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市川中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「市川中学校の国語(帰国生入試)」
攻略のための学習方法

知識

市川の「帰国生入試」でひとつのポイントとなる「総合的知識問題」、あらゆる「知識」が求められ出題され、解答数も多い(24年度はなんと7割)。さあどうする?
当然、一朝一夕には身につかないので、地道な努力が必要となる。先ず「語彙力」。日々の積み重ねあるのみ。塾での「小テスト」等を確実にこなし、もし間違ったものがあれば、必ず書き出して覚えるようにする。
「漢字の読み書き」だけではなく、「同音異義語」「同訓異字」「類義語」「対義語」、また、「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」「故事成語」や「分かりづらい言葉の意味」等も押さえておきたい。

また、過去問や演習問題を実施する場合、問題文中の語彙で「読み・書き・意味」のいずれかがあやふやなものがあったら、書き出して自分なりの「言葉ノート」を作成しておくといい。そこには自分が分からない言葉がたまっていくので、折に触れ確認し定着させていく。入試当日に持っていけば、「お守り」にもなる。これらの「語彙」はさまざまな形式で出題されるし、「説明記述」の際にも重要だ。字数制限の中でいかに的確な「言葉」を用いるかが勝負となるからだ。

そして、「文法」。塾でも学習しているはずだが、定着していない受験生が多い。直接出題があるし、「説明記述」にも不可欠だ。日本語として「文法的」に正しい文でなければ減点されるし、そもそも内容が正確に伝わらないからだ。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「動詞」)の用法を確実に定着させておくことが重要だ。

速読

大学入試にも匹敵する分量の問題文を読まなくてはならない。解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから通常の「速読術」を使うわけにはいかない。やはり文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。

「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論部分」「結論部分」は論旨が述べられているのでしっかりと読み、「本論部分」は「段落相互関係」に注目しながら各形式段落の最初と最後を読み進める。
「小説」は「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックしつつ、「心情表現」を拾いながら素早く読んでいく。これらのコツは塾でも教えてくれるはずだし、自分から聞いてみるといった積極性もほしい。その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。市川に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速800字以上で「速読」できるようにしておきたい。

解法

「選択肢消去」の「解法」がもちろん重要だが、無論それだけでは不十分だ。
「論説文」(説明文)と「小説」「随筆」、それぞれに応じた特有の「解法」。そして、共通する「解法」それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。
たとえば、塾での練習問題。答え合わせをして「解説」を聞いて納得した。以上終了ではダメだ。必ず「考え方」の道筋をなぞっておくことが重要。特に、間違った問題は宝の山。「解き方の過程」のどこで誤ってしまったのか? その分かれ道をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことが、同じ間違いを繰り返さない秘訣だ。
さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方の過程」を身につけたい。それが「解法」となる。
そうして理解、習得したものを書きとめた自分なりの「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。

記述

当然、準備をしておく必要がある。先ずは「文を記す」ことに慣れる必要がある。最初は時間がかかってもいい。いやがらずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」等、「正しい日本語の文」になっているのか、言いたいことが正確に伝わっているかどうかを確認する必要がある。何を「書く」か。読解の練習問題にある「説明記述設問」はもちろんだが、その問題文の「要約」をするのもとてもいい方法だ。50~60字程度で書いてみる。無論、内容は先生に確認してもらう「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一石二鳥。

次の段階としては「字数の感覚」を身につけることだ。書こうとしている内容は何文字くらいになるのか? 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要なのだ。その際、10~20字程度をひとつのブロックとして考えるといい。
「説明記述設問」で得点を左右する「重要なポイント」「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしているポイントがその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。ある程度「感覚」がつかめたら、「最重要ポイント」を文末にして、他の「ポイント」を下から積み上げていくように記述する訓練をしていく。
本校の場合、「30~80字以内ほど」と「指定字数」が幅広い。様々なパターンに慣れておくこと。

意識

常に何かを「意識」しながら学習することが大切だ。無意識に机に向っていても無意味なのは当然だ。その時々、何を目的として学習しているのか、具体的に「意識」し続けていることが重要。そうして何かを「意識」することができるようになったら、次は同時にいくつかのことを「意識」するようにしたい。「設問」を正しく理解しているか? 「条件」を満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」している必要がある。
50分という時間で解き進めていかなくてはならない市川では、ひとつのミスが致命的になる。入試本番では、見直しの時間はないと思った方がいい。常に「意識」しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。

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2024年度「市川中学校の国語(帰国生入試)」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「論説文」、出典は村山綾「『心のクセ』に気づくには――社会心理学から考える」(文字数約3600字)。
小問は全4問(解答数5)で、出題形式は「選択肢」(「空所補充」、「組み合わせ」あり)、「抜き出し」(2問)。問題文は4分程度で読み切り、設問を12~13分で解きたい。
大問は「小説」、出典は冬森灯「うしろむき夕食店」(文字数約5700字)。
小問は全5問(解答数5)で、出題形式は「選択肢」(「総合的知識問題」、「不適切」あり)、「説明記述」(2問。「80字以内」・「60字以内」指定各1問)。問題文は7分程度で読み切り、設問を20分強で解きたい。
大問 は「漢字の書き取り」、小問はゼロ(解答数10。全て「書きとり」)。2分半程度で解きたい。
大問は「総合的知識問題」(「四字熟語」5問と「ことわざ」5問)。3分半程度でこなしたい。

【大問一】「論説文の読解」(「抜き出し」2問あり)

  • 難度:標準
  • 時間配分:26分

私たちの心は型にはまりやすい。しかも、その傾向に利点と欠点が存在する――不安や衝突を減らすための「心の特徴」を論じている。本文では、「公正世界信念」についての「心理学実験に関する内容を指摘している。専門用語はあるが、「※注」を活用すれば内容はすぐに理解できるはずだ。いくつかを検証してみる。

[問1] 「空所補充の語句選択肢」(全4問/4択/組み合わせ)。
空所に「入る言葉」の「組み合わせ」を答える。各選択肢は、「接続詞」などだ。こうした「空所補充」は本校に限らず定番の問題。特に「接続詞」では「逆接」はともかく、それ以外には十分に注意すること。
「逆接」以外だと、どれもがあてはまってしまう可能性があるのだ。単純に前後を読みつなぐだけではなく、それぞれの「接続詞」の「意味・用法」を的確に押さえた上で、「内容」を確認する必要がある。順に「答え」を確認していきたい。
には「逆接」の「接続詞」である「しかし」、には「二つを比べて、あれよりもこれを選ぶ」という意味の「副詞」である「むしろ」、には「順接」の「接続詞」である「このように」、 には「並立」の「接続詞」の「また」がそれぞれ入ると分かるはずだ。
よって、その「組み合わせ」になっている選択肢(イ)が「答え」になる。
「接続詞」の「逆接」以外では、いくつかの「候補」をしっかりと「代入確認」してから確定することが重要だ。
<時間配分目安:1分強>

[問3] 「内容説明選択肢」(4択)。
傍線部(2)「自分たちの力で状況をコントロールできた(生徒役を助けることができた)とも認識します」について、「実験参加者はこのことにより、生徒役に対してどのような印象を持つことになるのか」を答える。
「選択肢問題」は「消去法」が大原則。先ずは、「原意消去」を試みたい(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)。
本問は「内容説明」なので、各選択肢の「文末」と傍線部の「原意」とが結びつかないものを「消去」するのが基本だが(「選択肢」の説明で最も重要な要素は「文末」に記されている)、ここでは傍線部が直接問われているわけではないので、「同一意味段落」から「生徒役に対してどのような印象を持つのか」を読み解いていくことになる(「論説文」「説明文」では「同一意味段落」に「手がかり・ヒント」がある)。各選択肢では、「報酬条件」と「犠牲者条件」の指摘がなされているので、その視点で確認したい。
すると、傍線部の7行後に「『報酬条件』よりも『犠牲者条件』で、生徒役への否定的な反応がなされていました」と説明されている。したがって、(ウ)の「『報酬条件』の生徒役よりも、この生徒役に対して否定的な印象を持つ」が「答え」だと特定できなくてはいけない。本問は適用できなかったが、「説明選択肢」では先ず「原意消去」を試みることが肝要だ。
<時間配分目安:2分半>

[問4] 「空所補充の語句・部分抜き出し」(全2問/「3字」と「33字」指定)。
傍線部(3)「私たちはなにかの被害者や犠牲者となった人たちに『そのような目にあうのはあなた自身のせいだ』と反応する」について、示されている「このことについてまとめた【ノート】」にある空所    X        Y      に「入る語句」および「部分」を「指定の字数」で抜き出して答える。
「抜き出し」では、「抜き出し内容」を特定した上で「抜き出し範囲」を絞り込んでいくのが鉄則だ。
それぞれの空所前後から、「内容」を把握したい。「自分の力ではどうすることもできないということがわかると、   X 3字    が保てないうえ、  Y33字の最初の5字     であるので不安になる……」⇒空所はともに「自分の力ではどうすることもできない場合」の「状況」があてはまると分かるはずだ。「抜き出し範囲」は無論「同一意味段落」になる。ここでは本文全体が相当すると判断できる。長いが丁寧に探していくと、本文最初から6つ目の形式段落の後半に「自分ではどうすることもできない現実に直面し、自分の非力さを認めてしまうと、自尊心が傷つきます」とある⇒「自尊心」は    X    にあてはまり、字数もOKだ。また、その直後に「何の落ち度もない人たちを苦しめるような社会は、不安定で無秩序な状態……」という部分がある。33字で、内容も    Y     にふさわしいと分かる。したがって、「答え」は    X     =「自尊心」(3字)、    Y     =「何の落ち度」(5字)となる。
尚、「抜き出し候補」はひとつとは限らないので、必ず「範囲」全てをしっかりと確認することが肝要。
<時間配分目安:全問で3分>

【大問二】「小説の読解」(「説明記述」2問あり)

  • 難度:標準
  • 時間配分:28分
  • ★必答問題

2階建てのレトロな洋館に、ステンドグラスのはめ込まれた観音開きの扉。ドアの両側には2つずつ背の高い格子窓。そこから見える満月のような照明と、おいしそうな香りが漂ってきたら間違いなし。そこが「うしろむき夕食店」――“うしろむき”なんて名前だけど、出てくる料理とお酒は絶品揃い。きりりと白髪をまとめた女将の「志満(しま)さん」と、不幸体質の「希乃香(ののか)さん」が元気に迎えてくれる……。本文では、ラジオ局「シュトラジ」に勤める「私」(高梨彩羽たかなしあやは)が夕食店で番組収録をする様子が描かれている。平易な文章で内容はすぐに理解できる。「説明記述問題」だけをチェックしよう。

[問4] 「理由説明記述」(「60字以内」指定)。
傍線部(3)「はじめて聴いた曲かと思いましたよ!」について、「黒松はなぜこのようなことを言ったのか」を「60字以内」で説明する。
「同一場面」から「状況」を詠み取りたい(「同一場面の直前直後に根拠あり」が「小説」の「解法」の大原則だ)。
「私」がパーソナリティとして、「黒松さん」と「松嶋さん」が共演している映画についてトークをしている最中に、機材トラブルで「無音状態」となったので「放送事故」を避けるために「私」が映画の主題歌を歌い出したという「状況」が読み取れるはずだ。そして、その「歌」を聴いていた「黒松さん」と「松嶋さん」が「ぷっと吹き出し」、「笑いを懸命にこらえている」ことも分かる。その直後には「下手なのだ。きっと」「彼らが知っている主題歌と、私が今歌っているものには違いがあるのだろう」と説明されている。そのまま歌い切ったときに「はじめて聴いた曲かと思いましたよ!」と「黒松さん」が言って、「ウインクしてくれていた」。「黒松さん」が「咄嗟(とっさ)に突っ込みを入れてくれたおかげで、まるで最初からこういう演出だったかのように、笑い声に包まれて番組は終了した」とまとめられている。
こうした内容を過不足なくまとめていきたい。たとえば、「『私』の下手な歌に突っ込みを入れることで、放送事故直前の危機を乗り切った機転を評価し、その場を和ませようと考えたから。」(59字)といった「答え」だ。
「説明記述」では「最重要要素」(「理由説明」では「直接的理由」)を必ず「文末」とすること。

<時間配分目安:4分>

【大問三】漢字の書き取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:2.5分

「漢字の書き取り」、解答数10で全て「書きとり」。難易度は上位校としての標準レベル。本校志望者であれば「全問正解」したい。やや悩ましいものだけ確認しておく。

ニフダに住所を書く」=「荷札」⇒「文脈」を読めればできて当然。
「作家のセンレンされた文章」=「洗練」⇒「中学入試」の定番⇒「(詩歌・文章の表現が)よく磨かれて整っていること」という意味も押さえておくこと。
カンチョウの砂浜で貝を取る」=「干潮」⇒「同音異義語」に要注意。

<時間配分目安:全問で2分半>

【大問四】「総合的知識問題」(「四字熟語」5問と「ことわざ」5問)

  • 難度:標準
  • 時間配分:3.5分

「総合的知識問題」。「四字熟語」5問と「ことわざ」5問。
示されている①~⑤の「四字熟語」および⑥~⑩の「ことわざ」の空所に「入る漢字一字」を答える。本大問も標準的難易度なので、失点は避けたい。いくつかをチェックしてみる。

「意味□長」=「意味 深 長」⇒「意味するところが奥深く、含みの多いこと」だ⇒「意味慎重」ではないので注意したい。
「威□堂々」=「威堂々」⇒「態度や雰囲気に威厳が満ちあふれて立派なさま」だ。
「蛙の面へ□」([意味]どんなことをされても平気なこと)=「蛙の面に」。
「□に唾(つば)する」([意味]他人に害を与えようとして、かえって自分がわざわいを受けること)=「に唾する」。
「柳に□折れなし」([意味]柔らかいものは一見弱々しいが、堅いものよりもよく持ちこたるということ)=「柳に折れなし」。
本校では、「故事成語」「慣用句」などについても完璧にしておく必要がある。

<時間配分目安:全問で3分半>

攻略のポイント

●前述したように、本校の「帰国生入試」で最大の攻略ポイントは「読解問題」での「説明記述」と「総合的知識問題」だ。

「読解問題」に関しては、「出題形式」および「出題内容」は「一般入試」と同じで、難易度もさほど変わらないので、「一般入試」の「過去問演習」がポイントになる。しっかりとこなしておいてほしい。
「説明記述」では10~20字程度をひとつのブロックとして考えることが大切だ。得点を左右する「重要なポイント」・「必要な要素」は、それぞれその程度が目安になる。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしているポイントがその範囲に収まるようになるまで何度も練習することが肝要だ。

「論説文・説明文」では、「筆者の主張の要点を把握する力」を養成し、「それまでの自分の理解と筆者の主張はどのように違うのか、自分の考えがどのように変わったのか」などを考える主体的な態度が重要だ。
また、「小説」では、「登場人物の会話・地の文」で語られる仕草や反応、あるいは人柄や場面設定と表現の次元における多様な情報を総合して読む主体的な読解が求められると心得よ。

「総合的知識問題」については、「文」・「文節」・「単語」・「品詞」などの「文法」、「かなと漢字の知識」・「熟語の知識」・「語句の知識」、そして、「文学史」なども徹底的に習得し定着させておかなければならない。
合格ラインは7割程度(非公表、推定)。「総合的知識問題」での失点は致命的になると心得よ。

制限時間は50分。問題文のボリュームは全体で約9300字。いかに速く読み取れるかが勝負だ。分速800字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要。

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