星野学園中学校 入試対策
2024年度「星野学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問6つに説明的文章・文学的文章と漢字・文法・言葉の知識などが割り当てられている。素材文の文量は計5000~6000字ほど、総解答数は40問前後。
設問は記号選択が多く、年度により書き抜きや記述問題が数問出題される。記述は40~50字ほどで、文中の適切な部分をまとめることで答えられる問題が多い。自分の考えを述べる論述タイプではない。
説明的文章の読解
社会科学分野の論説的随筆文が多く用いられている。自然科学分野の論説文のような難しい専門用語もなく、読みやすい。また、丁寧な脚注がつけられているので言葉が難しくてわからないといったことはなさそうである。説明的文章の読解の基本を身につけよう。
まずは段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落の内容をおおまかに理解する。段落のつながりも考えておこう。接続詞は大きな目印になる。次に段落ごとの要点と細部の区別。要点やキーワードは傍線などですぐ探せるようにしておこう。そして全体を見渡して要旨と要約を考える。要点を結べば要約ができ、その最重要点が筆者の言いたいことである。選択肢の問題で「本文に合うもの・合わないもの」を選ぶ際に、ここが整理できていれば迷わず正解を選べる。
文学的文章の読解
小説が出される場合が多い。学生時代の部活動や子供時代の回想場面など、小学6年生にも理解しやすい設定の話が多いので、難しくは感じないだろう。こちらも選択肢問題が主で、ここ数年は記述問題が1問含まれている。文中から適切な部分を見つけて整えれば解答できる問題が多い。小説の読解の技術を磨いておこう。
まず、登場人物の名前・人数・それぞれの関係や性格などをチェックしよう。祖父母や孫など、関係が複雑になるとわかりづらくなるので、しっかり見分けておく。場面の変わり目に注意する。時間・場所・人物の入出などから、場面の転換を考える。「全体を大きく○○つに分けなさい」などと、場面の変わり目そのものが問題になる場合もある。そして最重要点である人物の心情を把握する。設問に当たるより前に、傍線など問題になっている部分の理由や気持ちを考えながら読み進めよう。心情がわかる部分にはしるしをつけてしまえば後でわかりやすい。最後に全体を見渡して、作者が描こうとしたこと・テーマを考える。主人公の悩み・葛藤やそれを乗り越えての成長などが描かれることが多いだろう。
説明的文章と異なり、小説は詩のような文学的な技法が使われる場合も多く、読み慣れていない人にはわかりにくい。ぜひ、日常的に物語・小説を多く読んで、文学的文章に慣れておくことをお勧めする。
漢字・文法・ことばの知識
読解以外の分野も気を抜けない。この分野で2割の配点があり、失うと痛手となる。
漢字の読み書き・画数・敬語などのことばのきまり・慣用句や四字熟語などの言葉の知識と、一通りの出題がある。読解問題にも混じって出題される。難問集などの必要はないので、標準的な漢字や言語事項、文法の教材をしっかりこなしておこう。
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2024年度「星野学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は2題で計8000字ほど。2024年度では記述問題が出されなかった。漢字や言語事項など時間がかからない問題もあるので、時間は足りるだろう。言語事項・文法がしっかり出されているので、基本的なレベルでよいので丁寧に学習しておこう。
【大問一】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:24分
- ★必答問題
生物多様性がなぜ大事なのかを、例を挙げながら詳しく説明している。
問一 a. 結果―原因 b. 単純―複雑 c. 現実―理想・空想など
問二 Ⅰ. 水の流れが土を削り、起伏が生まれる。「すると」湿った場所や乾いた場所が生じる。
Ⅱ. 例えば干ばつが生じた場合には~。「さらに」、病気が流行した場合には~。
Ⅲ. シカの場合は環境収容力に合うように個体数が自然に調整される。「しかし」これを人間に当てはめるのは間違いである。
問三 ヤンバルクイナは他の場所にはいないので、絶滅すると2度と損失は回復しない。トキやコウノトリは同種の鳥が他の場所にもいるので、連れてくれば生物多様性のロスは回復する。
問四 「生物多様性はなぜ大事なのか」という読者から出ると予想される疑問を提示し、この後の説明へと導いている。
問五 草原の環境は同じように見えて微妙に異なっており、生物多様性が高いとそれぞれに合った草が生えてくるので生産性が高くなる→選択肢ア。
問六 A. 共有地の悲劇の寓話で、共有地のサイズは「有限」だった。
B. 人口密度が低い時には、アメリカ大陸は「無限」に広いと感じられただろう。CとD. 地球のサイズが「有限」なのはわかりきっているはずなのに、さも「無限」であるかのように人はふるまってしまう。
問七 「共有地の寓話が僕らに伝えている」のは「オーバーシュートの怖さ」である→選択肢ウ。
問八 動物や植物の例を挙げながら、人間はどうしたらよいのかを考えてほしいという問題提起をしているので、選択肢ウが合う。
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:18分
怪我をした田中さんを手伝う主人公と二人の仲間。主人公は田中さんの戦争体験を垣間見て、田中さんの心中を慮る。
問一 Ⅰ. ボーイスカウトで火起こしを習ったので「お手の物(慣れていて得意)」である
Ⅱ. 深さのある浴槽で気を付けないと危ない。足の悪い田中さんは「なおさら」だ。
Ⅲ. いい経験だなと「ふいに」やさしい笑顔で兄貴が言った。
問二 A. 恐縮する――ありがたく・申し訳なく思う
B. 怪訝な――不思議で合点がいかないこと
問三 手伝いの最後に風呂を洗って、「風呂作戦」は無事に終了したと、少し大げさな表現をしている。
問四 宇太佳はもともと器用でひいおばあちゃんの世話もしており、田中さんの入浴の手伝いもスムーズで上手なのである。
問五 空襲で負った傷の痕に気づいた主人公は、田中さんのデリケートな部分を見てしまったような気がして、全く別のことを言って気づかなかったふりをしたのである。
問六 生々しい足の傷痕を見たり慰霊碑に手を合わせたりしたことで、田中さんの傷の痛みや空襲で亡くした母親と妹への思いなど、普段はおだやかなだけにその秘めた心中を想像して、主人公もつらい気持ちになっているのである。
問七 「兄貴は頭が良くて器用で」「小さい頃やさしく面倒を見てくれた」など、優秀でしっかりした兄を尊敬し、自分とは違うと主人公は思っている。兄の方は、「拓人は俺みたいな偏屈とは違って、環境に左右されない強さがあるから大丈夫だ」と自分にはない強みを持っている弟を高く評価している。
問八 田中さんとの交流を通じて主人公が感じたことを物語の中心に置き、仲間や兄とのやり取りを描きながらその心中が表現されている。
【大問三・四】漢字・部首
- 難度:標準
- 時間配分:大問三・四 合わせて3分
- ★必答問題
【大問三】漢字の書き取り
1. 退く 2. 責める 3. 鉄筋 4. 警告 5. 雑穀
【大問四】部首
1. たけかんむり 2. おおがい・いちのかい 3. まだれ
4. りっしんべん 5. りっとう
【大問五・六】慣用句・敬語
- 難度:やや難
- 時間配分:大問五・六 合わせて5分
- ★必答問題
【大問五】慣用句
1. 知らぬが仏
2. 群を抜く
3. 玉にきず
4. 呼び水になる
5. 味をしめる
【大問六】熟語
1. 「ごらんになりました」は尊敬語。自分の動作なので「拝見しました」という謙譲語を使う。
2. 〇
3. 「ちょうだいする」は謙譲語。相手の動作なので「お持ちください」「お受け取りください」などの尊敬語を使う。
4. 自分の身内に「いらっしゃる」という尊敬語は用いない。「おります」(謙譲語)か普通に「います」でよい。
5. 〇
攻略のポイント
素材文の文量は他の難関校と比べると少ない方である。2019度はすべて選択肢問題だったがそれ以降また記述問題が出されており、年度により異なるので準備はしておこう。
長文読解以外の部分も手を抜かずに。漢字・文法・ことばの知識がしっかり出題される。一部は読解問題の中でも出されている。
長文読解・知識問題ともに難問集などで練習する必要はないので、基本レベルの実力を着実につけておこう。差がつきにくい試験なので不用意なミスの無いように。
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