星野学園中学校 入試対策
2019年度「星野学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問6つに説明的文章・文学的文章と漢字・文法・言葉の知識などが割り当てられている。素材文の文量は計5500字ほど、総解答数は40問前後。
設問は記号選択が多く、年度により書き抜きや記述問題が数問出題される。記述は40~50字ほどで、文中の適切な部分をまとめることで答えられる問題が多い。自分の考えを述べる論述タイプではない。
説明的文章の読解
社会科学分野の論説的随筆文が多く用いられている。自然科学分野の論説文のような難しい専門用語もなく、読みやすい。また、丁寧な脚注がつけられているので言葉が難しくてわからないといったことはなさそうである。説明的文章の読解の基本を身につけよう。
まずは段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落の内容をおおまかに理解する。段落のつながりも考えておこう。接続詞は大きな目印になる。次に段落ごとの要点と細部の区別。要点やキーワードは傍線などですぐ探せるようにしておこう。そして全体を見渡して要旨と要約を考える。要点を結べば要約ができ、その最重要点が筆者の言いたいことである。選択肢の問題で「本文に合うもの・合わないもの」を選ぶ際に、ここが整理できていれば迷わず正解を選べる。
文学的文章の読解
小説が出される場合が多い。学生時代の部活動や子供時代の回想場面など、小学6年生にも理解しやすい設定の話が多いので、難しくは感じないだろう。こちらも選択肢問題が主で、ここ数年は記述問題が1問含まれている。文中から適切な部分を見つけて整えれば解答できる問題が多い。小説の読解の技術を磨いておこう。
まず、登場人物の名前・人数・それぞれの関係や性格などをチェックしよう。祖父母や孫など、関係が複雑になるとわかりづらくなるので、しっかり見分けておく。場面の変わり目に注意する。時間・場所・人物の入出などから、場面の転換を考える。「全体を大きく○○つに分けなさい」などと、場面の変わり目そのものが問題になる場合もある。そして最重要点である人物の心情を把握する。設問に当たるより前に、傍線など問題になっている部分の理由や気持ちを考えながら読み進めよう。心情がわかる部分にはしるしをつけてしまえば後でわかりやすい。最後に全体を見渡して、作者が描こうとしたこと・テーマを考える。主人公の悩み・葛藤やそれを乗り越えての成長などが描かれることが多いだろう。
説明的文章と異なり、小説は詩のような文学的な技法が使われる場合も多く、読み慣れていない人にはわかりにくい。ぜひ、日常的に物語・小説を多く読んで、文学的文章に慣れておくことをお勧めする。
漢字・文法・ことばの知識
読解以外の分野も気を抜けない。この分野で2割の配点があり、失うと痛手となる。
漢字の読み書き・画数・敬語などのことばのきまり・慣用句や四字熟語などの言葉の知識と、一通りの出題がある。読解問題にも混じって出題される。難問集などの必要はないので、標準的な漢字や言語事項、文法の教材をしっかりこなしておこう。
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2019年度「星野学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は各2題で計6300字ほど。2019年度はすべて選択肢問題で、記述や適語記入の問題は無かった。
漢字や言語事項など時間がかからない問題もあるので、時間は足りるだろう。
言語事項・文法がしっかり出されているので、基本的なレベルでよいので丁寧に学習しておこう。
【大問1】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:21分
- ★必答問題
自然界は生物個体同士の果てしない競争と戦いの場であるとしながらも、人里は自然と人間の共生した状態に近いのではないかと筆者は考えている。
問一 一応「もっともだ」と評価しているが、続く段落で「けれど」これらは「古くさい幻想」のようにも思えると言っている。
問二 「関心の的」「注目の的」などと何かが集中するイメージで使う。「まと」は弓矢で狙う目標。
問四 a. 利己的――自分のことしか考えない。
b. 妥協――譲り合って、一致する点を見つける。
問五 直前の段落に説明されている。「種を維持するために」「生態系という一つのシステムの中」で「ともに生きていけるような調和のしくみがある」と考えられていた、とある。
問六 「調和」に見える状況も、実は果てしない競争の妥協点でしかなく、すべては個体の生き残りをかけたシェア争いであると述べられている。
問八 「人里」の状況を考える。ウかエで迷うかもしれないが、人は自分の住む範囲では自然に「勝とう」としており、「勝とうとも負けようともせず」はおかしいのでウは選ばない。
【大問2】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:22分
- ★必答問題
異母兄弟である貴子と融は歩行祭で歩くうちに、わだかまりを解いて打ち解けてゆく。
問一 A. 「長かったという安堵」とあるので、「やっと終わった」感がある「やれやれ」が合う。
C. 二人の気持ちが通じていて、融も貴子と話したいという同じ気持ちを持っていたので「むろん」すぐにわかったのである。
D. 貴子の話に「それで?」「それで?」「何を?」と急かすように訊いている様子なので「畳み掛ける」。
問二 「並んで一緒に歩く、ただそれだけ」を「難しくて、凄い」と感じている。この時、安奈の言葉を思い出しており、「並んで一緒に歩く」ことを安奈は「みんなで、夜歩く」と言ったのだと思われるので、【う】に入れるのが良い。
問三 空欄前までの二人の会話はどんなであったか? 歩行祭に関するありふれた「他愛もない」会話である。
問四 二人が緊張や拒絶を感じないで話せているのは、歩行祭による疲労のせいで精神的な「力み」が抜けたからだと思われる。ふつうの下校時だったら、余計なことまで考える余裕があり、自然に話すことができなくなってしまうのである。
問五 「みなさん」は特定の誰かを指しているわけではないだろう。融と自然に会話できていることの貴重さとうれしさを黙っていられない気持ちである。
問七 貴子と話し笑い合うことができている今が、これからは二人の良い関係が続いていくであろうということを予感させた。
【大問3】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:2分
1. 新調――新しく調える。
2. 快方――病気などがだんだん治る。
4. 祝辞――お祝いの言葉。
5. 講じる――手段を取る。
【大問4】漢字の読み取り
- 難度:標準
- 時間配分:1分
2. 「りゅうほ」――一時的に決定を差し控える。「保留」は決定をしかねている状態で、「留保」は決定を意図的にしていないこと。
5. 「はぶく」――「省略」「省力」など「しょう」と読む場合は「はぶく」の意味で使う。
【大問5】四字熟語
- 難度:標準
- 時間配分:2分
2. 手練手管(てれんてくだ)。
5. 相思相愛(そうしそうあい)。
【大問6】慣用句
- 難度:やや難
- 時間配分:2分
1. 魚心(うおごころ)あれば水心(みずごころ)。
3. 白羽(しらは)の矢が立つ。
4. 無用の長物(ちょうぶつ)。
5. 天塩(てしお)にかける。
攻略のポイント
素材文の文量は他の難関校と比べると少ない方である。
最新年度はすべて選択肢問題だったが、今後また記述や書き抜きが出される可能性はあるので準備はしておこう。
長文読解以外の部分も手を抜かずに。漢字・文法・ことばの知識がしっかり出題される。一部は読解問題の中でも出されている。
長文読解・知識問題ともに難問集などで練習する必要はないので、基本レベルの実力を着実につけておこう。差がつきにくい試験なので不用意なミスの無いように。
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