市川中学校 入試対策
2017年度「市川中学校の社会」
攻略のための学習方法
【問題構成】
大問数は3~4つ。それぞれが分野別に割り当てられる場合が多い。問題数や配点比率は年度により違いがあるが、2017年度では地理・歴史・政治経済でほぼ均等であった。総解答数は40~50問ほど。最新年度では42問中、記号選択19・適語記入21・記述2といった割合であった。
適語を記入する問題は全て漢字指定なので、人物名・地名・事件名・法律名など、極端に難解な用語以外は漢字で書けるようにしておくこと。
【地理分野】
統計資料や地図を用いた問題が毎年出されている。国内のデータはもとより、農産物や工業製品の輸出入など貿易に関する資料や世界の国々に関する地理なども出題されている。地図の読み取りも見られる。広い範囲からさまざまな内容が問われている。
まずは日本の国土や地勢・地名・産業・気候など、基本事項を丁寧に覚えていく。地図の読み取りも十分練習しよう。統計資料にもつぶさに当たり、新しいデータを取り込んでおく。
さらに、世界地理の問題も多く見られるので、特に貿易や過去の戦争などに関して日本と関わりの深い国の地理・産業や貿易のデータは頭に入れておこう。世界地図で国や地域の位置も正確に覚えてしまおう。
総じて、統計やグラフを用いた問題が多く見られるので、データの比較や読み取りがスムーズにできるよう、またデータの背景や理由を考えられるよう、類似問題で練習しておかれたい。
【歴史分野】
各時代からまんべんなく、人物や出来事・外国とのつながりや文化についてなど、幅広く訊かれている。図版などの歴史資料も多く用いられている。
人物・事件や文化・産業、貿易や外国との交流など、基本的な事項をまずはしっかり学習する。その際、資料集などで関連する史料や写真・図版などもよく確認して見慣れておく。時代順の並べ替えの問題も出されているので、年表などで時代の流れをイメージできるようにしておこう。
【政治経済分野】
政治の仕組みや日本国憲法などについて、時に細かい知識も問われることがある。時事問題を絡めて出題されることもある。
憲法の主要な条文を暗記し、立法・行政・司法の基本的な仕組みを頭に入れる。地方自治や選挙制度といった項目も出題されるので、油断なく学習しておく。
通常、歴史・地理に注力してしまいがちだが、本校は政治経済分野も同じくらいの比重で試験に出される場合があるので、この点でも油断のないように願いたい。
【記述問題】
字数制限はないが、だいたい50~60字程度でまとめられる内容である。単に用語を説明しただけでは済まないような問題が多い。事件の背景や出来事の理由を常に考えるよう習慣づけてしまおう。
【問題量と時間】
資料・統計の読み取りにかかる時間やリード文の量なども考えると、40分は少し短いかも知れない。一部に手間のかかる問題(選挙制度の問題・2017年度など)が出る場合もある。
時間のかかる問題は後回しにして、まずは解ける問題をひととおり終わらせるなど、ペース配分にも注意が必要である。
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2017年度「市川中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
リード文と資料の読み取りで問題の分量はかなり多く、40分では十分余裕があるとは言えない。計算に時間がかかる問題(選挙結果の計算・2017年度)などもある。
基本レベルの問題が多いので、できる問題をとにかく解き終え、手間がかかる問題や記述問題は最後にまとめて解くなど、時間配分を工夫しよう。
【大問1】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
船を題材に各時代のいろいろな事柄について訊かれている。
問二 選択肢ア~エはそれぞれ5世紀・紀元0年前後・1世紀・3世紀の出来事。
問三 遣唐使の派遣は630年~894年。飛鳥時代後半から平安時代の初めまで200年以上に及んだ。奈良時代・天平文化は唐の影響を強く受けた仏教文化である。
問四 御恩と奉公で結ばれた主従関係=封建制度。
問五 木綿の帆布は丈夫でよく風をはらみ、船の帆として適材であった。また、木綿の衣類が普及したことにより、衛生状態も向上した。
問七 朱印船の方が大きく、遠方まで航海するための船であったことがわかる。そのような船が必要でなくなった社会的な変化が江戸時代中期にあったのである。
問九 戦争とその結果・講和条約などの内容は混同しやすいので、最初に学んだ時にしっかり覚えてしまおう。
問十一 サイパン島は第一次世界大戦で戦勝国となった日本の統治下におかれ、南洋への玄関口として重要な地点であった。第二次世界大戦末期に激戦の末、アメリカの統治となり、日本への攻撃拠点となった。
<時間配分目安:12分>
【大問2】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
憲法や選挙制度について。
問一 (4)10年以上前の出来事が訊かれたりするので油断できない。歴代の総理大臣についてよく復習しておこう。
問二 選挙制度の変遷もよく試験に出る項目である。有権者の範囲など、正確に覚える。
問四 (1)極東国際軍事裁判はよく「国際」を省いて呼ばれるが、この際正式名称で覚えてしまおう。東京裁判でもよい。
問五 小選挙区制の欠点としてよく指摘されることである。
問六 計算に少し手間がかかるが、慌てずに説明の通りに計算すればよい。ここは最後にゆっくり解いたほうがよいだろう。
問七 ここも見慣れない問題なので最初は戸惑うかも知れない。結局5つの票がa・bどちらの党に入ったのかを論理的に考えていく。条件1「aの全ての政策が過半数の指示を得られなかった」とあるから(②)・(④)はbに決定する。最終的にaが勝ったのだが、有権者2・3ですでに2票あるのであと1票必要。条件1から、(①)・(③)にはa・bがひとつずつ入るのだが、(③)がaではaの1票にならないので、これで(③)はbと決定する。
問八 こういう問題は設問の指示通り、グラフから読み取れることだけを選べばよい。一つずつ確認していけば難しくない。
問十 いろいろな立法が違憲ではないか審査する権限=違憲立法審査権。全ての裁判所が有する権限である。
問十一 国民が国に対して要求できる権利=請求権である。そのうち、地方自治では署名で要求を通すことができる、直接請求権が認められている。国政では国会の解散や総理大臣の不信任は、選挙で選ばれた国会議員を通して間接的にしか行えないのである。
<時間配分目安:15分>
【大問3】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
ブラジルを中心の話題として、貿易や国内の産業などについても訊かれている。
問二 ブラジル・ロシア・インド・チャイナ・サウスアフリカでBRICS。
問三 アのオーストラリア・ウのアメリカはすぐわかるとして、残りふたつはどうか?
カナダが鉄鉱石2位とは聞いたことがないはずである。よってイがブラジル。
問五 輸送用機械出荷額はトヨタ自動車・オートバイや自動車部品工場・横浜港からの輸出などの事由で愛知・静岡・神奈川が上位3県。群馬県は最新版では4位に位置している。
問六 地図の読み取りは慣れも大きいので問題を多くこなしておこう。
問九 生乳生産量1位は北海道ですぐわかる。あとは豚頭数とキャベツをみれば判断できるだろう。
問十一 政令指定都市が無いのが沖縄と東京。3つあるのは横浜・川崎・相模原のある神奈川県。
<時間配分目安:13分>
攻略ポイント
基本事項の問題が多いので、まずはここを落とさず確実に答えられるよう、テキストを丁寧に学習する。
統計資料も多く使われているから読み取りや数値の意味の捉え方など、多くの問題でコツを掴んでおきたい。使われる資料の数・リード文の長さなどを総合すると、全体的な問題量は多めであるため、スピードも意識して。
記述問題対策として、出来事や制度の理由・背景など考える習慣をつけよう。
記入は漢字指定なので、書けるように練習すること。
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