星野学園中学校 入試対策
2023年度「星野学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
大問6つに説明的文章・文学的文章と漢字・文法・言葉の知識などが割り当てられている。素材文の文量は計5000~6000字ほど、総解答数は40問前後。
設問は記号選択が多く、年度により書き抜きや記述問題が数問出題される。記述は40~50字ほどで、文中の適切な部分をまとめることで答えられる問題が多い。自分の考えを述べる論述タイプではない。
説明的文章の読解
社会科学分野の論説的随筆文が多く用いられている。自然科学分野の論説文のような難しい専門用語もなく、読みやすい。また、丁寧な脚注がつけられているので言葉が難しくてわからないといったことはなさそうである。説明的文章の読解の基本を身につけよう。
まずは段落の整理。形式段落を意味段落にまとめ、意味段落の内容をおおまかに理解する。段落のつながりも考えておこう。接続詞は大きな目印になる。次に段落ごとの要点と細部の区別。要点やキーワードは傍線などですぐ探せるようにしておこう。そして全体を見渡して要旨と要約を考える。要点を結べば要約ができ、その最重要点が筆者の言いたいことである。選択肢の問題で「本文に合うもの・合わないもの」を選ぶ際に、ここが整理できていれば迷わず正解を選べる。
文学的文章の読解
小説が出される場合が多い。学生時代の部活動や子供時代の回想場面など、小学6年生にも理解しやすい設定の話が多いので、難しくは感じないだろう。こちらも選択肢問題が主で、ここ数年は記述問題が1問含まれている。文中から適切な部分を見つけて整えれば解答できる問題が多い。小説の読解の技術を磨いておこう。
まず、登場人物の名前・人数・それぞれの関係や性格などをチェックしよう。祖父母や孫など、関係が複雑になるとわかりづらくなるので、しっかり見分けておく。場面の変わり目に注意する。時間・場所・人物の入出などから、場面の転換を考える。「全体を大きく○○つに分けなさい」などと、場面の変わり目そのものが問題になる場合もある。そして最重要点である人物の心情を把握する。設問に当たるより前に、傍線など問題になっている部分の理由や気持ちを考えながら読み進めよう。心情がわかる部分にはしるしをつけてしまえば後でわかりやすい。最後に全体を見渡して、作者が描こうとしたこと・テーマを考える。主人公の悩み・葛藤やそれを乗り越えての成長などが描かれることが多いだろう。
説明的文章と異なり、小説は詩のような文学的な技法が使われる場合も多く、読み慣れていない人にはわかりにくい。ぜひ、日常的に物語・小説を多く読んで、文学的文章に慣れておくことをお勧めする。
漢字・文法・ことばの知識
読解以外の分野も気を抜けない。この分野で2割の配点があり、失うと痛手となる。
漢字の読み書き・画数・敬語などのことばのきまり・慣用句や四字熟語などの言葉の知識と、一通りの出題がある。読解問題にも混じって出題される。難問集などの必要はないので、標準的な漢字や言語事項、文法の教材をしっかりこなしておこう。
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2023年度「星野学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
文量は2題で計5700字ほど。2023年度は論理的文章の問題で1問の記述問題が出された。漢字や言語事項など時間がかからない問題もあるので、時間は足りるだろう。
言語事項・文法がしっかり出されているので、基本的なレベルでよいので丁寧に学習しておこう。
【大問1】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:20分
- ★必答問題
感謝の気持ちの表し方について詳しく論じている。
問一 a. 尊大――尊敬・損害・漁村・子孫
b. 一層――創意・仮想・総勢・高層
問二 A. 人に親切にされたら誰でも感謝の気持ちを表す。「しかし」、この常識をわきまえていない人をときどき目にする。
B. 「たとえば」、見知らぬ人がドアを開けてくれたり…したときに…。
C. おいしかったと言ってもらうと御馳走した側としても満足感がある。「したがって」特に料理名なども挙げてもらえばさらに感謝の内容が具体的になってうれしい。
問三 口先で形式的・「自動的」に感謝しただけでは、儀礼的な意味しか伝わらない。
問四 文章の最後部にまとめとして述べられている。感謝の気持ちを表明するときは、「できるだけ具体的に指摘し、自分の感想を感謝の後に付け加える。自分の感動を率直に述べる」と、心からの感謝だと受けてとってもらえるのである。
問五 「おざなり」は「いい加減な対応をする」という意味。その場しのぎの気持ちのこもっていない表現ということであろう。
問六 ウ. 蓼食う虫も好き好き――好みは人それぞれである。
問七 表面的に判で押したようなお礼の言葉を誰にでも言うような態度であるから、「八方美人」が合う。
問八 エ. 「感謝の言葉は簡潔でなくてはならない」ということを慣用句で表現したのである。
【大問2】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
- ★必答問題
母親が入院したことをきっかけに知り合った宮川と、主人公はパートナーを組んで本格的に仕事へと復帰する。
問一 宮川が主人公の仕事を手伝ったのは、出会ったときに主人公に失礼なことを言ってしまった「罪滅ぼし」という意味もあった。
問二 愛想をつかす――好きな気持ちや愛情がなくなる。
問三 母親が主人公のことを褒め、見舞いに行けない自分のことをなじられているように感じて主人公にむかついていた、と自ら告白している。
問四 「コウキさんが撮ったおふくろの写真、すごくいい顔でさ」という宮川の言葉に、主人公は「宮川さんの話をするとき、お母様はいい顔をする」と返している。
問五 母親を施設に預けっぱなしである・東京の家も妻の実家の敷地に建てて養子みたいなもの・母親が主人公をほめるのでむかついて当たってしまった……など、自分の情けない部分をあげつらっている場面なので、この「笑い」は「自嘲(自分で自分をあざ笑う)」であると考えられる。
問六 母親をほったらかしにしてしまったという自責の念があるので、主人公の「お母さんは幸せそうでしたよ」という言葉を素直に受け取れないのであろう。
問七 会社を辞め、妻にも嫌われてバイト暮らしのような生活という恵まれない境遇にあって、主人公と新たに仕事を始めることにワクワクしているという現在の状況は、少し前の宮川だったら想像もできなかったことであろう。そうした人生のめぐり合わせに不思議を感じているのである。
問八 宮川やその母親と出会ったことで開けた新たな人生の展望に、主人公はこれまでとは違う風景を見る思いなのであろう。
【大問3】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:大問4と合わせて4分
- ★必答問題
1. 能率 2. 積年 3. 招待 4. 加減 5. 改修
【大問4】対義語
- 難度:標準
- 時間配分:大問3と合わせて4分
- ★必答問題
1. 縦断――横断 2. 悲劇――喜劇 3. 当番――非番 4. 目的――手段
5. 総合――分析
【大問5】慣用句
- 難度:標準
- 時間配分:3分
1. 薄氷を踏む
2. 油を売る
3. 骨が折れる
4. 背水の陣
5. 念を押す
【大問6】熟語
- 難度:やや難
- 時間配分:3分
1. 逆行・行事・実行・行動
2. 発育・育児・知育・育成
3. 回収・収束・買収・収納
4. 候補・補給・増補・補完
5. 伝承・承知・口承・承服
攻略のポイント
素材文の文量は他の難関校と比べると少ない方である。2019度はすべて選択肢問題だったがそれ以降また記述問題が出されており、年度により異なるので準備はしておこう。
長文読解以外の部分も手を抜かずに。漢字・文法・ことばの知識がしっかり出題される。一部は読解問題の中でも出されている。
長文読解・知識問題ともに難問集などで練習する必要はないので、基本レベルの実力を着実につけておこう。差がつきにくい試験なので不用意なミスの無いように。
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