法政大学第二中学校 入試対策
2024年度「法政大学第二中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は3つ。それぞれに漢字や熟語・論説文の読解・小説の読解が割り当てられている。接続詞や慣用句などのことばの知識は読解問題と合わせて出題される。
文量は、論説文が3000~5000字・小説が5000字ほどで、計8000~10000字程度で多めである。総解答数は約30~45問と年度により差がある。
設問は選択式が多く、数問の書き抜きと1問の記述問題が含まれている。ここ数年、記述問題は論説文の読解で出題されている。60~80字ほどで、筆者の意見の中心部分を問う質問が多い。
[論説文の読解]
社会科学・人文科学の文章がよく使われている。受験生の年齢を考慮した出題で、文章が難しすぎるということはない。ここ数年、記述問題はこちらの分野で出題されている。60~80字と字数は多いが、説明的文章なので文中の重要点を抜き出して解答をまとめられる問題が多い。要点・要旨をしっかり把握できれば、字数を埋められるだろう。説明的文章の読解力を養おう。
・段落の整理
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引く などしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおく などするのも良い。
・要旨
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要 点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
[小説の読解]
中学生を主人公にした小説が多く用いられている。受験生と近い年齢の設定なので、その心情や行動も理解しやすいだろう。文学的文章の読解の基本をしっかりマスターして臨もう。なお、2022~2024年度ではこちらの分野でも記述問題が出題されている。
・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
[選択肢問題について]
選択肢の文が長めである点、注意が必要である。文字数が多ければ時間も取られるし、見落としやすい要素もそれだけ増えることになる。細部の一言一句にも油断せず集中して読み切ろう。消去法で弾いていき、最後に2者で迷うことが多い。本文との細かい相違点・共通点を見逃さないよう、過去問で経験を積んでおこう。
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2024年度「法政大学第二中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数31問で、100字と120字の2問の記述問題が出されている。素材文は計8000字ほどあり、読むスピードも必要となる。記述問題以外はそれほど時間を取られないので、他の問題を手早くこなして記述問題に十分時間を残して、しっかり得点したい。
【大問一】漢字・同意語・品詞
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問一 ① 無難 ② 感傷 ③ 葉緑(素) ④ 風雪 ⑤ 委(ねる)
問二 ① ひつぜつ ② るふ ③ きこう ④ かなめ
問三 ① (平)等 ② 快(活) ③ (思)案
問四 ① おおまかな例示・ウ
② 自発・ア
③ 一部の例を挙げて他はまして…と類推させる助詞・イ
【大問二】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:22分
- ★必答問題
「考える」とはどういうことかを論じている。
問一 完全に準備ができるときなど来ないので、不完全なまま手持ちの知識などを活用して答えるしかない→選択肢エ。
問二 A. 「~だけのことじゃないでしょうか」という自信無げな言い方から、「たぶん」。
B. 習ったことの9割は覚えていない。「でも」不便だと思ったことはない。
C. ~訓練する場所、「つまり」社会で同じことが起きた時のために慣れておく…。
問三 「どういうときに、人間は考えるということをするのか」に続く段落で例を挙げながら説明している。人は「考えなければ生きていけない」とき、「生きてゆくために、自分が置かれている状況について、全力で(二十八字)」考えるのである。
問四 段落冒頭の「多数の人たちの共感を得ることはできないかもしれない」を指している。
問五 人が考えているようなポーズを取っているときは、単に思い出しているだけだったり、言い訳をひねり出しているだけだったりする場合が多いのである。
問六 三番目にウがはいるので、最初はイ→エとつながり、ウ→アで終わる。
問七 本気で「考え」ていれば一回一回違った回答が出てくるはずなのに、自分は以前書いたことを思い出して話しているだけであり、これは真剣に考えていないことを意味するのである。
問八 人間は「考えなければ生きていけない」状況で真剣に考えても、「一回一回答えが違う」不完全な存在である。人にできるのは「手持ちの知識と僅かな経験と知性とモラルを総動員して」その時その時の正解を全力で探ることだけである。自身の具体例としては、人の意見や本で読んだ知識などではなく、自分の経験や素直な気持ちで物事に対応した例を挙げるとよいだろう。
【大問三】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:20分
遠くの星に言葉を使わずにメッセージを送るという風変わりな宿題を出された主人公の気づきが描かれている。
問一 自分の好きなものの話で脱線したり、国語とは関係ない風変わりな宿題を出したりするなど、好き勝手な授業になっている点が大人らしくないということであろう。
問二 それまで害だと思っていたものが、視点を変えてみれば実は自分を助けてくれていたのかもしれない……そういうこともあるということを先生は言いたいのである。
問三 遠い星に送るメッセージとして、先生とクラスの皆と仲良く笑い合う光景を届けたいと主人公は思ったのであろう。
問四 傍線部より前だと、そもそものこの宿題の目的であった「地球人はこんな生命体ですよ(十二字)、というのを相手に伝える」が抜き出せる。
問五 当初の主人公の考えとしてはイが適切である。エもよさそうに思えるが、先生から「笑顔と泣き顔に分けよう」と提案されて以降の内容である。
問六 笑顔と泣き顔が繰り返される……ときに楽しいことや悲しいこと、様々な感情を抱きながら地球のさまざまな人々は生きてきたのだと、先生は言いたいのである。
問七 メッセージが届くであろうずっと未来に笑顔が多いのか泣き顔が多いのかはわからないが、「希望」を込めて笑顔を多くしてしまえばいい、という思いであろう。
問八 遠い未来に異星人が受け取るであろうメッセージを使徒たちに考えさせることで、地球の未来について考えてほしいというのが先生の意図だっただろう。そしてそれは希望のある未来であってほしいという先生の願いも込められているようである。自分の答えとしては、自分が考える希望の持てる未来につながるようなメッセージを作ればいいだろう。
攻略のポイント
選択式問題が多く、選択肢の字数も多い。できれば素材文を1分600~700字ペースで読み、選択肢もなるべく迷わずに選びたいところだが、どうしても迷う問題は後回しにして、最後にじっくり考える。
ここ数年は記述問題は1問しか出なかったが、2022年度は3問・2022年度は2問出された。配点が大きいので空欄にしてはもったいない。既定の字数を埋めて部分点は確実に稼げるように過去問をこなしておこう。冒頭の漢字・熟語の問題も3割の配点があるので、ぜひ全問正解して、スタートダッシュを狙いたいところである。
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