広尾学園中学校 入試対策
2024年度「広尾学園中学校の理科」
攻略のための学習方法
広尾学園中第2回入試の理科の満点は50点、記号選択問題・適語を答える問題・計算問題が中心で、簡単な記述問題も含まれている。リード文や図・グラフ等を読み取った上で答える問題が多く、思考力が必要なややレベルの高い問題も見られる。攻略のための学習法としては、早い段階で基本知識を確実に固めること。夏休み終了までの時期を目途に知識をしっかり固めて欲しい。秋以降は、本校入試問題と同タイプの問題演習にも時間をかけたい。
各分野の学習法は次の通り。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年度は渡り鳥に関しての出題で、思考力が必要なややレベルの高い問題も含まれていた。近年では、イネの成長に関して・人のからだの働きに関しての出題が見られる。この分野の学習法としては、植物・動物・人のからだの働き・食物連鎖に関してテキストに書かれてある知識事項は確実に定着させること。その上で、光合成・蒸散作用・だ液の働き等についての実験・観察問題、および長めの問題文や表・グラフを読み取って考えるタイプの問題演習に時間をかけて欲しい。
地学分野 本年度は星の見え方についての出題で、正確な知識と星の動きに対する理解度が試される内容であった。なお、昨年は月と金星の満ち欠けに関する出題で、2年続けて天体に関しての出題となった。近年ではその他に火山に関する出題が見られる。この分野の学習方法としてまずは、最も出題される可能性の高い天体について知識を確実に固めて欲しい。太陽の動き・星の日周運動と年周運動・月の動きと満ち欠け・惑星について、以上のテーマについて「なぜそのように動いて見えるのか?」の理屈を理解した上で覚えること。天体以外では、地層と岩石、地震、火山、気象(風の吹き方・台風について・湿度の計算等)に関しても知識をしっかり固めて欲しい。
物理分野 本年は振り子や斜面を転がる物体の運動に関する出題であった。近年では、鏡や凸レンズによる像、電気についての出題が見られる。この分野の学習では、今後も出題される可能性の高い力のつり合い(てこ・滑車・ばね・振り子・浮力)を中心に基本的な解法を理解し、多少レベルの高い問題も含めて演習を十分に行って欲しい。電気については、電気回路・電流と磁界(方位磁針の振れ・電磁石)・電熱線の発熱、光については、鏡による臓・凸レンズによる像を中心に演習を十分に行うこと。
化学分野 今年度はスチールウールの燃焼に関する出題で、やや難度の高い設問も含まれていた。なお近年でも燃焼についての出題が見られ、それ以外では、メタンと化学変化について出題されている。この分野の学習方法としてまずは、水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など化学に関する基本知識を早い段階で固めること。秋以降は計算問題を中心に問題演習の時間を十分に確保して欲しい。この分野においても、多少難しい問題にも手を伸ばして学習して欲しい。
過去問演習は時間も意識して取り組んで欲しい。その上で、できなかった問題についてはしっかりその原因分析を行い、同じ間違いをしないように対策して欲しい。分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用しよう。
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2024年度「広尾学園中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4、小問数は23で50点満点、試験時間は30分であった。記号選択問題と計算問題が中心で、簡単な記述問題や図を描く問題も見られた。
長めのリード文や図・グラフなどを読み取って解く問題が中心であり、計算問題も複数題あるので、30分という時間はかなり短く感じられるであろう。早い時期に知識を固め、秋以降は時間を意識した上での問題演習をしっかり行いたい。
【大問1】物理 物体の運動
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 表より、糸の長さが同じであれば周期も同じであることがわかる。
問2 実験結果考察の選択問題。振り子の性質として、振り子の長さが4倍になると周期は2倍になるという関係があることを覚えておこう。
問3 50㎝の振り子の周期が1.4秒なので、長さが4倍で200㎝の振り子の周期は、1.4秒の2倍の2.8秒。
問4 長さ256㎝の振り子の周期は、64㎝の振り子の周期が1.6秒なので、1.6×2より3.2秒。周期2.8秒と周期3.2秒の振り子がぶつかるのは、2.8×8=3.2×7=22.4より22.4秒後で、振り子1の8往復目。
問5 同じ高さから転がせば、最下点での速さも最高点の高さも同じになる。
問6 記述問題。身長が低い方がブランコの上端から考えたときの振り子の長さが長くなり、周期も長くなる。
振り子および斜面を転がる球の運動についての出題。実験結果を読み取って答える問題が中心だが、振り子や物体の運動についての基本的な知識があれば解答可能な問題ばかりである。
【大問2】化学 スチールウールの燃焼
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 スチールウールと結びついた酸素の分だけ水面が上昇する。
問2 記述問題。ビーカーの中と外の高さが違うと、ビーカーの中の空気の膨張・圧縮が起こる。
問3 実験1では10㎝-6㎝より4㎝分の酸素がスチールウールと結びついていることがわかる。スチールウールの重さが半分になると、結びつく酸素も半分になるので、10-2より8㎝となる。
問4 塩酸とスチールウールの反応で発生した気体は水素。最も密度の小さな気体で、無色無臭である。
問5 実験結果の表を埋めて完成させる問題。
A:塩酸の体積が9mLのとき4.5㎝分の水素が発生している。13.5㎝は4.5㎝の3倍なので、9×3より27mL
B:塩酸の体積が18mLのとき、9mLのときの2倍の水素が発生し、10+4.5×2より、気体部分の高さは⒚㎝になる。
スチールウールの燃焼に関する出題。使われた酸素や発生した水素の体積を水面の高さの変化で考えるという内容で、テキストや問題集で見かける一般的な出題に比べるとやや難度が高い問題もふくまれている。
【大問3】生物 渡り鳥
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
問1 渡り鳥を選択する問題。ガンが冬鳥で該当する。
問2 問題の会話文中の「春と夏は北へ移動して子育て」がヒント。
問3 記述問題。季節限定の特定のエサしか食べられないか、季節ごとのエサを何でも食べることができるかの違いを記述すればよい。
問4 (1)実験結果より、光の進行方向から30度反時計回りにずれた方向を向いていることがわかる。
(2)選択肢から3つの選択問題。ポイントは3つで、①春以外の季節ではどうか、②他のホシムクドリではどうか、③太陽光が当たらないとどうか。
問5 太陽の出ていない夜には、「星」が方角を知る手掛かりになる。
問6 ハクチョウが飛来する際のフォーメーションについての記述問題。前方を飛ぶハクチョウの起こす気流のために、後方のハクチョウが少ないエネルギーで飛ぶことができる。
渡り鳥に関する出題。問4の選択問題は選択にやや迷う。問3と問6は思考力と記述力が求められるややレベルの高い問題。
【大問4】地学 星の見え方
- 難度:標準
- 時間配分:7分
問1 星座早見盤の中心は「北極星」
問2 Aが西の空。見たい方向を手前に持って空を見上げて星の観測を行う。
問3 星座の高度を表す目盛りである。
問4 2か月後の同じ時間には60度西に動いて見える。さらに2時間後には30度西に動いて見える。合わせる90度西の方向に動いているので、南西方向に観測できる。
問5 (1)天の川銀河の見え方についての選択問題。
(2)地球の公転軌道と天の川の関係を表した図の選択問題。天の川は地球の公転軌道を傾けていったものになる。
星の見え方に関する出題。問4までは星座早見盤の使い方と星の動きに関する知識問題。星の動き(日周運動と年周運動)と星座早見盤の使い方についての正確な理解が試される内容。問5の天の川に関する設問はレベル難。
攻略のポイント
今年度の広尾学園中中第2回入試は昨年同様に4分野からの出題であった。リード文・図・表などを読み取った上で解答する問題が中心である。基本的な知識も当然必要になるが、問題を読み取る力が大きな比重を持つ出題が多くなっている。問題の読み取り時間を考えると、試験時間の30分はかなり短く感じられるであろう。
本校受験者は、まずは夏までを目標に各単元の基本知識や基本的な解法を身につけること。
秋以降は、問題集等を利用して、問題文を読み取った上で答える問題や、実験・観察の結果を基に考察するタイプの問題演習に時間を割いてほしい。問題の選択には家庭教師や塾の講師を積極的に利用すること。
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