雙葉中学校 入試対策
2023年度「雙葉中学校の理科」
攻略のための学習方法
雙葉中理科の満点は50点。問題文や図などを読み取った上で解き進めていく考察力や思考力が必要な問題や計算問題も含まれる。また、記述問題も多いのも大きな特徴。とは言っても、基本的な知識問題や標準レベルの問題も多く、まずは塾のテキスト等で学んだ知識をしっかり固め、知識問題での失点を極力しないことが攻略への近道である。問題を解く上では、慌てて解答用紙を埋めようとするのではなく、問題文をしっかり読み取ることに時間をかけて欲しい。分野毎の学習方法は以下の通りである。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年度は外来生物と食物連鎖に関する出題であった。ここ数年を見ると、植物(光合成等)、人のからだの働き、昆虫の生態などをテーマにした問題が見られた。いずれも単なる知識を問うものだけではなく、問題文を読んだ上で、各設問を考えながら解き進めていくものが多い。この分野の学習法としては、まずは植物、昆虫、動物、食物連鎖、人のからだの働きについての基本知識を確実に覚えることが第一であり、その上で、植物のはたらきや人のからだのはたらきを確認するための実験や観察の進め方についてもしっかり確認し、問題演習をしっかり行って欲しい。また、日頃から図鑑を見る、生物に関するニュースに気を配るなど、生物についての関心を持つことも大切である。
地学分野 本年度は海水温と気象に関する出題で、時事的な内容を含む問いも含まれていた。ここ数年を見ると、プレートと地震、月や星などの天体の動き、流水の働き、地層・岩石・化石などに関する出題が見られた。地層のボーリング調査に関する問題の出題率がやや高く、重点をおいて学習して欲しい。その他、天体・気象などの基本知識をしっかり覚えておくことも必要である。この分野に関しても、単なる丸覚えだけでは対応できないタイプの出題が中心なので、長めの問題文を読んで解き進めていくタイプの問題演習もしっかり行っておきたい。火山噴火・地震によっておこる液状化などの様々な現象、フェーン現象、地球温暖化などの気象に関するやや詳しい事柄についても興味を持って学習して頂きたい。また、今年度同様に時事的な内容の出題も考えられるので、天体・気象・地震や火山噴火などのニュースにも関心を持って頂きたい。
物理分野 本年は振り子の運動に関する出題であった。近年を見ると、てこや浮力などの力のつり合い、電気回路、電流と磁界、光の性質に関する出題などが見られた。この分野の学習としては、振り子、てこ、浮力、滑車など力学の計算練習はもちろんのこと、電気、音、光などについても幅広く知識を身につけて頂きたい。また、問題集等を使用して、問題演習もしっかり行って欲しい。
化学分野 今年度は化学変化に関する出題であったが、計算問題は含まれていなかった。ここ数年を見ると、燃焼、過酸化水素水の分解、気体の性質、水溶液と化学変化、水の三態変化、二酸化炭素の発生などに関する出題が見られた。中でも、化学変化に関する出題頻度が高い。この分野の学習方法としては、水溶液の性質や気体の性質、指示薬の色の変化などの基本知識は確実に覚えた上で、計算問題の練習もしっかり行って欲しい。「中和」「酸素の発生」「二酸化炭素の発生」「金属と水溶液の反応」「燃焼」「溶解度」などをテーマにした計算問題の練習に時間をかけたい。
また、実験の進め方や実験器具の使い方についても理解を深めておいて欲しい。
過去問の練習もしっかり行って頂きたい。過去問を進める上では時間の使い方を意識して欲しい。問題文や図を読み取ることが大きなポイントとなる出題なので、その読み取りにどの程度時間をかけてよいのかを確認しながら過去問演習に取り組んで頂きたい。また、過去問以外では、同じようなタイプの問題の演習にも取り組んで欲しい。問題の選択については、プロの家庭教師に相談して頂きたい。
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2023年度「雙葉中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は25題程度で50点満点。試験時間は30分であった。適語を答える問題、記号選択問題が中心であるが、記述問題も複数見られた。試験時間が30分と短いが、慌てることなく落ち着いて取り組んで欲しい。問題文や図・表の読み取りを落ち着いて行うことが大切である。
【大問1】 生物 外来生物と食物連鎖
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 アメリカザリガニは名前が示す通り、もともとは日本にいた生物ではなく、アメリカから持ち込まれた外来生物である。
問2 アメリカザリガニについての○×問題。アメリカザリガニの足は5対であり、クモの仲間ではない。また、外来生物なので、野外に放すことは禁止されている。
問3 外来生物を選択する問題。マングースとセイタカアワダチソウが当てはまる。
問4 記述問題。水草は魚類などの産卵場所や敵から隠れる場所になる。
問5 (1)ヤゴはトンボの幼虫、トンボは不完全変態の昆虫である。セミが同じく不完全変態。
(2)記述問題。オオクチバスを駆除したことによりアメリカザリガニの個体数が増え、ヤゴやドジョウが多く食べられるようになった。
(3)落葉をえさとするイトミミズやカの幼虫・アメリカザリガニが増え、イトミミズやカの幼虫をえさとするが増えドジョウやヤゴも増えるが、ドジョウやヤゴはアメリカザリガニに食べられる。結果として、アメリカザリガニだけが増える。
外来生物と食物連鎖に関する出題。基本知識を問う問題と思考力を問う問題で構成される。また、記述問題が2題含まれる。知識問題は確実に正答したい。
【大問2】 化学 化学変化
- 難度:標準
- 時間配分:8分
問1 金属(アルミニウム・マグネシウム等)に塩酸を加えた時に発生する気体は水素。
問2 実験結果の表を見ると、「塩酸の濃度」と「とけ終るまでにかかる時間」には反比例の関係があることがわかる。
問3 温度を上げることまたは金属が塩酸に触れる面積を増やすことにより反応の速度が上がる。
問4 二酸化窒素は酸性雨の原因となる気体。
問5 グラフの選択問題。問題文中の「温度を上げると反応は速くなります」「触媒を加えると、この反応はさらに速くなります」「温度を上げると、最終的に作られるアンモニアの量が少なくなります」の3つがヒント。特に、1つ目のヒントをしっかり読み取ることがポイント。
化学変化に関する出題。計算問題は含まれてなく、知識と実験結果や問題文の読み取りが大きなポイントとなる出題。
【大問3】 地学 海水温と気象
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 時事的な内容を含む知識問題。
ア:海は地球の表面積の約70%を占めている。
イ:2020年1月以降、世界の平均海面の高さは約1cm上昇している。
問2・問3 ペルー沖の海水温度が平年より低くなる現象はラニーニャ現象。日本の気候への影響として、夏は平年より暑く、冬は平年より寒くなることが多い。
なお、ペルー沖の海水温度が平年より高くなる現象はエルニーニョ現象とよばれる。
問4 海(水)は陸地に比べて暖まりにくく冷めにくい。
問5 グラフの読み取り問題。AとBを比べると、水深の浅いところではAはBより水温が高くなっていることに注目すること。
問6 ABと比べCでは水深の浅いところで水温が低い。このことから、ABよりCは緯度の高い海域で観測したデータであると考えられる。
問7 記述問題であり難しい問い。日光によって暖められた海水が風などによってかき混ぜられるので、海水表面から水深50mくらいまでは水温がほぼ一定になる。
問8 グラフを作成する問題。AとBのグラフの違いを参考にすればよい。
海水温と気象に関する出題。ラニーニャなど時事的な出題は雙葉中らしい。後半はグラフの読み取りが中心。問7の記述問題は難しい。
今後雙葉中を受験される方は、気象等ついての時事的ニュースに関心を持って欲しい。
【大問4】 物理 振り子の運動
- 難度:標準
- 時間配分:7分
問1 振り子の長さが4倍・9倍・16倍・・・・となると周期は2倍・3倍・4倍・・・となる。2m=200cm=8cm×25 となるので、8cmのときの周期である0.57秒を利用して、0.57×5 より、2.85秒。
問2 測定結果のばらつきの少ない方が正確な測定結果と予想される。より誤差を少なくするためには、振り子10往復にかかる時間を測り、10で割ればよい。
問3 問題文中に大きなヒントが書かれてある。「振り子の動きがゆっくりのときは、その地点にきた瞬間がわかりにくく・・・」を利用して考えること。
問4 容器を空にしても振り子の長さは変わらないので周期も変わらない。
問5 振り子の長さとは糸の上端からおもりの重心までの長さと考えられる。従って重さが下にかたよっているほど重心までの長さが長くなり、周期も長くなる。
問6 記述問題。背の高いお父さんの方がブランコの上端から重心までの長さが短くなり、周期も短くなる、
振り子の運動に関する出題。「振り子の長さとは何か」が問題を解く上での大きなポイントとなる。測定結果のばらつきなど実験の進め方についての出題されていることは、雙葉中入試の一つの特徴である。
攻略のポイント
標準レベルの出題が中心であり、知識があれば正答できる問題も多い。ただし、知識の丸暗記だけでは答えられない思考力を必要とする問題も含まれる。
本校理科の問題として、記述問題が多いことがあげられる。事象の本質をしっかり理解していないと書けない問いも多い。
もう一つの特徴として、実験や観察などに関する問題文、図、表を正確に読み取る力を必要とする出題が多いこともあげられる。
本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を身につけること。その上で、過去問や問題集を使って、問題文や図・グラフなどを読み取って解くタイプの問題演習を数多く行って欲しい。さらに、記述問題の練習にも時間をかけたい。また、時事問題や実験器具の使い方・実験の進め方など対策しておくべきことは多い。
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