法政大学第二中学校 入試対策
2019年度「法政大学第二中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問は4つ~8つと年度により異なる。大問ごとに、あるいはいくつかの大問をまとめて各分野に分かれている。総解答数は50問前後。地理・歴史・政治経済と、ほぼ同じ問題数になっている。
あるテーマに沿った短文・長文の資料やリード文を読み、答えていく形が多い。1つの資料に付き複数の答えを求められるパターンもよく見られる。
記号選択が多く、適語記入が数問と2行程度の記述問題が1問出されるのが通例である。問題数の多さには注意が必要である。
地理分野
日本の半島・岬(2018年度)や日本の工業地帯・工業地域(2018年度)など、一つのテーマに沿ってやや詳しく訊くパターンが多い。テーマそのものについても、また関連する地形・地名や産業などについても問題が出されている。
地図を用いた問題が多いので、各地の地名・地形と位置をしっかり覚えておくこと。2018年度では地形図の読み取りも出題されている。また、ここ数年は雨温図がよく使われているので、日本の6つの気候区を確実に見分けられるようにしておいたほうが良いだろう。なお、2019年度では地図などの資料が全く使われなかった。過去問もよく見て違いを確認しておきたい。
歴史分野
あるテーマに沿って詳しく訊く問題や、幅広い範囲からある項目について答えさせる問題などのパターンがある。古代の中国・朝鮮との外交や江戸時代の政治(2017年度)、中国・朝鮮との外交(2018年度)などのテーマが取り上げられた。また、ここ数年は古代の歴史書が史料としてよく使われている。
古代から現代まで広い時代から出題がある。時代順の並べ替えの問題も毎年出されている。各時代、各項目に大きな抜けが無いよう、丁寧に学習しておこう。
政治経済分野
日本国憲法と政治の仕組みを中心に問題が出されている。そこに、時事問題や国際関係の話題も織り交ぜられている。記述問題はこの分野で出されることが多く、PKOに関して新たに加わった任務(2017年度)や国会が「国権の最高機関である理由(2018年度)などのテーマで2行ほどの記述問題が出題されている。
憲法や政治について基本事項をしっかり覚えたうえで、時事問題集などで最新の国内外の出来事・情勢に詳しくなっておこう。
注意点
全体的には基本事項の問題が多いのだが、一部にやや細かい知識を問われる問題がある。憲法の婚姻についての条文や各地の祭り(ともに2017年度)など、詳しく覚えていない人も多かったのではないだろうか。答えられれば差がつくところであるが、問題数の多さを考えるとわからない問題に時間を取られるのは得策ではない。自信のない問題は素通りしてとにかく最後まで一通り終わらせ、答えられたのに時間が足りなかったなどという事態は避けるようにしたい。
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2019年度「法政大学第二中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は50問。選択肢問題が多い。記述問題は2行ほどの字数で1問出されている。
問題数は多めだが、今年度は資料がほぼ用いられなかったのでテンポよく進められるだろう。ペース配分に注意して迷う問題は後回し、最後までひととおり解き進めよう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:【大問1~3】16
- ★必答問題
川や海でできる地形についての問題。
問1 Aは川の流れによる浸食と土地の隆起が繰り返されることでできる河岸段丘の説明。
問2 Bは三角州のこと。庄内川(土岐川)は岐阜県・愛知県を流れて伊勢湾に注ぐ川で、河口付近にあるのが名古屋市である。
問3 扇状地は水はけがよく日当たりもよいので果樹栽培に適している。
問4 リアス海岸で有名な、三陸海岸と伊勢志摩。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:【大問1~3】16
- ★必答問題
問2 潮目(潮境)はプランクトンが多く発生して魚が集まる良い漁場になる。
【大問3】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:【大問1~3】16
- ★必答問題
日本の工業地帯・工業地域について。
問1 [A] 八幡製鉄所を中心として発達した北九州工業地域。
[B] かつては最大の生産額をあげていた阪神工業地帯。
[C] 浜松市の楽器・オートバイや富士市の製紙などから東海工業地域。
[D] 現在の最大の工業地域は本田自動車を有する中京工業地域。
[E] 京浜工業地帯の対岸にあり石油化学工業の盛んな京葉工業地域。
[F] ジーンズで有名な岡山がある瀬戸内工業地域。
[G] 群馬・栃木の自動車産業や埼玉のセメント工業など、関東内陸工業地域。
[H] かつての生産額第一位で出版・印刷業が多いのは京浜工業地帯。
問2 製紙・パルプ業では富士山からのわき水や富士川の水が使われている。
問3 三重県・四日市市を中心とした地域で、亜硫酸ガスを原因とする四日市ぜんそくが発生した。
【大問4】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:【大問4~8】13
- ★必答問題
古代の歴史についての問題。
問1 邪馬台国の女王・卑弥呼は卜術(ぼくじゅつ)を行う巫女であったと考えられ、30あまりの国を従えていた。
問2 集落の周りを濠や柵で囲み敵の侵入を阻む、環濠集落が造られた。
問3 江田船山古墳(熊本県)と稲荷山古墳(埼玉県)で同じ名が刻まれた剣や太刀が見つかったことから、大和朝廷の支配が九州から関東まで及んでいたと考えられる。
【大問5】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:【大問4~8】13
- ★必答問題
鎌倉時代について。
問1 戦場は西へと移っていき、山口県・壇ノ浦でついに平氏は滅ぼされた。
問2 手柄を立てた者に新たに領地を与えたり、守護や地頭に任命したりなど、いわゆる「褒美」にあたるのが「御恩」である。
問3 北条氏は将軍を補佐する「執権」に就き、実質的な権力を握った(執権政治)。室町時代は執権ではなく「管領」となる。
【大問6】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:【大問4~8】13
- ★必答問題
江戸時代からの問題。
問1 大阪冬の陣・夏の陣の2回の戦いをまとめて、大坂の陣とも言う。
問2 東南アジアとの貿易で正式な貿易船であることを示すために朱印状が使われた。スペイン・ポルトガルと行った南蛮貿易とは異なるので注意。
問3 スペイン・ポルトガルはキリスト教勢力とつながりが強かったため、来航を禁止された。
【大問7】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:【大問4~8】13
- ★必答問題
大正時代について。
問1 デモクラシーの訳として「民本主義」と言った。
問2 日本初の婦人団体・新婦人協会を設立した平塚らいてう・市川房江などが特に有名である。
問3 治安維持法はそもそもは、国体(皇室)や私有財産制を否定するような社会主義的運動を取り締まるためのものであったが、後には戦争に反対するなど国の政策を批判するだけで逮捕されるように悪用された。
【大問8】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:【大問4~8】13
- ★必答問題
太平洋戦争末期の出来事について。
ソ連が参戦してきたのは一回目の原爆投下の直後なのでDとFの間に入る。
【大問9】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:13
日本国憲法と政治の仕組みについての問題。
問1 日本国憲法の公布は1946年11月3日、施行は1947年5月3日である。
問2 文在寅政権になってからの反日的行動が引き起こしているさまざまな問題を確認しておこう。
問4 発展途上国などの生産者が不利益を被らないように適切な価格で商品を取引するのが「フェアトレード」である。
問5 参議院は3年ごとに半数を改選するので248名の半数、124名となる。
問7 冤罪(えんざい)。自白の強要や不正確な証拠の検査など、適切に行われなった取り調べで十分な証拠もなく有罪とされてしまった人の再審裁判が、ときどきニュースになる。
問8 弾劾裁判は、裁判官を裁くために国会に設置される。
問9 (3) 納税・勤労・教育(を受けさせる)で3大義務である。
(4) イ~ウは内閣の権限である。
攻略のポイント
問題数が多く、基本事項の問題も多い。とにかく最後まで手を付けて答えられる問題は確実に答える。
過去問をよく見て、頻出傾向にある単元・範囲は特に丁寧に覚えておこう。
記述問題は短文の説明記述が多いので、記述対策問題集での練習も役に立つ。
無理に難問集などに手を出す必要はないが、一部のやや細かい知識を問われる問題は答えられれば差がつく部分なので、基本事項をひととおり覚えたら、さらに詳しい教材で補足しておくのも良いだろう。
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