城北中学校 入試対策
2021年度「城北中学校の社会」
攻略のための学習方法
特徴と内容
城北中の社会の入試問題は、毎年ほぼ一定のパターンで出題されている。
大問は3つ。それぞれに小問10～20問が含まれて総解答数は50～55問程度。
多くが記号選択問題で、そのうち10～15問ほどが用語・人名記述となっている。長い記述問題はこれまで出されていないので、まず心配しなくて良い。テスト時間は40分で1問に1分はかけられない。テンポよく解いていくスピードが必要とされる。
内容は、大問それぞれが歴史・地理・政治経済とわかりやすく区分けされており、特に歴史と地理に重点が置かれている。
歴史は日本史に限定されていて、範囲は縄文時代～近代まで、政治に関連した問題が多いが、最近は文化についての問題も出されるようになった。城北の歴史は高レベルの問題が見られるので、出来事に関わる人名・年号・関連事項もまとめてよく覚えておくとよい。資料集も活用して歴史に関わる地図なども見ておきたい。
地理については地図とグラフをよく見ておくこと。地図帳でこまめに地名を確認し、白地図で地形・気候・産業等を整理しながら、資料集で主要な統計は暗記しておく。また、地形図の読み取りも出題されているので、練習が必要である。内容は日本地理が中心ではあるが、日本地理に伴って世界地理も問われるといった問題も出されているので、一通りは勉強しておくように。
政治経済は、毎回あるテーマに沿って問題が作られる。出題範囲は広いが、中でも日本国憲法の基本事項を理解しておくとよい。特に、基本的人権と行政・立法はよく出題される傾向にあるので細かい部分まで覚えておくようにする。
テーマに沿った問題構成
上でも述べたが、地理や政治経済の問題は、あるテーマに沿った構成になっている場合が多い。
このような問題では、そのテーマに関連する事項がすぐ頭に浮かぶようにしておいた方がよい。そのためには、やはり単純な用語ばかりの暗記だけでは足りず、もう少し深い知識が要る。
面倒がらずに、関連事項も頭にいれておくこと。
城北の選択式問題の特徴
城北の問題は記号選択式が多い。
当然、中学入試の一般的な問題も出されてはいるのだが、実際に過去問に目を通してみると、かなり難しいという印象を受けるのではないだろうか。それは、その事項についての正確な知識が無いと正解出来ないように選択肢が作られているからだ。
設問の中にあまりテキストに出てこない、初めて見聞きするような話題や用語が使われている場合もある。
たとえば、「奈良時代の農民への稲もみの貸し付け」などという学校では習わないような細かい話題に触れられていたりする。
しかし、慌ててはいけない。しっかり勉強してあれば、自分の持っている知識で正誤を判断できる選択肢（つまり正解）が必ず一つはあるのだから。正解は、後で知ってみると意外に簡単だったりする。選択肢で使われている言葉のひとつひとつをしっかり読んで、正解を選ぶ手がかりとなる「一言」や「部分」に気づけるかどうかが、大きなポイントとなるのである。
時事問題にも注目
時事問題で新しい話題についてもよく出題されている。地理や政治経済、社会に大きな影響を与えた出来事などについて、ニュースで注意してみておこう。重大ニュース集・時事問題集に目を通すのも有効である。
本文と問題文を合わせると字数も多い。手際の良さも要求されるテストなので、過去問でどのくらいのスピードで解けばよいのか実感として把握しておこう。なお、人名・用語は「漢字で」という条件がつくので、漢字で書けるようにしておくこと。
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2021年度「城北中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は49問で例年と変わりない。選択肢問題が39問で10問が適語記入となっており、記述問題は出題されていない。単純に計算すれば1問1分ほど使えるが、全体の文字数は多めであり、選択肢中の単語ひとつひとつに注意して読まねばならないので、あまり時間に余裕は無いと思った方がよい。
40分間、ほぼ同じ形態の設問が続くことになるので、集中を切らさずに最後まで目を通せるよう、似たような形式の問題で練習しておきたい。
【大問１】地理分野
- 難度：やや難
- 時間配分：13分
- ★必答問題
静岡県の最高気温を話題に、主に中部地方の地形や産業について訊かれている。
問１ ウ. 現在、四国地方の県では政令指定都市はない。
問２ 茶の生産が盛んである。茶畑の地図記号は(∴)である。史跡・名勝の記号も同じ図柄であるが、サイズや並ぶ数が違うのですぐ見分けはつく。
問３ 東海道新幹線の駅で言えば、新富士駅の先で富士川、静岡駅の先で大井川、浜松駅の手前で天竜川を越える。
問４ アは梅雨時の雨の多さから熊本市、イは気温が高く雨が少なめなので瀬戸内地方に含まれる大阪市。ウとエでは、気温がやや高いエが南にある静岡市、ウが東京ということになる。
問５ イ. 中国の一人っ子政策は2014年まで実施されていた。
問６ ウ. インドはイギリスの植民地だったため、英語が準公用語となっている。
問７ ア. 日本上空には東向きに偏西風が吹いており、蛇行の幅で気候に大きな影響が出る。
問８ フェーン現象では風が山を越える際に湿度が下がり、乾燥した風が温度を上げながら吹き降ろすため、風下で非常に高温となる。
問９ 木曽三川が流れる平野は濃尾平野である。
問10 コンクリートの建造物や冷房機器の排熱などにより都市部で特に気温が上がる現象をヒートアイランド現象という。
問11 (Ａ)三重 (Ｂ)伊勢 (Ｃ)豊田 (Ｄ)瀬戸 (Ｅ)一宮
問12 東京都を除けば、横浜・大阪・名古屋・札幌・福岡の順で人口が多い。
【問２】歴史分野
- 難度：標準
- 時間配分：18分
- ★必答問題
各時代の人物や出来事について。
問１ ア. 法隆寺の説明として正しい。
問２ エ. 645年に蘇我入鹿が暗殺され、646年に改新の詔が出されたので合っている。
問３ 平清盛は対立していた後白河法皇を幽閉し、娘・徳子と高倉天皇の子を天皇(安徳天皇)としたが、反平氏勢力を増やすこととなった。
問４ 天皇が幼い時は摂政に、成人してからは関白に就いて政治の実権を握った(摂関政治)。
問５ ア. 室町時代の守護大名・山名氏の一族のことである。
ウ. 藤原不比等は大宝律令(701年)に続いて養老律令(757年)の編纂にも携わった。
エ. 詠んだのは藤原道長である。
問６ 北条泰時は評定衆(1225年)や御成敗式目(1232年)を制定した鎌倉幕府・第３代執権。
問７ 外国が相手だったため戦いに勝っても領土を奪うことができなかったので、御家人に十分な報償を与えることができず、武士たちは困窮した。
問８ イは室町時代の正長の土一揆について、ウは貧窮問答歌の一節、エは平安時代に朝廷に訴えられた国司のことである。
問９ ア. 御成敗式目の制定は鎌倉時代である。
問10 ア. 信長は座を廃止して自由な営業をさせた(楽市楽座)。
ウ. 滅ぼされたのは富樫氏である。
エ. 石見銀山は石見国(現在の島根県)にあった。
問11 ① 享保の改革では、公事方御定書の制定・目安箱の設置・上米の制や、飢餓対策作物としてサツマイモの研究などが行われた。
② 田沼意次は、株仲間の推奨・新田開発・通貨政策・上知令などを行った。
③ 寛政の改革では、囲米の制・寛政異学の禁・倹約の徹底などが行われた。
問12 エ. 自由民権運動は明治時代の出来事である。
問13・問14 当時の日本の輸出の主力は生糸で、原料となる繭を取るため養蚕が盛んだった。
問15 ウ. 関東大震災の発生が1923年(大正12年) であった。
問16 ウ. 盧溝橋事件をきっかけに1937年に日中戦争が勃発、本格的な戦時体制が敷かれ1938年には国家総動員法が施行された。
問17 問16を参照。
問18 ア. 満州は中国北東部にあたり、遼東半島も含まれる。
問19 ア. ８月６日に広島、９日に長崎なので逆である。
【大問３】政治経済分野
- 難度：標準
- 時間配分：9分
政治のしくみや環境問題などについて訊かれている。
問１ 法の整備・国民の権利擁護・出入国管理などを所管する行政機関が法務省である。
問２ エ. 裁判官が退職するのは、定年と弾劾裁判による罷免、心身の不調により職務に支障をきたすと判断された時である。
問３ [１] ア. 令状を発行するのは裁判所である。
[２] ア. 被害者に代わって検察官が裁判を起こす。
ウ. 捜査が始まった時点で被疑者である。
エ. 裁判員制度は重要な刑事事件において導入されている。
問４ ア. 最高裁判所長官は内閣が指名し、天皇が任命する。
問５ ウ. 死刑が増えた年度があるので、×。
問６ 2020年７月、モーリシャス南東沖で貨物船が座礁し重油が流出した。座礁の原因はサンゴ礁に乗り上げたことだった。
問７ ア. 国連環境計画(UNEP)は地球の環境保全のために国際協力を進める活動をしている。選択肢イのUNDP(国連開発計画)は、SDGsや貧困の廃絶・不平等の是正を促進する国連の開発支援機関である。
問８ 国連人間環境会議(1972年)→地球サミット(1992年)→京都議定書(1997年)。
問９ エ. 日本の再生可能エネルギーの割合は18.5％(2019年度)で５分の１に達していない。
問10 日本の原油の輸入相手国は１位サウジアラビア、２位アラブ首長国連邦、３位カタールとなっている(2019年度)。
攻略のポイント
● 基本的な問題が多く難問奇問は出題されないが、選択肢の内容が細かいことまで書かれていて、生半可な知識で選ぶと迷ってミスしやすくなっている。見慣れない用語や話題も含まれる場合があり、ここで焦ってしまう人も多いだろう。選択問題だからと気軽に受け止めてはいけない。合格者平均点は7割前後なので、12～13問のミスは許される。迷いそうな問題は後回しでとにかく最後まで目を通すこと。
● まずは選択肢を正確に読むこと。正解の手がかりが「ほんの一言」や「ある一部分」にある場合が多いので見落としてはいけない。落ち着いて一語一句に集中して考える。
● 選択肢の中に初見の情報が出てきたとしても、どこかにある数少ないヒントを見逃さなければ、正解できる。そのためには重要語句を一通り覚えたくらいでは力不足である。テキスト・地図帳・白地図を活用し、周辺事項も含めて知っておかなければならない。極端に難しい勉強が必要な試験ではない。学校や塾での学習に、しっかり丁寧に取り組む「真面目」な姿勢が求められている。
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