
解答数の多さもあって、時間的にはきついかも知れない。
今年度も、大問4つに解答数62と、一つ35秒ほどの計算にはなるが、読むのにあまり時間がかかるようではうまくない。
文章を読むスピードをつけるよう練習すること。

【大問1】歴史分野(古墳時代~鎌倉時代)

  • 難度:
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

古墳時代~鎌倉時代にかけて、人物や出来事など時代順も含めて問われている。

問2 天智天皇が遷都した場所という、一段階難しい問題となっている。通常はせいぜい藤原京・長岡京くらいまで覚えておけば足りるのだが。

問3・問4 中学入試レベルではあまり見ない問題。教科書レベルで足りなくてさらに詳しい資料で調べないと出てこない名前だろう。

問5~問8 基本レベルの問題が並んでいる。問1やこの問題当たりを確実に得点できないと、合格点には届かないだろう。

問9 時代順の問題。選択肢(ウ)や(オ)はテキストレベルの勉強だけでは覚えきれない出来事かもしれない。(イ)にしても幕府設立の前か後か、正確な知識が必要であり、教科書レベルといえども、高い実力が求められている。

【大問2】歴史分野(大正時代)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:4分

大正時代の政治に関係した歴史が出されている。記号選択式で基本事項の問題が多いので、点を稼ぎたいところである。

問3 なぜ民本主義と言うのか疑問に思っていた人もいるだろう。天皇主権の体制にあって、「民主主義」という言葉は使いにくかった……この点を考えると正解がひとつに絞れる。

問4 満20歳以上のすべての男子という条件がわかっていれば、国民の何割くらいかおおよその計算はできるだろう。

【大問3】地理分野(地下資源の産出)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:18分
  • ★必答問題

炭鉱・鉱山といった地下資源の産出にポイントを絞った、難しい問題となっている。正直、有名な炭鉱以外はノーチェックという人も多かったのではなかろうか。

文章中の場所を推定できそうな箇所(企業城下町らしいとか、その地域の特産物であるとか)を手掛かりに、問4などのわかりやすいところから埋めていき消去法でひとつでも多く解答していくしかない。問5もまとめて登録された世界遺産のひとつを取り上げているので難しい。ここはわからなければあまり時間をかけずに他に回した方がよいだろう。

問8 この記述問題も難しい。選択肢(ウ)が夕張市であるとわかったうえで、かつてあった炭鉱や市の財政破綻に言及しつつ平均寿命の短い男性から先に人口が減っていくことをまとめないといけない。ここも、あまり時間がかかるようなら他のわかる問題に進んだ方がよい。

【大問4】現代社会(政治・経済分野)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分

政治・経済分野の問題がまとめられている。
記号選択で基本事項が多いので、点を稼ぎたい問題。

問5 社会保障関係費と国債関係費で1位・2位を占めることはよく知られているところであろう。

攻略のポイント

27年度からの難易度の急変に戸惑った人も多かったであろう。教科書だけ勉強していても答えられない問題も見られ、合格者平均点も5割に届いていない。

来年の動向は不明だが、いずれにしてもテキストの基本的事項を徹底的にマスターし、難問を除いた他の問題を確実に得点していけば合格最低点には達すると考え、あまり身構えずに堅実な実力アップを図って欲しい。復活した記述問題にも抜かりなく対策をしておく必要がある。

また、地理分野で狭い範囲に限定して細かく問う問題が見られ、その範囲の勉強をおろそかにしていると大量失点につながるので、各分野で大きな穴を作らないようにすることも大切である。

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