法政大学中学校 入試対策
2018年度「法政大学中学校の算数」
攻略のための学習方法
基本重視を貫く問題傾向
学校の難易度(偏差値など)に比べて、テスト問題が易しい入試を行う学校がある。その代表が法政大学中で、まだ男子校だった法政第一中のころからの傾向なので、学校の方針が「基本重視」と決まっていると言って良いだろう。
とはいえ、その問題レベルは「教科書レベル」「入試基礎レベル」というわけではなく、【大問2】から【大問6】まで入試の標準レベル問題が徹底して出題されている。決して難しくはないがやはり基本的な力がついていないと解けない問題であることは間違いない。
そして、この問題で120点(150点満点中)、難易度のやや高いときでも110点程度の得点が合格には必須となるので、そういう意味では決して易しいテストとは言えない。
多少のミスはあっても難題にじっくり取り組む力のある生徒よりは、標準的な問題を的確に正解していく生徒の方が向いていることも確かである。しかも他科目も全般に合格点が高い(算数と同じように問題が基本的なレベルでそろえられている)ので、配点が150点と高い算数において大きく失点することは許されない。
前半をノーミスで通過しよう
合格点を超えるためには、まず【大問1】の計算問題と【大問2】の小問集は1問も外せない。ここ2年間の問題を見ても、【大問1】【大問2】とも難度の高い問題は1問も出題されていない。どの問題もやったことがある、と思わせるような典型的な問題で占められているので、苦手な分野を作らず、基本的な問題を集めた教材(「4科のまとめ」など)を使ってそれぞれの解き方をしっかりと身につけることが大切だ。
捨て問の存在にも注意
【大問3】からは独立した大問形式となるが、設問も(2)までで、条件もそう細かい問題はなく、問題のレベルで言うと【大問2】とあまり変わらない、標準的な問題である。他校の問題に比べて大変解きやすいと感じることだろうが、これは他の受験生にとっても同じで、みな解きやすいと思ってテストにあたっている以上、算数の実力を知らしめると言うよりはできるだけミスをしないという姿勢で臨みたい。
【大問3】には「場合の数」が出題されることが多いが、ここは要注意でそれぞれの問題に対して「良い解き方」を引き出せるよう普段から心がけよう。「席の法則」など計算が使える問題では計算を使い、全部調べ上げる問題では順序よく樹形図にまとめて書いていけるという姿勢だ。日常の勉強では余裕があるせいかいい解き方で解いていても、テストになると焦ってなんでもかんでも全部書いてしまうという、「4年生以前」の知力に戻ってしまう生徒が「場合の数」という分野では目立つ。
【大問4】以降は平面図形・立体図形・速さなど手強い内容が目白押しとなる。中には標準レベルを超えた設問(2018年度にはないが、2017年度では【大問4】(2)、【大問5】、【大問6】(2)など)も現れる。解き進めてきて、これは難しい、と感じた設問は「捨て問」と判断して深追いしないという手がある。やったことがある、という既視感があるものならチャレンジしてみても良いが、はじめて見るような問題の場合時間をかけてもたいてい解けないというのが現実だ。その問題は捨てて、最後まで手をつけたら前に戻って見直しを徹底した方が良い。ただ、捨て問かどうかの判断は難しいのは確かなので、やってみて2・3分かけてもらちがあかない場合はそれ以上解かないというのが良いだろう。
まずは、基本的問題の解き方を定着させること。これで合格点までの問題には対応できる。その上で効率よく、ミスすることなく最後までテストを乗り切る。これが法政大学中の算数を突破するシンプルだが攻略法のすべてである。
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2018年度「法政大学中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
テスト時間は50分、設問数は20程度なので、時間が足りないと言うことはない。また、前半は計算問題と小問集というつくりなので、こちらはテキパキと解き進めていきたいところ。後半の大問にうまく時間を回せるよう、普段から解くのにかかる時間を考えてテストにあたりたい。
【大問1】計算問題
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
1問目は整数、2問目は分数と小数の融合、3問目は逆算と平易ではあるものの油断は出来ない。計算問題で出鼻をくじかれがちな生徒は、受験本番でも後回しにするなど対策を講じてはどうか。【大問2】をさらっと解いたあとの方が、頭の回転がうまく働くと思われる。いずれにせよ、ここでの失点は許されない。
【大問2】小問集
- 難度:易
- 時間配分:16分
- ★必答問題
全部で8問からなるが、おおよその難度で分けると以下の通り。
易しい問題…(3)(5)(7)
易しいがミスしやすい問題…(1)(4)
標準的な問題…(2)(6)(8)
ここも全問正解といきたいところだ。
(1)では「72分」と必ずしも単位をそろえきっていないところに注意する。
(2)は「商とあまり」がそれぞれ10である場合を考えれば良い。
(3)は「60円少なく使ったところ」を線分図でうまく表したい。
(4)では、速さの公式を使い所要時間をうまく処理する。
(5)を間違えると、4年生からやり直しか…
(6)は仕入れ値を「1」とおいて割合の合成を使う問題。もう食傷気味かと…
(7)は通過算の典型的問題で、まず列車の秒速を出してそのあと鉄橋を通過させる。
(8)が一番つまるところか。三角形の高さが底辺6cmの半分になるという特殊な三角形の問題だが、テストの途中でさっと出題されると思い浮かばないことが多い。
【大問3】場合の数
- 難度:標準
- 時間配分:6分
なぜ「場合の数」は受験生にとって苦手分野となっているか?その理由ははっきりしていて、問題によって解き方が少しずつ異なりその数が多数あるからだ。
平成29年度(昨年度)の場合の数は「積の法則」を使って解く問題だったが、今回は数え上げる、という解き方が賢明である。
(2)では、とりだした取り出した玉の数が3個、2個、1個に「場合分け」して調べる。
差がつくとすれば、この設問からだ。
【大問4】図形の移動
- 難度:標準
- 時間配分:6分
図形の移動の問題ではあるものの、そう難しくもない位置に一度移動させたら終わりで、あとは重なった部分のまわりの長さと面積を求めるだけなので、後半では解きやすい大問になっている。ただし、(2)では重なった部分(台形)の面積を正六角形の面積を使ってうまく求められるかが、カギを握る。
【大問5】立体図形(水そう)
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
直方体と円柱が組み合わさった容器が提示され、どんな難しい設問が出されるのか…と危惧していると単なる「表面積」と「水を入れる問題」。少し拍子抜けする。しかし、どちらもミスを誘う出題にはなっている。
(1)では、容器の上下の面積と円柱の側面積をうまく処理することが大切。
(2)は、ありがたいことに水の体積が円柱の体積そのものになっているので求めやすい。
(1)に注意してここも正解したい。
【大問6】仕事算
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
ラストの問題ではあるものの解きにくさはない。ここも必答問題と言える。
(1)全体の仕事量を240とおけば、A+B+Cの仕事量・A+Bの仕事量が求まるのでCの仕事量が簡単に求められる。
(2)も、その延長線上にある解き方で求められるはずだ。
攻略のポイント
法政大学中学の場合、テスト攻略の最大のポイントは「標準的な問題を完璧にこなす」であって、時間配分や難問克服はあまり気にならない。
150点満点で、受験者平均点110点、合格者平均点が130点。最低でも120点(80%)はとっておきたい。とすれば、間違えて良い設問数はせいぜい3問までである。
【大問1】【大問2】は完全正解、【大問3】~【大問6】までで2問ミス程度に抑えたい。算数の場合1問の配点が高いので、得点が100点だとして20点のハンデがつくと他の科目での挽回が大変だ。なぜかというと、他の科目も平均点が高めなので、点差がつかないからだ。
そのための対策としては、ふだんからミスを徹底的に減らすよう集中して問題にあたり、いざとなったらやり直せば良い、という甘えを捨てること。また、苦手分野を作らず、どの分野でも標準的な問題であれば解けるようにしておくことだ。
法政大学中では、以前から高い平均点となるようにテスト問題を構成している。来年度のテストもおそらく平均点は高いだろう。傾向のはっきりしている学校なので、受験生はそれに合わせて「ミスのない自分」に仕上げてもらいたい。
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