法政大学第二中学校 入試対策
2018年度「法政大学第二中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は4つ~8つと年度により異なる。大問ごとに、あるいはいくつかの大問をまとめて各分野に分かれている。総解答数は50問前後。地理・歴史・政治経済と、ほぼ同じ問題数になっている。
あるテーマに沿った短文・長文の資料やリード文を読み、答えていく形が多い。1つの資料に付き複数の答えを求められるパターンもよく見られる。
記号選択が多く、適語記入が数問と2行程度の記述問題が1問出されるのが通例である。問題数の多さには注意が必要である。
地理分野
日本各地の祭り(2017年度)や日本の半島・岬(2018年度)など、一つのテーマに沿ってやや詳しく訊くパターンが多い。テーマそのものについても、また関連する地形・地名や産業などについても問題が出されている。
地図を用いた問題が多いので、各地の地名・地形と位置をしっかり覚えておくこと。2018年度では地形図の読み取りも出題されている。また、ここ数年は雨温図がよく使われているので、日本の6つの気候区を確実に見分けられるようにしておいたほうが良いだろう。
歴史分野
あるテーマに沿って詳しく訊く問題や、幅広い範囲からある項目について答えさせる問題などのパターンがある。古代の中国・朝鮮との外交や江戸時代の政治(2017年度)、中国・朝鮮との外交(2018年度)などのテーマが取り上げられた。また、ここ数年は古代の歴史書が史料としてよく使われている。
古代から現代まで広い時代から出題がある。時代順の並べ替えの問題も毎年出されている。各時代、各項目に大きな抜けが無いよう、丁寧に学習しておこう。
政治経済分野
日本国憲法と政治の仕組みを中心に問題が出されている。そこに、時事問題や国際関係の話題も織り交ぜられている。記述問題はこの分野で出されることが多く、PKOに関して新たに加わった任務(2017年度)や国会が「国権の最高機関である理由(2018年度)などのテーマで2行ほどの記述問題が出題されている。
憲法や政治について基本事項をしっかり覚えたうえで、時事問題集などで最新の国内外の出来事・情勢に詳しくなっておこう。
注意点
全体的には基本事項の問題が多いのだが、一部にやや細かい知識を問われる問題がある。憲法の婚姻についての条文や各地の祭り(ともに2017年度)など、詳しく覚えていない人も多かったのではないだろうか。答えられれば差がつくところであるが、問題数の多さを考えるとわからない問題に時間を取られるのは得策ではない。自信のない問題は素通りしてとにかく最後まで一通り終わらせ、答えられたのに時間が足りなかったなどという事態は避けるようにしたい。
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2018年度「法政大学第二中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は49問。選択肢問題が多い。記述問題は2行ほどの字数で1問出されている。
問題数は多めでやや長いリード文もあるが、時間は40分ある。ペース配分に注意して迷う問題は後回し、最後までひととおり解き進めよう。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
- ★必答問題
日本の半島・岬を題材にした問題。
問1A.「伊豆の踊子」の舞台となった静岡県・伊豆半島。位置は⑧。
B.かつて室戸台風が大きな被害をもたらした高知県・室戸岬周辺。
C.大間はマグロのブランドになっている。青森県・下北半島。
D.八郎潟は秋田県・男鹿半島のつけ根にある。
E.ムツゴロウは有明海の干潟に棲むハゼの仲間。長崎県・島原半島。
F.輪島塗や輪島の朝市が有名な石川県・能登半島。
G.横浜・川崎・相模原と3つの政令指定都市を持つ神奈川県・三浦半島。位置は⑦。
H.北海道・襟裳岬。
問2F.金沢市は日本海側の気候で冬に降水(雪)量が多いという特徴から、ウ。
G.横浜市は太平洋側で夏に雨が多ので、エ。
H.札幌市は冷涼な気候で年平均気温が低いので、イ。
問4 核燃料のサイクル施設があるのは六ケ所村。
<時間配分目安:14分>
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
- ★必答問題
古代からの中国・朝鮮との外交の歴史を題材に、貿易や戦争についても訊かれている。
問1 『後漢書』東夷伝に、奴国が中国に使者を派遣し「漢委奴国王」と刻まれた金印を授けられたことが記さ
れている。
問3 田中角栄の主な功績としては日本列島改造論の提唱や中国との国交回復などが挙げられる。
問5 金は日本からの輸出品である。
問8 朝鮮・江華島近くで日本の軍艦が攻撃された事件。
問9 甲午農民戦争は東学党の乱とも言う。
問10 日清戦争の講和条約で遼東半島を譲り受けたが、三国干渉でいったん返している。日露戦争後に再び遼
東半島の一部の租借権をロシアから譲渡された。
問11 南満州鉄道爆破事件。地名をとって柳条湖事件ともいう。
問13 当初GHQは皇室の一族を処刑しようと考えていたとされている。後にいくつかの理由から考えを変え天
皇家を存続させることになった。日本としては天皇制の維持が約束されない案は受け入れがたかったの
である。
<時間配分目安:13分>
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
三権分立について。
問1(3)裁判官の独立という規定である。憲法と法律にのみ拘束され、己の良心に従うと書かれている。
問3 「国権」とは国を統治し支配する権力であるが、民主主義国家においてその権力は国民から政治家に付託
されたものである。国民が選挙で選んだ議員が国会で法律を作り、国会議員から選ばれた総理大臣が政治
を行うという2つの意味で、国会は国権の最高機関なのである。
問5 議会と内閣が連帯して責任を負う仕組みを議院内閣制といい、イギリスも同じ仕組みを採っている。
問6 最高裁判所の裁判官は、前回の衆議院議員総選挙から10年を経過した次の衆議院選総挙と同時に、国民
審査を受ける。名前の上に×をつける方式で過半数になると罷免される。
<時間配分目安:9分>
【大問4】現代社会分野
- 難度:標準
- 時間配分:4分
さまざまな核兵器に関する条約について。
問1(2)「ゆずり渡す」ことを禁止している「核拡散防止条約」である。
問2 日本はアメリカの核の傘に守られているという立場上、条約の話し合いに参加しなかった。
問3 フランスを加えた5か国が安全保障理事会の常任理事国である。
問4 IAEA――国際原子力機関。
<時間配分目安:4分>
攻略のポイント
問題数が多く、基本事項の問題も多い。とにかく最後まで手を付けて答えられる問題は確実に答える。
過去問をよく見て、頻出傾向にある単元・範囲は特に丁寧に覚えておこう。
記述問題は短文の説明記述が多いので、記述対策問題集での練習も役に立つ。
無理に難問集などに手を出す必要はないが、一部のやや細かい知識を問われる問題は答えられれば差がつく部分なので、基本事項をひととおり覚えたら、さらに詳しい教材で補足しておくのも良いだろう。
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