星野学園中学校 入試対策
2022年度「星野学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問6つに説明的文章・文学的文章と漢字・文法・言葉の知識などが割り当てられている。素材文の文量は計5000~6000字ほど、総解答数は40問前後。
設問は記号選択が多く、年度により書き抜きや記述問題が数問出題される。記述は40~50字ほどで、文中の適切な部分をまとめることで答えられる問題が多い。自分の考えを述べる論述タイプではない。
説明的文章の読解
社会科学分野の論説的随筆文が多く用いられている。自然科学分野の論説文のような難しい専門用語もなく、読みやすい。また、丁寧な脚注がつけられているので言葉が難しくてわからないといったことはなさそうである。説明的文章の読解の基本を身につけよう。
まずは段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落の内容をおおまかに理解する。段落のつながりも考えておこう。接続詞は大きな目印になる。次に段落ごとの要点と細部の区別。要点やキーワードは傍線などですぐ探せるようにしておこう。そして全体を見渡して要旨と要約を考える。要点を結べば要約ができ、その最重要点が筆者の言いたいことである。選択肢の問題で「本文に合うもの・合わないもの」を選ぶ際に、ここが整理できていれば迷わず正解を選べる。
文学的文章の読解
小説が出される場合が多い。学生時代の部活動や子供時代の回想場面など、小学6年生にも理解しやすい設定の話が多いので、難しくは感じないだろう。こちらも選択肢問題が主で、ここ数年は記述問題が1問含まれている。文中から適切な部分を見つけて整えれば解答できる問題が多い。小説の読解の技術を磨いておこう。
まず、登場人物の名前・人数・それぞれの関係や性格などをチェックしよう。祖父母や孫など、関係が複雑になるとわかりづらくなるので、しっかり見分けておく。場面の変わり目に注意する。時間・場所・人物の入出などから、場面の転換を考える。「全体を大きく○○つに分けなさい」などと、場面の変わり目そのものが問題になる場合もある。そして最重要点である人物の心情を把握する。設問に当たるより前に、傍線など問題になっている部分の理由や気持ちを考えながら読み進めよう。心情がわかる部分にはしるしをつけてしまえば後でわかりやすい。最後に全体を見渡して、作者が描こうとしたこと・テーマを考える。主人公の悩み・葛藤やそれを乗り越えての成長などが描かれることが多いだろう。
説明的文章と異なり、小説は詩のような文学的な技法が使われる場合も多く、読み慣れていない人にはわかりにくい。ぜひ、日常的に物語・小説を多く読んで、文学的文章に慣れておくことをお勧めする。
漢字・文法・ことばの知識
読解以外の分野も気を抜けない。この分野で2割の配点があり、失うと痛手となる。
漢字の読み書き・画数・敬語などのことばのきまり・慣用句や四字熟語などの言葉の知識と、一通りの出題がある。読解問題にも混じって出題される。難問集などの必要はないので、標準的な漢字や言語事項、文法の教材をしっかりこなしておこう。
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2022年度「星野学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は各2題で計5200字ほど。2022年度は論理的文章の問題で1問の記述問題が出された。漢字や言語事項など時間がかからない問題もあるので、時間は足りるだろう。
言語事項・文法がしっかり出されているので、基本的なレベルでよいので丁寧に学習しておこう。
【大問一】論説的随筆文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:23分
平安時代の物語に、現代にも通じる科学的な見方のできる女性が登場したことに驚き紹介している。
問一 A. 短編――変態・辺境・編集・返事
B. 細部――細分化・財布・最後・際限
C. 観察――圧巻・寒波・実感・拝観
問二 外聞が悪い――「外聞」は内のことが他人に知られること。世間体がよくない・体裁が悪い。
問三 Ⅰ. 役に立つ・立たないという話なので「有用」。
Ⅱ. 虫の観察の邪魔だといって外見など気にしない「合理」性。
Ⅲ. 自ら虫を蒐集する「積極」性。
問四 虫を蒐集し名前にもとづいて分類し自らも名前を付けるなど、生物学など存在しない平安の時代にあって現代にも通じる研究のやり方をしている点を「なかなかのもの」と評価している。
問五 虫好きのお姫様のしていたことは現代生物学の研究と本質的に同じであり、平安時代に科学的な考え方を持っていたことに驚き感心している。
問六 古代の世に現代と同じような科学的な考え方のできる人がいたことを紹介したいというのが筆者がこの文章を書いた意図であろう→選択肢ウ。
問七 「愛づる」の意味を第四段落でわかりやすく説明しているのでそこを使う。「見た目が美しいから可愛がる」のではなく、「対象をよく見つめると本質が見えてきて愛らしくなる」のである。
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:20分
- ★必答問題
主人公は年下の信夫に屋根から突き落とされるが自分で落ちたと信夫をかばった。貞行はその行動をほめたが、主人公が士族出身であることを鼻にかけ町人である信夫を見下していたことを知り、主人公の代わりに信夫父子に頭を下げる。
問一 A. 度量――人の言動を受け入れる広い心。
B. 厳然――おごそかで重々しく、近寄りがたいさま。
問三 その理由について主人公自ら「町人の子なんかに屋根から突き落とされたりするものですか」と、町人を見下す気持ちが根底にあったことを暴露している。
問四 実際自分が突き落としたので父親から殴られるのは納得しているのだろうが、主人公から口止めされているので認めるわけにもいかず、どういう態度でいたらいいのか混乱している。
問五 「僕がひとりで落ちたんだ」という主人公の言葉に、息子の信夫をかばってくれているのだと思い、立派な行動だと感じている。
問六 自分で落ちたと何度言っても六さんが信じてくれないので、イラついている。
問七 主人公の言葉に「町人ごとき」という見下した意識を感じとり、真に友達のことを思ってかばっていたのではなく、士族出身の自分の体面を気にしての行動だったのだと気づいたのである。
問八 アは宮沢賢治、イは夏目漱石、エは芥川龍之介の作である。 ウ. 途中で過去を回想するシーンがはさまれているので、×。
【大問三】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:大問四と合わせて3分
- ★必答問題
1. 看護 2. 礼拝 3. 洗練 4. 除去 5. 点呼
【大問四】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:大問三と合わせて3分
- ★必答問題
1. 縮(む) 2. 沿(う) 3. 奮(う) 4. 映(す) 5. 延(びる)
【大問五】四字熟語
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
1. 独立独歩
2. 一進一退
3. 半信半疑
4. 自由自在
5. 共存共栄
【大問六】ことわざ
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
1. 言わぬが花――はっきり言わない方が味わいがある。
2. 雀百まで踊り忘れず――幼いころに身につけた習性は年を重ねても変わらない。
3. 恩を仇で返す――受けた恩に報いるどころか、かえって危害を加える。
4. 弘法筆を選ばず――実力のある人は道具などにこだわらない。
5. 門前の小僧習わぬ経を読む――ふだん見聞きしていると自然にそのことを学び知ってしまう。
攻略のポイント
素材文の文量は他の難関校と比べると少ない方である。2019度はすべて選択肢問題だったがそれ以降また記述問題が出されており、年度により異なるので準備はしておこう。
長文読解以外の部分も手を抜かずに。漢字・文法・ことばの知識がしっかり出題される。一部は読解問題の中でも出されている。
長文読解・知識問題ともに難問集などで練習する必要はないので、基本レベルの実力を着実につけておこう。差がつきにくい試験なので不用意なミスの無いように。
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