城北中学校 入試対策
2019年度「城北中学校の社会」
攻略のための学習方法
特徴と内容
城北中の社会の入試問題は、毎年ほぼ一定のパターンで出題されている。
大問は3つ。それぞれに小問10~20問が含まれて総解答数は50~55問程度。
多くが記号選択問題で、そのうち10~15問ほどが用語・人名記述となっている。長い記述問題はこれまで出されていないので、まず心配しなくて良い。テスト時間は40分で1問に1分はかけられない。テンポよく解いていくスピードが必要とされる。
内容は、大問それぞれが歴史・地理・政治経済とわかりやすく区分けされており、特に歴史と地理に重点が置かれている。
歴史は日本史に限定されていて、範囲は縄文時代~近代まで、政治に関連した問題が多いが、最近は文化についての問題も出されるようになった。城北の歴史は高レベルの問題が見られるので、出来事に関わる人名・年号・関連事項もまとめてよく覚えておくとよい。資料集も活用して歴史に関わる地図なども見ておきたい。
地理については地図とグラフをよく見ておくこと。地図帳でこまめに地名を確認し、白地図で地形・気候・産業等を整理しながら、資料集で主要な統計は暗記しておく。また、地形図の読み取りも出題されているので、練習が必要である。内容は日本地理が中心ではあるが、日本地理に伴って世界地理も問われるといった問題も出されているので、一通りは勉強しておくように。
政治経済は、毎回あるテーマに沿って問題が作られる。出題範囲は広いが、中でも日本国憲法の基本事項を理解しておくとよい。特に、基本的人権と行政・立法はよく出題される傾向にあるので細かい部分まで覚えておくようにする。
テーマに沿った問題構成
上でも述べたが、地理や政治経済の問題は、あるテーマに沿った構成になっている場合が多い。
このような問題では、そのテーマに関連する事項がすぐ頭に浮かぶようにしておいた方がよい。そのためには、やはり単純な用語ばかりの暗記だけでは足りず、もう少し深い知識が要る。
面倒がらずに、関連事項も頭にいれておくこと。
城北の選択式問題の特徴
城北の問題は記号選択式が多い。
当然、中学入試の一般的な問題も出されてはいるのだが、実際に過去問に目を通してみると、かなり難しいという印象を受けるのではないだろうか。それは、その事項についての正確な知識が無いと正解出来ないように選択肢が作られているからだ。
設問の中にあまりテキストに出てこない、初めて見聞きするような話題や用語が使われている場合もある。
たとえば、「奈良時代の農民への稲もみの貸し付け」などという学校では習わないような細かい話題に触れられていたりする。
しかし、慌ててはいけない。しっかり勉強してあれば、自分の持っている知識で正誤を判断できる選択肢(つまり正解)が必ず一つはあるのだから。正解は、後で知ってみると意外に簡単だったりする。選択肢で使われている言葉のひとつひとつをしっかり読んで、正解を選ぶ手がかりとなる「一言」や「部分」に気づけるかどうかが、大きなポイントとなるのである。
時事問題にも注目
時事問題で新しい話題についてもよく出題されている。地理や政治経済、社会に大きな影響を与えた出来事などについて、ニュースで注意してみておこう。重大ニュース集・時事問題集に目を通すのも有効である。
本文と問題文を合わせると字数も多い。手際の良さも要求されるテストなので、過去問でどのくらいのスピードで解けばよいのか実感として把握しておこう。なお、人名・用語は「漢字で」という条件がつくので、漢字で書けるようにしておくこと。
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2019年度「城北中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数40問は例年より少なかった。選択肢問題が30問で10問が適語記入となっており、記述問題は出題されていない。単純に計算すれば1問1分ほど使えるが、全体の文字数は多めであり、選択肢中の単語ひとつひとつに注意して読まねばならないので、あまり時間に余裕は無いと思った方がよい。
40分間、ほぼ同じ形態の設問が続くことになるので、集中を切らさずに最後まで目を通せるよう、似たような形式の問題で練習しておきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:16分
- ★必答問題
ワールドカップで対戦した外国を題材に、地名や産業・貿易などについて訊かれている。
問1 目安として秋田県大潟村(八郎潟)が東経140度・北緯40度であることを考えてみればよい。
問3 中東の国が多い資源Dは原油。資源Cが鉄鉱石ならばブラジルが上位に入るはずなので、Cは石炭。
問4 約38万㎢×45=1710万㎢。
問5 アルプスはヨーロッパ、ロッキーは北米、ヒマラヤはアジアにある山脈である。
問6 北海道のことであるから、たまねぎが選べる。
問7 北海道の最高峰は大雪山(たいせつざん・だいせつざん)。
問8 神奈川県には横浜市・川崎市がある。
問10 中央高地は周囲を山で囲まれ降雨量が少なく、冬には平均気温が0度を下回る。
問11 韓国の大統領や国会議員が自国の領土であると主張するパフォーマンスで上陸するニュースを見たことがあるだろう。
問12 酸性雨により湖に魚が棲めなくなったり、文化財にダメージを与えたりなどの被害も発生している。
問14 白神山地は青森県と秋田県の境にある。
問17 卵の自給率はほぼ100%である。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
各時代の出来事について。
問1 エは古墳時代のことなので、×。
問3 正倉院は奈良時代に聖武天皇が建てたものである。
問4 ウ. 租は地方の役所に納めたので、×。
問5 税を納めなくてよい不輸の権、役人の立ち入りを断れる不入の権などがあった。
問7 北条義時の姉・北条政子。
問8 北条泰時は初の武家法・御成敗式目(貞永式目)を定めた。
問9 イ. 世阿弥は能を大成させた人物。
ウ. 通信符ではなく、勘合という割り札を持たせた。
エ. これは足利尊氏の説明。
問10 銀閣を建てたのは第8代将軍・足利義政。
問11 新井白石による正徳の治。
問12 ア. 第5第将軍・徳川綱吉。
ウ. 老中・松平定信による寛政異学の禁。
エ. 出したのは新井白石。
問13 ア. ノルマントン号事件は15年後の出来事である。
問14 東学党の乱は甲午農民戦争ともいう。
問16 イ・ウ・エはいずれも第一次世界大戦より後に起こった出来事である。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
労働環境をめぐる問題を題材に、憲法や政治の仕組みについて訊かれている。
問1 (1) 平成に入ってすぐにバブル経済が崩壊し、その後の日本経済は長期にわたって低迷したことから「平成不況」と呼ばれる。
問2 社会権の中の生存権についての規定がアである。
問3 エは1951年のことなので当てはまらない。
問4 ア. 第一審から第二審が控訴、第二審から第三審が上告である。
イ. 裁判員裁判が行われるのは刑事事件だけである。
ウ. 裁判で犯罪者を訴える(原告)のは検察官である。
問5 イ. 条約の承認は国会の仕事である。
問6 ア. 弾劾裁判は裁判官を裁くためのものである。
ウ. 総議員の三分の二以上の賛成で発議ができる。
エ. 臨時国会ではなく、特別国会である。
問7 問題に不備があったため、全員正解。
攻略のポイント
●基本的な問題が多く難問奇問は出題されないが、選択肢の内容が細かいことまで書かれていて、生半可な知識で選ぶと迷ってミスしやすくなっている。見慣れない用語や話題も含まれる場合があり、ここで焦ってしまう人も多いだろう。選択問題だからと気軽に受け止めてはいけない。合格者平均点は7割前後なので、12~13問のミスは許される。迷いそうな問題は後回しでとにかく最後まで目を通すこと。
● まずは選択肢を正確に読むこと。正解の手がかりが「ほんの一言」や「ある一部分」にある場合が多いので見落としてはいけない。落ち着いて一語一句に集中して考える。
● 選択肢の中に初見の情報が出てきたとしても、どこかにある数少ないヒントを見逃さなければ、正解できる。そのためには重要語句を一通り覚えたくらいでは力不足である。テキスト・地図帳・白地図を活用し、周辺事項も含めて知っておかなければならない。極端に難しい勉強が必要な試験ではない。学校や塾での学習に、しっかり丁寧に取り組む「真面目」な姿勢が求められている。
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