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雙葉中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「雙葉中学校の理科」
攻略のための学習方法

雙葉中理科の満点は50点、標準的な問題が多いが問題文や図などを読み取った上で解き進めていく力が要求される。
各設問を見ると、際立った難問はなく、塾のテキスト等で学んだ知識をしっかり使えれば解けるレベルである。慌てて解答用紙を埋めようとするのではなく、問題文をしっかり読み取ることに時間をかけて欲しい。
分野ごとの学習方法は以下の通りである。

生物分野

本年度は食物連鎖に関する出題であった。オオカミやフクロウの生態など詳しい知識を要求されるものも見られた。
ここ数年では、植物・昆虫・人のからだの働きなどをテーマにした問題が見られたが、いずれも単なる知識を問うものではなく、問題文を読んだ上で、各設問を考えながら解き進めていくものであった。
この分野の学習法としては、まずは植物や動物、人のからだの働きについての基本知識を確実に覚えることが第一であり、その上で、植物のはたらきや人のからだのはたらきを確認するための実験や観察の進め方についてもしっかり確認しておいて頂きたい
また、日頃から図鑑を見る、生物に関するニュースに気を配るなど、生物についての関心を持つことも大切である。

地学分野

本年度は東京の地形をテーマにした地層に関する出題であった。
ここ数年では、星の動き、地層と岩石などに関する出題が見られた。
ここ数年で地層のボーリング調査に関する出題が何回か出題されており、この分野に関しては特にしっかり学習しておきたい。
その他、天体・気象などの基本知識をしっかり覚えておくことも必要である。
この分野に関しても、単なる丸覚えだけでは対応できないタイプの出題が中心なので、長めの問題文を読んで解き進めていくタイプの問題演習もしっかり行っておきたい
火山噴火・地震によっておこる液状化などの様々な現象、フェーン現象、地球温暖化などの気象に関するやや詳しい事柄についても興味を持って学習して頂きたい。

物理分野

本年は電気に関する出題であった。ここ数年では、磁石に関する出題などが見られた。
他校でよく見られる「力のつりあい」に関する出題はあまり多く出題されていない(まったくないわけではない)。
それに対して、「電気」「音」などをテーマにした問題が見られるので、てこや滑車など力学の計算練習だけにこだわらす、「電気」「音」「光」など幅広く知識を身につけて頂きたい

化学分野

今年度は酸化に関する出題であった。
ここ数年では水の三態変化、熱量、二酸化炭素の発生などに関する出題が見られた。化学変化に関する出題頻度が高い。
この分野の学習方法としては、水溶液の性質や気体の性質などの基本知識は確実に覚えた上で、計算問題の練習もしっかり行って欲しい
「中和」「酸素の発生」「二酸化炭素の発生」「金属と水溶液の反応」「燃焼」「溶解度」などをテーマにした計算問題の練習に時間をかけたい。

過去問の練習もしっかり行って頂きたい。
過去問を進める上では時間の使い方を意識して欲しい。問題文や図を読み取ることが大きなポイントとなる出題なので、その読み取りにどの程度時間をかけてよいのかを確認しながら過去問演習に取り組んで頂きたい。
また、過去問以外では、同じようなタイプの問題の演習にも取り組んで欲しい。
問題の選択については、プロの家庭教師に相談して頂きたい。

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2016年度「雙葉中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4題、小問数は20題程度で50点満点。試験時間は30分であった(H22年より試験時間は30分)。
適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で簡単な記述問題も見られた。
問題数は決して多くはないので、慌てることなくしっかり取り組んで欲しい。

【大問1】生物分野 食物連鎖に関する出題

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

問1 生物間の食べる食べられるのつながりを「食物連鎖」という。
 
問2 C1が増えると、C1をえさにするC2は増え、C1がえさとしているPは減る。
 
問3 (あ)はガを食べ、シジュウカラに食べられることからクモ、(い)はバッタを食べ、ヘビやイタチに食べられるのでカエル、(う)はヘビやイタチを食べることからフクロウが当てはまる。
 
問4 シカを食べる肉食動物で日本では絶滅していることから、オオカミが考えられる。
 
問5 選択肢の生物はすべて生態系に影響を与えているが、農作物に被害を与えている動物としては、イノシシとサルが当てはまる。
 
問6 26.4÷0.00005 より528000倍となる。
 
問1~問3は食物連鎖に関する基本問題。
問4問5は生物に関する細かい知識を必要とする。
問6の計算問題は易問なので確実に正答したい。

【大問2】物理分野 電気に関する問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

問1 電圧×電流=電力  100V-1200Wなので、1200÷100より12A

問2 ドライヤーも含めると34Aの電流が流れていたので、あと6A以上電流が流れるとブレーカーが落ちる。

問3 表より、流れている電流は350mAと450mAの間である。よって500mA端子を使い、測定値は400mAになる。
 
問4 表よりニクロム線では電圧と電流は比例関係にあり、電球では電圧を高くすると電流は増えにくくなっていることがわかる。
  
電気に関する出題。電力についての説明も書かれているので、問題文や実験結果の表を見れば十分正答可能な問題が並んでいる。

【大問3】化学分野 酸化に関する問題

  • 難度:
  • 時間配分:8分

問1 銅の黒さびは水素に酸素を奪われる。銅の黒さびは銅に変わり、水素は水に変わる。
 
問2 問題文よりA液10㎤は酸素2mgを相手に渡すので、A液12㎤では2.4mgの酸素が奪われることになる。
 
問3 難問。加えたA液は合計で15㎤。このうち問2より12㎤はB液を酸化するのに使われるので、池の水が酸化するのに使われたA液は3㎤になる。
 
問4 問3より池の水100㎤が奪ったA液は3㎤なので、3×0.2=0.6mgの酸素を奪うことになる。従ってこの池の水1L(1000㎤)では0.6×10より6mgの酸素を奪う。

酸化と還元に関する出題。
問2以降は書かれてある内容が非常に難しく、小学生にとってはこの理解に苦労するかもしれない。落ち着いて問題文を読み取って欲しい。

【大問4】地学分野 地層・地震に関する出題

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

問1 A地の火山灰層とB地のれき層は同じ時期に堆積したものであるが、B地のれき層の上には砂や粘土の層が積み重なっているので、A地が陸上に出た後もB地はまだ海の中で地層が作られていたと考えられる。
 
問2 現在は台地の場所で多くの貝塚が見つかっていることより、当時は今より気候が温暖で、海水面が高かったと考えられる。
 
問3 関東大震災による下町の被害で最も多かったのが火災によるものである。この大問の中ではどうしても理科的な理由(津波など)を考えてしまう。間違いやすい問題。
 
問4 かつて海だった場所では、地下に多くの水分を含んでおり地盤が弱く、地震の際に液状化現象が起こりやすい。

東京下町付近の地図を題材にした地層や地震に関する出題。
記述問題も含まれているが問題文をしっかり読んで答えれば、解答の方向性が見えてくるはず。
液状化現象・津波など地震に伴って起こる現象は理解しておきたい。
問3はひっかかりやすいので注意。

攻略のポイント

からまで標準レベルの出題が中心であるが、知識の丸暗記だけでは答えられない問題も多い。
実験や観察などに関する問題文や図を正確に読み取る力が他校以上に求められる。今後も同じような傾向の出題が予想される。
本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を身につけることがあげられる。
その上で、過去問や問題集を使って、問題文や図・グラフなどを読み取って解くタイプの問題演習を数多く行って欲しい。
演習に使う問題に関しては、塾や家庭教師に相談して頂きたい。

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