星野学園中学校 入試対策
2021年度「星野学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問6つに説明的文章・文学的文章と漢字・文法・言葉の知識などが割り当てられている。素材文の文量は計5000~6000字ほど、総解答数は40問前後。
設問は記号選択が多く、年度により書き抜きや記述問題が数問出題される。記述は40~50字ほどで、文中の適切な部分をまとめることで答えられる問題が多い。自分の考えを述べる論述タイプではない。
説明的文章の読解
社会科学分野の論説的随筆文が多く用いられている。自然科学分野の論説文のような難しい専門用語もなく、読みやすい。また、丁寧な脚注がつけられているので言葉が難しくてわからないといったことはなさそうである。説明的文章の読解の基本を身につけよう。
まずは段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落の内容をおおまかに理解する。段落のつながりも考えておこう。接続詞は大きな目印になる。次に段落ごとの要点と細部の区別。要点やキーワードは傍線などですぐ探せるようにしておこう。そして全体を見渡して要旨と要約を考える。要点を結べば要約ができ、その最重要点が筆者の言いたいことである。選択肢の問題で「本文に合うもの・合わないもの」を選ぶ際に、ここが整理できていれば迷わず正解を選べる。
文学的文章の読解
小説が出される場合が多い。学生時代の部活動や子供時代の回想場面など、小学6年生にも理解しやすい設定の話が多いので、難しくは感じないだろう。こちらも選択肢問題が主で、ここ数年は記述問題が1問含まれている。文中から適切な部分を見つけて整えれば解答できる問題が多い。小説の読解の技術を磨いておこう。
まず、登場人物の名前・人数・それぞれの関係や性格などをチェックしよう。祖父母や孫など、関係が複雑になるとわかりづらくなるので、しっかり見分けておく。場面の変わり目に注意する。時間・場所・人物の入出などから、場面の転換を考える。「全体を大きく○○つに分けなさい」などと、場面の変わり目そのものが問題になる場合もある。そして最重要点である人物の心情を把握する。設問に当たるより前に、傍線など問題になっている部分の理由や気持ちを考えながら読み進めよう。心情がわかる部分にはしるしをつけてしまえば後でわかりやすい。最後に全体を見渡して、作者が描こうとしたこと・テーマを考える。主人公の悩み・葛藤やそれを乗り越えての成長などが描かれることが多いだろう。
説明的文章と異なり、小説は詩のような文学的な技法が使われる場合も多く、読み慣れていない人にはわかりにくい。ぜひ、日常的に物語・小説を多く読んで、文学的文章に慣れておくことをお勧めする。
漢字・文法・ことばの知識
読解以外の分野も気を抜けない。この分野で2割の配点があり、失うと痛手となる。
漢字の読み書き・画数・敬語などのことばのきまり・慣用句や四字熟語などの言葉の知識と、一通りの出題がある。読解問題にも混じって出題される。難問集などの必要はないので、標準的な漢字や言語事項、文法の教材をしっかりこなしておこう。
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2021年度「星野学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は各2題で計5600字ほど。2021年度は1問の記述問題が出された。漢字や言語事項など時間がかからない問題もあるので、時間は足りるだろう。
言語事項・文法がしっかり出されているので、基本的なレベルでよいので丁寧に学習しておこう。
【大問1】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:21分
多くの問題が複雑に絡み合い、連鎖的な反応がいくつも続くとその最初と最後の因果関係がわかりづらくなる環境問題について、農業を例にとって説明している。
問一 風が吹くと桶屋が儲かる。
問二 Ⅰ. ことわざを詳しく解説し「つまり」とまとめている。
Ⅱ. 「たとえば」とコメを例に挙げている。→選択肢エ
問三 A. ひときわ――他と比べてとくに目立っているさま。
B. もとより――はじめから・言うまでもなく。
問四 「風が吹けば……」のことわざで表されるような、「連鎖的な反応がいくつもつづくと最初と最後の因果関係がほとんどわからなくなる」ということ。
問五 農業の負の面(環境を破壊している)として、同じ段落内で「周りの生態系を人間が関係する生態系につくり変えたこと」が挙げられている。
問六 「本能」については言及がないので選択肢ウは選ばない。「生物としての機能の一部をもつくり変えてきています」とあるので、イがよい。
問八 選択肢アの「百三十年間」が「八十年間」の間違いだと考えて誤りだと考えた人もいるかもしれない。しかし、資料①で減っているのは「収穫量」(作付面積が減っているせい)で、設問で問題になっているのは「とれ高」(一ヘクタールあたり、と筆者は規定している)である。なにより本文中でも「約百三十年間で、約三倍」と筆者自身が述べているので、選択肢アは正しい。「高度経済成長期(1955~1973年頃)以降」の「以降」は「その後」という意味だが基準となる時点も含まれるため、選択肢ウが正しくない。
問九 最後の段落の結論に注目。「現実に起きている問題は場所によってみなちがう」「このことを認識することがこんにちの環境問題の本質を理解するうえできわめて大事なこと」と述べている。
【大問2】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:22分
- ★必答問題
陶器の窯出しで最後に取り出した作品が主人公のものだと、敬愛するリーチ先生に気づいてもらえて主人公は感激する。
問一 「息をのむ」「息を止める」――どちらも、恐れや驚きなどで一瞬息を止めるという意味である。
問三 Ⅱ. 二つに割れている状態なので「ぱっくりと」。
Ⅲ. 「もの静かで、気品あふれる」様子なので「ひっそりと」。→選択肢エ
問四 窯の中の「ほとんどまともに仕上がったものがない」状態に気づいて、ショックで言葉が出てこない。
問五 この「こんな」は直後の内容を指している。火事で工房自体も焼失したなかで、たった一つ素晴らしい作品が残っていた。最後まで結果はわからないということである。
問六 誰かに聞かせようとして発した言葉ではない。ジャグの美しさに思わず漏れ出てしまった声なのである。
問七 「それ」とは直前のリーチ先生のことである。作品を見て自分のものだと気づいてくれたことが嬉しかったのである
問九 ウ. 途中で過去を回想するシーンがはさまれているので、×。
【大問3】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:大問3・大問4 合わせて3分
- ★必答問題
1. 童心――純真でけがれのない心・子どもの心。
2. 降参――戦いに負けて服従すること。
3. 専念――ひとつのことに心を集中すること。
4. 検討――よく調べて考えること。
5. 反る――まっすぐなものが弓なりに曲がる・体が後ろのほうへ曲がる。
【大問4】漢字の読み取り
- 難度:標準
- 時間配分:大問3・大問4 合わせて3分
- ★必答問題
1. とうてん 2. いさい 3. うちわけ 4. りっぷく 5. ほが(らかな)
【大問5】ことわざ
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
1. 一寸の虫にも五分の魂(たましい)
2. 暖簾(のれん)に腕押し
3. 転ばぬ先の杖(つえ)
4. 情(なさ)けは人の為ならず
5. 待てば海路の日和(ひより)あり
【大問6】同意語
- 難度:標準
- 時間配分:2分
1. 収入――所得
2. 規準――尺度
3. 真心――誠意
4. 未来――将来
5. 質素――簡素
攻略のポイント
素材文の文量は他の難関校と比べると少ない方である。2019度はすべて選択肢問題だったがそれ以降また記述問題が出されており、年度により異なるので準備はしておこう。
長文読解以外の部分も手を抜かずに。漢字・文法・ことばの知識がしっかり出題される。一部は読解問題の中でも出されている。
長文読解・知識問題ともに難問集などで練習する必要はないので、基本レベルの実力を着実につけておこう。差がつきにくい試験なので不用意なミスの無いように。
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