城北中学校 入試対策
2017年度「城北中学校の社会」
攻略のための学習方法
特徴と内容
城北中の社会の入試問題は、毎年ほぼ一定のパターンで出題されている。
大問は3つ。それぞれに小問10~20問が含まれて総解答数は50~55問程度。
多くが記号選択問題で、そのうち10~15問ほどが用語・人名記述となっている。長い記述問題はこれまで出されていないので、まず心配しなくて良い。テスト時間は40分で1問に1分はかけられない。テンポよく解いていくスピードが必要とされる。
内容は、大問それぞれが歴史・地理・政治経済とわかりやすく区分けされており、特に歴史と地理に重点が置かれている。
歴史は日本史に限定されていて、範囲は縄文時代~近代まで、政治に関連した問題が多いが、最近は文化についての問題も出されるようになった。城北の歴史は高レベルの問題が見られるので、出来事に関わる人名・年号・関連事項もまとめてよく覚えておくとよい。資料集も活用して歴史に関わる地図なども見ておきたい。
地理については地図とグラフをよく見ておくこと。地図帳でこまめに地名を確認し、白地図で地形・気候・産業等を整理しながら、資料集で主要な統計は暗記しておく。また、地形図の読み取りも出題されているので、練習が必要である。内容は日本地理が中心ではあるが、日本地理に伴って世界地理も問われるといった問題も出されているので、一通りは勉強しておくように。
政治経済は、毎回あるテーマに沿って問題が作られる。出題範囲は広いが、中でも日本国憲法の基本事項を理解しておくとよい。特に、基本的人権と行政・立法はよく出題される傾向にあるので細かい部分まで覚えておくようにする。
テーマに沿った問題構成
上でも述べたが、地理や政治経済の問題は、あるテーマに沿った構成になっている場合が多い。
このような問題では、そのテーマに関連する事項がすぐ頭に浮かぶようにしておいた方がよい。そのためには、やはり単純な用語ばかりの暗記だけでは足りず、もう少し深い知識が要る。
面倒がらずに、関連事項も頭にいれておくこと。
城北の選択式問題の特徴
城北の問題は記号選択式が多い。
当然、中学入試の一般的な問題も出されてはいるのだが、実際に過去問に目を通してみると、かなり難しいという印象を受けるのではないだろうか。それは、その事項についての正確な知識が無いと正解出来ないように選択肢が作られているからだ。
設問の中にあまりテキストに出てこない、初めて見聞きするような話題や用語が使われている場合もある。
たとえば、「奈良時代の農民への稲もみの貸し付け」などという学校では習わないような細かい話題に触れられていたりする。
しかし、慌ててはいけない。しっかり勉強してあれば、自分の持っている知識で正誤を判断できる選択肢(つまり正解)が必ず一つはあるのだから。正解は、後で知ってみると意外に簡単だったりする。選択肢で使われている言葉のひとつひとつをしっかり読んで、正解を選ぶ手がかりとなる「一言」や「部分」に気づけるかどうかが、大きなポイントとなるのである。
時事問題にも注目
時事問題で新しい話題についてもよく出題されている。地理や政治経済、社会に大きな影響を与えた出来事などについて、ニュースで注意してみておこう。重大ニュース集・時事問題集に目を通すのも有効である。
本文と問題文を合わせると字数も多い。手際の良さも要求されるテストなので、過去問でどのくらいのスピードで解けばよいのか実感として把握しておこう。なお、人名・用語は「漢字で」という条件がつくので、漢字で書けるようにしておくこと。
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2017年度「城北中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数53問のうち、適語記入は14問であとは記号選択となっており、記述問題は出題されていない。単純に計算すれば1問45秒ほど使えるが、全体の文字数は多めであり、選択肢中の単語ひとつひとつに注意して読まねばならないので、あまり時間に余裕は無いと思った方がよい。
40分間、ほぼ同じ形態の設問が続くことになるので、集中を切らさずに最後まで目を通せるよう、似たような形式の問題で練習しておきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
- ★必答問題
水資源に関連して、国土やエネルギー問題について訊かれている。
問一 流域面積は水(雨・雪)がその川に流れ込む範囲を平面に広げて計算したものである。支流が多く枝分かれしているような河川は流域面積が広くなる。
問二 江戸川は分流として利根川水系に含まれる。
問四 ア・エは気温の低さや冬の降水量から北海道・新潟とわかる。大阪は瀬戸内気候に属するので東京より雨が少なく夏は暑いという点で、ウが選べる。
問五 統計の数値は変わることがあるので、常に最新の数字をチェックしておこう。
問六 選択肢の細かい文言に注意が必要な典型的な問題。選択肢エの「一気に」というたった一語の誤りを見落としてはいけないのである。
問八 ちなみに国土に占める丘陵地・山地の割合は約75%。森林面積と混同しないように覚えてしまおう。
問九 東日本大震災以降、原発はほとんど稼働していないので、その分火力発電が増えている。水力発電はほぼ一定で8~9%ほどである。
問十 谷の幅が狭く川の高低差が大きい、日本各地の山岳地域に多く作られている。
問十一 (北から順に)愛知用水―知多半島・明治用水―岡崎平野・豊川用水―渥美半島という組み合わせを暗記してしまおう。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:16分
- ★必答問題
平安時代~大正時代までの様々な事物・人物について。
〈2-1〉
A.関東に勢力を持ち、新皇と名乗った→平将門。
B.遣唐使廃止を訴え、大宰府に流刑→菅原道真。
C.武士として初めての太政大臣→平清盛。
問一 墾田永年私財法は聖武天皇の時。
問三 鑑真は唐から日本に渡ってきたのでアは誤り。
〈2-2〉
A.能・書院造などの用語から室町時代。
B.平家物語・金剛力士像などから鎌倉時代。
C.儒学・学問所などから江戸時代。
問六 書院造は違い棚・床の間などの造りがある建築様式。
問七 東大寺は奈良県にあるのでエ、湯島聖堂は東京・御茶ノ水駅近くにあるのでア。
〈2-3〉
問九 石見銀山は島根県にあるのでアは間違い。
問十 秀吉は貿易を禁止しなかったのでエがおかしい。
問十三 江戸時代の改革としては主に、正徳の治→享保の改革→田沼意次の改革→寛政の改革→天保の改革という流れと、指揮した人物・主な内容を整理しておこう。
〈2-4〉
日露戦争(1904年)・第一次世界大戦(1914~)など、年号をしっかり覚えておこう。その結果として支配地域も変わるので、講和条約の主な内容も整理しておこう。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
内閣・国会や公務員について。
問一 内閣が出すのは政令。
問二 予算は衆議院に先議権がある。最高裁判所長官は内閣が指名して天皇が任命する。
問四 国務大臣は内閣総理大臣が任命する。その際、天皇が「認証」する。
問五 総務省の業務は多岐にわたるのでよく調べておこう。
問七 解散総選挙のあと内閣は総辞職し、新しく選ばれた総理大臣により新たに組閣される。
攻略のポイント
● 基本的な問題が多く難問奇問は出題されないが、選択肢の内容が細かいことまで書かれていて、生半可な知識で選ぶと迷ってミスしやすくなっている。見慣れない用語や話題も含まれる場合があり、ここで焦ってしまう人も多いだろう。選択問題だからと気軽に受け止めてはいけない。
合格者平均点は7割前後なので、14~15問のミスは許される。迷いそうな問題は後回しでとにかく最後まで目を通すこと。
● まずは選択肢を正確に読むこと。正解の手がかりが「ほんの一言」や「ある一部分」にある場合が多いので見落としてはいけない。落ち着いて一語一語に集中して考える。
● 選択肢の中に初見の情報が出てきたとしても、どこかにある数少ないヒントを見逃さなければ、正解できる。そのためには重要語句を一通り覚えたくらいでは力不足である。テキスト・地図帳・白地図を活用し、周辺事項も含めて知っておかなければならない。
極端に難しい勉強が必要な試験ではない。学校や塾での学習に、しっかり丁寧に取り組む「真面目」な姿勢が求められている。
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