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城北中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「城北中学校の理科」
攻略のための学習方法

城北中理科の満点は70点、知識問題、計算問題、問題文・グラフ・表等を読み取った上で答える問題がバランスよく配分されている。適語を答える問題・記号選択問題・計算問題・グラフや図を描く問題が中心、記述問題は見られなかった。

攻略のための学習法としては、早い段階で基本知識を確実に固めること。夏休み終了までの時期を目途に知識をしっかり固めて欲しい秋以降は、計算問題や実験・観察問題を中心とした問題演習をしっかり積んで欲しい

実験器具の使い方について出題されたこともあるので、念のためしっかり学習しておくこと。分野毎の学習法は次の通りである。

<分野毎の学習法>

生物分野 

本年度はタンポポやキクなどキク科の植物に関する出題で、基本的な知識問題とグラフの読み取り問題が中心であった。ここ数年を見ると、人のからだの働き、植物の働きなど幅広い単元からの出題が見られる。この分野の学習法としては、植物の分類・つくり・はたらきを中心に、人のからだの働き、動物の分類など生物に関する基本知識をしっかり固めることが最優先である。また、光合成・蒸散・だ液の働きなどの実験や観察について考えるタイプの問題演習もしっかり行って欲しい。

地学分野 

本年度は湿度と雲のでき方に関する出題であった。飽和水蒸気量と湿度に関する出題であった。過去の出題傾向を見ると、今年度同様湿度や飽和水蒸気量についての問題および、月・日食と月食・地球の公転・火星など天体に関する問題の出題頻度が高い。

この分野の学習方法としてまずは、太陽・月・星の動きを中心に基本事項をしっかり固めることに力を入れて欲しい。天体の動きに関しては、なぜそのように動くのかの理屈を理解した上で覚えること。湿度や風の吹き方など気象に関する問題や地層・岩石・地震に関しても知識をしっかり固めて欲しい。

物理分野 

本年は物体のつり合いおよび電気回路、大問2題の出題であった。ここ数年の出題傾向を見ると、滑車のつり合いや浮力など力のつり合いに関する出題が多く、電気回路に関する出題も見られる。この分野の学習方法としては、ばね・てこ・滑車・振り子・浮力などの基本知識を身につけた上で、計算問題の練習をしっかり行って頂きたい。多少難度の高い問題も含めて演習量を確保したい。電気・光・音についても、演習を通じて理解を深めて欲しい。

化学分野 

今年度は水とアルコールの状態変および中和反応に関して、大問2題の出題であった。ここ数年では、気体の発生を中心とした化学変化に関する出題頻度が高い。この分野の学習方法としてまずは、水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を固め、中和・溶解度などの計算問題演習をしっかり行って欲しい

実験器具 

過去には顕微鏡の使い方など実験器具の使い方についての出題も見られた。顕微鏡、上皿てんびん、ガスバーナーなど実験器具の使い方や実験の進め方についての学習にも力を入れておきたい。

過去問演習は時間も意識して取り組んで欲しい。その上で、できなかった問題についてはしっかりその原因分析を行い、同じ間違いをしないように対策して欲しい。分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用して頂きたい。

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2022年度「城北中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は6題、小問数は30題程度で70点満点、試験時間は40分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、グラフや図を描く問題も見られた。

知識も必要だが、思考力や計算力を試す問題も多い。問題の配列は昨年同様に、物理⇒化学⇒生物⇒地学 となっている。試験時間に対して問題数がやや多いので、素早い処理能力も求められる。

【大問1】物理  物体のつり合い

  • 難度:
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

問1 水平につり合ったひもの位置から、この物体の重心はEF上のどこかと考えられる。

問2 AE:EB=4:1 より、点Aにかかる重さ:点Bにかかる重さ=1:4 となる。

問3 重心の位置を図に描き入れる問題。重心はEFの中心になる。

問4 ひもの真下に重心がくるようにつり合う。

問5 200gの物体なので、当然200gを示す。

物体のつり合いに関する出題。問1・問4でやや迷う可能性があるが、城北中受験生にとっては易問が並んでいると言える。しっかり得点しておきたい。

【大問2】物理 電気回路

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

問1 スイッチⅠがa、スイッチⅡがdにつながると、回路に電池がつながらないので豆電球は光らない。

問2 スイッチⅠがb、スイッチⅡがe、またはスイッチⅠがc、スイッチⅡがfにつながると、電池の同じ極同士がつながるために、豆電球Aが光らない。問1の場合と合わせた3通り以外の6通りでA、Bともに点灯する。

問3 Aの方が明るく光るのは次の2つの場合 ①Bがもう一つの豆電球と並列につながり、Aにも電流が流れる ②Aに電池2つが直列につながっている。

電気回路に関する出題。スイッチのつながり方が全部で9通りあるので、その9通りについて回路図を手早く作成し、それを見ながら解答すること。

【大問3】化学 水とアルコールの状態変化

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

問1 水が気体の水蒸気となりガラス管を通過する。

問2 水蒸気はビーカーの中の水で冷やされ、液体の水に戻る。

問3 気体となったアルコールがガラス管を通過、その後ビーカーの水で冷やされ液体のアルコールに戻り、水に溶けていく。

問4 80℃でアルコールが沸騰する温度になっているので、水蒸気も通過するが、アルコールの気体の方が断然多い。

水とアルコールの状態変化に関する出題。選択肢でやや迷うものもあるが、特に難問ではなく、しっかり正答したい。

【大問4】化学 中和反応

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

問1 塩酸A50mLと水酸化ナトリウム水溶液B50mLで中和して5gの塩化ナトリウムが生じるので、3.5gの塩化ナトリウムを生じるためには、水酸化ナトリウム水溶液Bを35mLにすればよい。40mL加えると4gの塩化ナトリウムが生じてしまうことに注意。

問2 グラフを作成する問題。合計量を100mLにするので、塩酸の量が50mLから100mLまで変化させると、水酸化ナトリウム水溶液の量が50mLから0mLまで減ってしまう。結果として、生じる塩化ナトリウムの重さは5gから0gまで減っていく。

問3 塩酸Aの量:水酸化ナトリウム水溶液Cの量=1:2で完全に中和する。塩酸が40mL、50mLではこの条件よりも塩酸が多くなり、酸性となる。

問4 グラフを作成する問題。塩酸Aの量が約33mLのときに中和し、その時に生じ    る塩化ナトリウムは約3.3gとなる。

塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和反応に関する出題。中和の計算問題としてはレベルの高い問題ではなく、比較的考えやすい。計算問題・グラフの作成問題、いずれも日頃の練習が十分できているかで明暗が分かれる。

【大問5】生物 キク科の植物

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

問1 タンポポなどが冬に葉を広げた状態を「ロゼット」という。また、タンポポは双子葉類・合弁花である。

問2 (1)連続した暗い時間が10時間30分以上のものを選択すればよい。選択肢ウも日にちをまたいで暗い時間が14時間になることに注意。

   (2)つぼみを作る条件は暗い時間が10時間30分以上なので、昼の長さが13時間30分より短くなればよい。グラフより、その時期は8月半ばになる。3月半ばに開花させるためには、その2か月前の1月につぼみを作る条件を満たすように明るさを調節すればよい。

問1はタンポポについての知識問題で、確実に正答したい。問2はキクがつぼみを作る条件に関するグラフの読み取りと考察問題。

【大問6】地学 湿度と雲のでき方

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

問1 乾湿計を使った湿度の求め方に関する問い。気温は19℃。湿球との温度差が2℃あるので、表より湿度は81%。

問2 (1)A地点は19℃で81%。19℃における飽和水蒸気量は16.3g/㎥なので、この空気1㎥に含まれている水蒸気の量は、16.3×0.81 より約13g。この空気がB地点から雲を作り始めたので、飽和水蒸気量が13gになったと考えられる。その温度は表より15℃。

   (2)A地点より4℃気温が下がったので、A地点より400m高い1600m。

問3 標高2400mでの気温は、問2のB地点での数値を用いて計算すると、15-0.5×(2400-1600)÷100×0.5 より、11℃。

問4 気温:11+1×(2400-200)÷100 より、33℃。

   湿度:D地点では湿度が100%なので、水蒸気量は、表より10.0g/㎥。

   また、33℃での飽和水蒸気量は35.6g/㎥。従って、10÷35.6×100 より、約28%。

湿度と雲のでき方に関する出題。山を上り下りする空気の気温については中学入試で度々問われる内容。雲のあるところとないところで温度の変化の仕方が異なることに注意して計算すること。飽和水蒸気量や湿度の出題は過去にも本校で見られた。計算問題の練習に力を入れて欲しい。

攻略のポイント

2021城北中第2回入試は例年通り4分野からの出題で、実験や観察に関するリード文・グラフ・表を読み取った上で答える問題が中心であった。40分の試験時間に対して問題数がやや多い。際立った難問はないが、全体をよく見た上で、解きやすい問題から解答欄を埋めていくことも攻略のための大きなポイントとなる。

また、計算問題が多いが、知識で解答できる問題も多い。しっかりした知識を早めに固め、計算問題や実験・観察問題の演習量確保が攻略のための最大のポイントとなる。

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