市川中学校 入試対策
2018年度「市川中学校の理科」
攻略のための学習方法
市川中の理科の満点は、算数や国語と同様に１００点。従って市川中受験者は理科についても怠ることなくしっかり対策をする必要がある。全体的に問題のレベルは高く、計算問題や思考力を要求する問題も多く出題される。近年出題されているテーマは、力のつりあい・電気回路・光の反射・溶解度・水溶液と金属の反応・中和反応・人のからだの働き・昆虫・日食など。物理分野と化学分野の比重がやや高くなっている。すべての分野に苦手を作ることなくまんべんなく学習することが基本ではあるが、特に物理・化学分野の学習をしっかり行う必要があろう。基本を早い段階で定着させ、秋以降は計算問題・実験等に関する長めの文章を読んで答える総合問題演習を多く行って欲しい。過去問以外で演習に使う問題の選択については、塾の先生や家庭教師を利用するとよいであろう。
分野毎の学習法
生物分野
本年は植物に関する出題、消化のはたらきに関する出題、生物の進化に関する出題と、この分野からの出題例年以上に多かった。近年では、昆虫、人の誕生、植物の蒸散作用などが出題されている。この分野に関しては、各単元の基本をしっかり理解し覚えることが大切である。植物の光合成や呼吸、だ液の働きなどは、実験に関する問題やデータを読み取って答える問題も出題される可能性が高いので、一問一答形式以外の総合的な問題演習も多く行って欲しい。
地学分野
本年度はこの分野からの出題は見られなかった。しかし、来年度以降はこの分野からの出題も十分考えられる。過去には、月から見た地球についてなどレベルの高い問題もあった。この分野の学習として、月・星・太陽の動きに関しては、単なる丸暗記ではなく、理屈もしっかり覚えておきたい。また、地層・地震などが取り上げられる可能性もあるので、怠りなく学習しておきたい。
物理分野
本年はばねの伸びと浮力に関する出題および光の反射に関する出題であった。過去の入試でも物理分野の比重がやや高くなっている。力学（てこ、ばねなど）、電気、光に関しての出題が多い。単なる基本知識だけでは答えられない難易度の高い問題が出題される年もあるので、多少難しめの問題も含めてしっかり問題演習を積んでおきたい。
化学分野
物理分野同様、この分野も出題比率が高くなっている。本年はものの溶け方および金属と水溶液の反応に関する出題であった。ここ何年かにおいても、金属と水溶液の反応、ものの溶け方に関する出題が多く、金属の燃焼、中和反応等についての出題も多くなっている。この分野に関しても、問題集等を使ってレベルの高い問題も含めて練習を積み重ねておきたい。特に、ものの溶け方、金属と水溶液の反応、中和反応は出題される可能性が非常に高いので、しっかり練習して欲しい。
市川中入試で合格点を取れる力を身につけるためには、レベルの高い問題に対応する必要もあるが、何はさておきまずは各分野の基本をしっかり固めておきたい。基本がしっかりしてない段階で過去問や難度の高い問題に手を出しても、結局はなかなか得点できずに、もう一度基本に戻らざるを得ない状況に陥ってしまうだろう。早い段階で基本をしっかり固め、秋以降に本格的な市川中対策を進めて欲しい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2018年度「市川中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は７題、小問数は３５題程度で１００点満点。試験時間は４０分で例年通りであった。記号選択問題・適語を答える問題・計算問題が中心で、簡単な記述問題や作図問題も含まれる。問題数が多く、計算問題・記述問題・作図問題も多いので、４０分の制限時間はかなり短く感じられるであろう。過去問演習を行う中で、時間の使い方の対策を事前に考えておきたい。
【大問１】物理 ばねの伸び・浮力
- 難度：標準
- 時間配分：5分
- ★必答問題
（１）ばねの伸びとおもりの重さが比例することを利用して計算。
（２）円柱がまだ水につかっていない状態でのばねの伸びを使って求める。
（３）ばねBの伸びはばねAの伸びの半分。「水面から円柱Cの底面までの距離」が大きくなると、
浮力が大きく働き、ばねの伸びは小さくなる。
（４）実験の結果より、円柱Cの重さは８０ｇ、体積は１００㎤。円柱Cには浮力が１００ｇ働いている。
従って、１００－８０＝２０ｇの力でばねを引けばよい。
ばねの伸び、浮力に関する標準的出題で、確実に正答したい。特に（１）～（３）で得点できない場合、問題集やテキストの問題に戻り、「ばね」の単元の中の問題練習をもう少し重ねて頂きたい。
【難度：標準 時間配分目安：５分】
【大問２】物理 光の反射
- 難度：標準
- 時間配分：6分
（１）作図問題。入射角と反射角が等しくなるように作図する。
（２）作図問題。像２と目を直線で結び鏡と交わった点を点Aとする。
ろうそくから出た光は点Aで反射して目に届く。
（３）作図問題。ろうそくから出た光は鏡で２枚の鏡それぞれで１回ずつ反射して目に届く。
（４）入射角が３度変化すると、反射角は３×２＝６度変化することに注意。
光の反射に関する標準的出題。同様の問題はテキストや問題集で扱われているので、しっかり練習して頂きたい。
【難度：標準 時間配分目安：６分】
【大問３】化学 ものの溶け方
- 難度：やや難
- 時間配分：6分
- （１）水溶液が１００ｇであって、水が１００ｇではない。しかし、飽和水溶液の濃さは水が何gであっても同じなので、水１００ｇに対する溶解度５ｇを利用して計算すればよい。
（２）水が１００ｇの時は、１５－９＝６ｇが結晶として出てくる。
従って、６÷１１５×１００＝５．２１・・・・・より５．２ｇとなる。
なお、四捨五入に関する指示は、問題用紙の初めに【注意】として書かれている。
（３）（４）２０℃を４０℃に変えた時に溶ける量が４．８ｇ増えているが、これは物質Aである。水が１００ｇならば４ｇ増えるはずなので、１００×１．２より水は１２０ｇ。
水１２０ｇに対して溶ける物質Aの量は、４０℃と６０℃で７．２ｇ違うはずであるが、実験では溶けた量は４．２ｇしか変化していない。これは、６０℃では物質Aがすべて溶けきっていることを意味する。
ものの溶け方と溶解度に関する出題。（３）（４）がやや難問。（１）（２）は頻出問題であり、確実に正答したい。
【難度：やや難 時間配分目安：６分】
【大問４】化学 ものの溶け方・金属と水溶液の反応
- 難度：標準
- 時間配分：6分
- ★必答問題
（１）水に溶ける粉末はホウ酸と食塩、水酸化ナトリウム水溶液に溶けるのがアルミニウムの粉、塩酸に溶けるのがアルミニウムの粉と鉄粉、銅はいずれにも溶けない。
（２）食塩は温度による溶解度の差はほとんどないが、ホウ酸は温度を下げると溶解度が小さくなり、結晶が出てくる。
（３）銅は水・水酸化ナトリウム水溶液・塩酸いずれにも溶けないことから、最後に残る固体は銅のみになる。
（４）ろ液Cには食塩および温度を下げても溶けているホウ酸が含まれる。
ものの溶け方および金属と水溶液の反応に関する問題。知識を利用して、実験による粉末のふるい分けを考えるという、各校の入試でよく見かけるタイプの問題。今年度入試で合否を分ける１題と言える。この問題で点が取れていない場合は、金属の性質・塩酸と水酸化ナトリウム水溶液との反応などの基本知識をもう一度整理して頂きたい。また、同タイプの問題演習も問題集等で行って欲しい。
【難度：標準 時間配分目安：６分】
【大問５】生物 植物
- 難度：標準
- 時間配分：5分
- （１）「消化を助ける」という言葉から「酵素」と考えられる。
（２）ダイコンやカブはアブラナ科の植物で双子葉類。双子葉類の根は、主根から側根から伸びている。 - （３）ダイコン上部の色は葉緑体の色である。
- （４）サツマイモ・ゴボウ・ニンジンは「根」、カブとジャガイモは「クキ」が主な食用部分である。
植物に関する知識問題。双子葉類の根のつくりなどは絶対に正答して欲しい基本問題だが、やや細かい知識も問われている。
【難度：標準 時間配分目安：５分】
【大問６】生物 消化の働き
- 難度：標準
- 時間配分：5分
- ★必答問題
- （１）デンプン・タンパク質・脂肪の消化をするのはすい臓で作られるすい液、脂肪の分解を助けるのは肝臓で作られる胆汁である。
- （２）食物が通る順番は、口→食道→胃→小腸→大腸 となる。
- （３）胃はタンパク質の消化を行うので、胃を切除すると、たんぱく質の消化なでに影響がある。
- （４）口から食べた食物は、消化管のぜん動運動によって運ばれるので、通常は逆流することはない。
（４）は詳しい知識が必要だが、（３）までは易問。（３）までで得点できなかった場合は、人のからだの働きについてテキストでもう一度復習して頂きたい。各消化器官、消化液の働き、合わせて、消化した後の栄養の血液循環についても復習して欲しい。【難度：標準 時間配分目安：５分】
【大問７】地学 生物の進化
- 難度：難
- 時間配分：7分
（１）恐竜は陸上で生活し、肺で呼吸をしていた。
（２）息を吐くと、気嚢はしぼんだ状態になる。
（３）恐竜の一部が鳥類に進化したと考えられる証拠は、羽毛の化石である。
（４）進化の過程の中で、ほ乳類は横隔膜を使って呼吸をするようになった。
（５）問題全体の流れとして、呼吸のしくみの進化によって生物は繁栄してきたと考えられる。呼吸のしくみの進化が必要だったのは、当時は現在よりも酸素濃度が低かった等の理由が考えられる。
今年度入試の中で最も難しい内容の出題。生物の進化に関する知識と、問題文や図から考察する力も必要となる。
【難度：難 時間配分目安：７分】
攻略ポイント
受験者平均が３０点台で前年より難化している。計算を必要とする問題、思考力を必要とする問題、記述問題が多く、全体の問題量も少なくないことから、高得点は取りづらい出題となっている。ただし、知識さえあれば正答できる問題や基本的な計算問題等もある程度含まれており、ここでの失点をいかに少なく食い止めるかが大きなポイントになろう。大問は７題あるが、必ずしも解きやすい順番に問題配列されているわけではないことにも注意が必要である。試験時間は４０分で問題数も多いので、とりかかる順番や時間の使い方を意識する意味でも、過去問演習はしっかり行って頂きたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
市川中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー＝学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。