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城北中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2015年度「城北中学校の算数」
攻略のための学習方法

城北中学の算数は、男子校らしい問題の難易度と適切な問題量を持ち、毎年多くの受験生に受け入れられているオーソドックスな内容である。
しかし、以下の特徴を持っていて、そのための対策を施しておく必要が生じている。
1つは、年度によって「問題の難易度が大きくことなる」こと。合格点にも大きくかかわってくるだけでなく、対応する受験生側にも負担となる部分である。しかし、この2年間の問題水準は安定しており、平均点も60点台と理想的なので今後はこのレベルで安定するものと予測する。
もう1つは、頻出である「図形問題への対応」である。もともと図形問題と一括すればいろいろな分野がふくまれているし、他校においても図形問題が複数出ることは当たり前であるが、城北の場合は問題数の半分近くを占めることがあり、図形分野の得意不得意が合否に大きく影響することは想像に難くない。こちらは細かく述べる。
「図形」問題への対応に関してはやはりテクニック的なことに触れることになる。
「和差算なら線分図」「平均なら面積図」というように、問題 の内容によって典型的な解き方というのが存在し、その解き方を身につけるために日々勉強を続けているわけだが、図形の場合は「円の面積なら半径×半径×円周率」という公式の暗記だけでは解けないことが多い。ことに城北の算数で単純に円の面積を求めさせることはあり得ない。同様に、ありたきりの公式暗記は必 要条件ではあっても十分条件ではない。

ポイントはもう一つ上のランク、「やっておきたい作業」の習得となる。
たとえば、平成26年度大問【2】の(1)。「折り返した図形において、等しい角度にはしるしをつける」ができているだろうか。また、(4)においては「必要な部分の展開図を書いて直線を引き、相似形を用いて解く」。特に 展開図を書く作業。展開図も6面全部書くのではなくて直線が引かれている2面だけで十分という選択。さらに、(6)において「中心Oと弧上の点Qを結ぶ」 作業も。実は(6)では結ぶ必要がなく、逆にそれにこだわると解けなくなってしまうのだがそれは結果論であって、そういった作業が解く過程において思いつ けるかどうかが大切である。それが間違いだとしても、だ。

図形の問題は、特殊算と違って解き方を覚えたからと言って必ずしも解けることは限らない。だからこそ、「図形問題にはひらめきが必要だ」などとまことしやかに伝えられ、それを一概に否定することはできないけれど、まずは正解する可能性が高くなる作業は出来るようになっておきたい。
今回実例に挙げた以外にも、図形問題「解法のテクニック」はいくつも存在するだろう。公式を超えて、それらもしっかりと自分のものにしておきたい。

さて、「城北中学合格のための勉強法」をまとめると
・過去問を解いて自分の力との兼ね合いを図り、おおよその合格ラインを見据え、それに合ったレベルの問題をたくさん解く。
・図形の問題では直感に頼った解き方ではなく、テクニックとして必要なものの中からいつでも必要な作業を取り出せるようにしておく。
・基礎的な問題が解けるだけでは合格点には到達しない。一行問題集のレベルから早く脱して、標準的な文章題に対応できるポジションまで到達しておきたい。

城北中学の算数は総じてオーソドックスな問題が多い。特殊な勉強法は要らないので過去問に取りかかるのは力が十分ついた秋からで間に合う。それまでにどの分野から出されても高い正答率を持って問題にあたれるよう地道に力をつけておきたい。
易しくはないが決して困難ではない、城北中学の問題に真っ向から挑戦してみよう。

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2015年度「城北中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が17。出題数・量は例年並みだが、昨年度・本年度は問題の難易度が低く、受験者平均も高かったことから、時間が足りない・考えても分らないと言うことはあまりなかったと思われる。
大問【2】は総じて平易、大問【3】から【5】までが勝負問題となる。
ただ、年度によってかなり難易度が異なるので、本年度のものが出来たからそれだけでどの年にも通用すると言うことはない。

【大問1】計算問題

  • 時間配分:5分

(1)分数と小数が混じった計算問題はいつも迷うものだ。どちらにそろえようか?「分数にそろえろ」と言われている、などと目くじらを立てずに「たし算・ひき算は小数に、かけ算・わり算は分数に」というのが常道。どちらにそろえてもあまり苦労はしなかったろう。
(2)は1.23に目をつけて、計算の工夫をして解く問題。2.46や3.69が1.23の倍数関係にあることがわからない生徒はいないだろうから、()でくくったあと、うまく処理できたかどうかが課題になる。

【大問2】割合と比・角度・図形の移動・小数・場合の数・平面図形(底辺と面積の比)

  • 時間配分:12分

(1)から(6)まで、どこかの問題集で見かけたような、標準的な小問が並ぶ。最低でも、5問は正解しておきたい。

(1)が最も手が出しにくいかもしれない。比を用いる解き方をするので解き方も複数存在する。タンクAの貯水量11を配水量1でわってかかる時間を11とすると求めやすかったようだ。
(2)は毎年出される角度の問題。ひし形の性質を知っていれば、受験まであと2年くらいある生徒でも解けたのではなかろうか。
(3)もまた典型的な回転移動の問題で、等積移動してから中心角に気をつけて答えを出したい。3.14の式をまとめるのも忘れずに。
(4)はある数を①として式を立てて求めるのが普通。虫食い算は時間がかかる。
(5)は並べ方の問題で、百の位が1のときと2のときをていねいに全部書いて調べる。
(6) もまた典型的な問題。しかし、点差がついたとみた。補助線を引いて三角形内を3つに分けて解くのが普通だが、これが身につかない生徒が意外と多い。間違えた生徒は反省して解き方をしっかり覚えたい。

【大問3】速さの問題(図形の移動とグラフ)

  • 時間配分:5分

ここで速さの問題が入るのはいかにも「城北」的でよいのだが、問題が少し易しすぎないか?生徒もこちらも拍子抜けだ。(3)のイの答えが整数ではないところで「これでいいのかな?」と首をひねる程度。あとは基本問題としてあっさりと処理できる。

【大問4】立体図形(角すいの問題)

  • 時間配分:6分

これもまた既視感あふれる問題であり、しかもその中では平易な部類に入るレベルである。
立体の切断も切り口が「台形」では…そんな調子で(3)まで続いていくので計算の工夫をうまく使って求めなさい、くらいしか言うことが残っていない。
もちろん、間違えた生徒は猛省である。

【大問5】数の性質(分数)

  • 時間配分:6分

【大問4】同様、当てが外れた問題。本年度は最後まで難易度が上がることはなかった。受験生たちは「よくできた」と思うと同時に、平均点の高さを想像し、苦しんだのではなかろうか。
時間は十分余っていると思うので、文例を見ながら問題を理解していけばよい。
ようするに、「約分できる分数」を取り除いていけばよいのだと。
(1)は瞬殺。(2)(ア)はすべて書き出す分だけ面倒だが時間は有り余っているのだ。あせることはない。(イ)の方は分母が大きい分数同士の差が最も短くなるとわかれば、(1)同様、瞬殺できたかもしれない。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。27年度は、平成26年度に引き続き易しい出題となった。
受験者平均は59点、合格者平均は76点なので、70点前後が合格ラインとすると、大問【2】の(1)(6)、大問【3】以降で若干の失点があっても合格点に達する。「後半難問があるときの城北」では厳しかった生徒でも、この内容なら十分手が出たであろう。逆に算数に磨きをかけてきた生徒は残念、腕の見せ所がなかった。満点を取って他の科目に余裕を与えるくらいしかなかったかもしれない。

城北中1回の入試問題は、難易度の設定が一定しないのが特徴だったが、この2年間の問題傾向は安定しており、このレベルのまま推移する可能性が高そうだ。そうなると、勉強法もある程度決まってくる。
・塾の教材や市販の問題集などで中程度の問題をしっかりこなし、正答率を上げておくこと。
・分野的には「図形」がメイン。角度や円の面積など、具体的数値を出す問題に多く触れること。
・過去問を何年分か解くと、易しいときと難しいときのちがいに辟易するかもしれない。しかし大切なことは合格点まで解けることだ。難しい年度では受験する皆が出来ないのだから、城北合格のための水準はぶれていない。

城北中学は毎年高い大学合格実績を誇る文字通りの進学校である。
合格するための努力は惜しげなく費やしたい。
通常の勉強と過去問対策を十分にこなし、合格ラインを悠然と超えられるようがんばってもらいたい。

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