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女子学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「女子学院中学校の理科」
攻略のための学習方法

答案作成力

答案を作成する能力のうち、注目したいのは、速度と精度の、2つの能力だ。これらの能力は、一朝一夕には身につかない。単純な知識の暗記であれば(一問一答であれば)、直前の対策でも、生徒に身につけさせることはできる。しかし、答案作成能力は、短期的には伸びにくい。長期間の学習によって、少しづつ身につけていくものだ。

したがって、女子学院の志望者は、受験の早い段階から(理想的には小学5年生の後半から)、本番を想定した学習を心掛けたい。
具体的には、標準的な演習問題を解く比率を増やし、解答速度を上げておこう。中学受験のカリキュラムは、知識の暗記に時間がかかるので、演習まで手が回らなくなりやすい。そのような形で、演習量が不足してくると、いざ女子学院の過去問に取りかかる時には、問題は解けるが、時間が足りない状態になり、焦ってしまうだろう。

そうならないために、基礎知識の暗記では満足せずに、積極的に演習まで挑戦していってほしい。学習時間を増やすことにはなるが、その演習の成果は、受験の本番が近づいてくれば、はっきりと現れてくる。

生活環境の観察

設問には、小学生の生活環境で出会いそうな題材が選ばれている。ここで問われているのは、志望者が、生活環境とのやりとりの経験から、知識を深めているかどうかだ。

例えば、【大問3】の3の(1)から(3)は、温度による科学現象を題材にしている。正答するためには、科学的な目で、家庭内にある物質を観察した経験が、求められる。

現代社会は、何気ない暮らしのなかに、いくつもの科学法則がそれとなく潜んでいるので、観察する機会には困らないだろう。実験授業や理科教室も、各地で開催されている。
それでも、もし実験の経験が不足していると感じたら、担当の家庭教師に、おすすめの理科の実験教材を紹介してもらってもいいだろう。授業を提供して終わりではなく、子どもの学習状況に合わせて、学習全体を支援できる点に、家庭教師の強みがある。

計算の工夫

計算力には、いくつか確認しておきたい点がある。
まずは、試験時間40分の間、細かな数字を扱い続けても、息切れしないだけの持久力が求められる。設問数が多いので、単純に手をすばやく動かしていかなければならない。一問一問を解く速度を上げながら、試験の後半になっても速度が落ちないことが求められる。

また、細かい小数点以下の計算になった場合でも、計算の精度が落ちないかも気になる。この点は、小学校5年生の段階から、計算練習を積んでおけば、準備がしやすい。

最後に、試験時間内に、迅速に見直しができるように、式を整理して書き残しておく習慣が欲しい。もし、間違った解答を見つけても、あらたまって計算式を書き直している時間は、本番にはないはずだ。
志望者に求められる計算力としては、本校において、【大問4】の(1)から(5)の計算問題が、基準になるだろう。過去問の演習において、時間が足りなくなってしまったり、計算式が立てられても、計算結果を間違えてしまった場合は、計算力を改善しておきたい。

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2016年度「女子学院中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は40分で、得点は100点満点だ。大問数は4問で、分野ごとに一応は整理されているが、単元にはばらつきがあり、幅広い知識を確認しようとする。設問数は55問で、非常に多い。一問一問をすばやく解いていく、手作業の早い受験者が有利になる試験構成だ。

【大問1】 地学分野からの出題

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

単元:火山、天体

内容:地学分野の知識を、幅広く確認しようとしている。難易度は、高くないが、資料や設問文の読み取り時間を、減らしておきたい。

形式:一問一答形式、資料読解形式、短い記述形式、が混合されている。
(2)科学法則の暗記ではなく、理解が求められている。30字程度の記述が、すらすらと書けるようになっておきたい。
(3)教科書の知識だけではなく、最新の科学のニュースにも敏感になっておきたい。

【大問2】生物分野からの出題

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

単元:動物、微生物、生態系

内容:食物連鎖と栄養を題材にして、生物分野の知識が、幅広く問われている。

形式:一問一答形式、資料読解形式、短い記述形式、が混合されている。
(1)食物連鎖のピラミッドでは、捕食者の個体数は、被食者の個体数よりも、必ず多くなる。この知識を、ダニの事例に活用しよう。

【大問3】化学分野からの出題

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

単元:燃焼、水溶液の性質

内容:実験を通して、さまざまな物質の知識を問おうとしている。

形式:一問一答形式、資料読解形式、短い記述形式、が混合されている。
(2)知識を細かな部分まで覚えておかないと、対応できない設問だ。受験者の学力を判定する良い基準になる。過去問を解いていて、ここを間違えてしまった場合は、暗記が甘いと考えたい。

【大問4】物理分野からの出題

  • 難度:
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

単元:電気回路、電気と熱

内容:物理分野から、電気器具のしくみを理解できるだけの知識を確認しようとしている。細かな計算が連続するので、集中力が切れないようにしたい。

形式:一問一答形式、資料読解形式、計算問題、が混合されている。ここまでで、問われていない設問形式はない。すべての形式への対応が求められていることを、確認しておこう。
(1)から(5)受験者の計算力の基準となる設問だ。全問正答できるだけの計算力に、本番までに到達しておきたい。

攻略のポイント

難問と呼ばれる設問は見当たらず、いずれも標準的な解法を用いれば、正答できる。きちんとした学習習慣があれば、答案を埋めること自体はやさしい。合否を決めるのは、解答の速度と精度になり、着実に作業ができる受験者が有利になる。また、理科の得意と不得意によって、差がつきにくい試験でもあるので、受験者との相性も考慮したい。

対策としては、難問の演習量を増やしても、あまり効果がないだろう。むしろ、過去問の演習量を増やして、答案の作成に慣れておきたい。難問が解けるようになるよりは、答案全体の正答率を上げていく方針をおすすめする。

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