城北埼玉中学校 入試対策
2024年度「城北埼玉中学校の国語」
攻略のための学習方法
●[問題構成]
漢字の読み書き・説明的文章の読解・文学的文章の読解の大問3つという形式が定型となっている。説明的文章と文学的文章の問題数はほぼ同じである。長文読解の素材文は8000~10000字ほどで、総解答数は35問前後。記号選択・書き抜きの問題が多い。記述問題は年度により1行程度のものと40~50字ほどのものとが出されている。長文読解と合わせて言葉の知識・文法などが数問出題されている。
●[長文読解]
説明的文章は心理学・いじめ問題など、社会科学的内容のものが多い。難解な専門用語が多数出てくるような文章ではないので、受験生の年齢を考慮した難易度になっている。まずは論理的文章の読解の基本を身につけよう。
形式段落と意味段落の整理――意味段落にはその内容で小見出しをつけておくと段落のつながりを考えるときに便利である。
要点と細部の区別――段落の最重要な一文を見つけておこう。例を示す部分は細部にあることが多い。
段落のつながり――つながりを図に表す問題が出されることがある。
要旨と要約――試験で求められる答えは多くはこの部分にある。文の読み方は人それぞれだが、やはり重要な部分に傍線を引いたり、重要点を線で結んだりして目立つようにしておくことは、手際よく解答を考える手助けになる。論理の流れをスムーズに辿れるように、論理的文章に多く触れておこう。
文学的文章では小説が多く用いられている。中学生・高校生の学校や家庭での物語が主で、小学6年生でも共感できる話が多い。文学的文章の読解のパターンを習得しよう。
場面分け――時間・場所・登場人物の入出などで場面の区切りを見つける。
登場人物の整理――名前や関係をしっかり把握する。しるしをつけてしまっても良い。
心情の理解――人物の言動や表情などから気持ちを考える。情景で心理が表現されている場合もある。文学的文章の読解ではこの心情把握が中心となる。様々な小説・随筆を読み、いろいろなタイプの人間・考えに触れておこう。
●[記述問題]
2018年度は人物の気持ちを40字以内で考えて書く説明記述が、2019年度は筆者の主張を踏まえて与えられた文章にコメントする記述が出題された。2024年度では文中のあるテーマに沿って考えられる自分の意見を述べるという問題が出された。さまざまなタイプの記述問題が出されているので、過去問や類似問題を多くこなしてそれぞれのパターンを見ておこう。
●[漢字の注意点]
トメ・ハネにも注意するという「記入上の注意」がある。減点の対象となる可能性があるので、雑に書くクセがある人は早めに修正しておこう。
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2024年度「城北埼玉中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
素材文は計8600字ほどで、総解答数は41問であった。今年度は20字~80字という記述問題が三問出されている。選択肢の内容も紛らわしいものではないので、読解がしっかりできていれば迷わず選べるだろう。文章量は多めなので読むスピードをつけて解答に時間を多くまわしたい。
【大問一】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
1. 気性 2. 見聞 3. 窓際 4. 会心
5. じょうせき 6. おごそ(か) 7. えしゃく
【大問二】随筆文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:18分
子どもの頃に感じた「淵の怖さ」についての考察が語られている。
問1 直前で語られている「一人で土蔵にいてもめったに淋しいとか怖いとか思うことはなかった」を指している。20字以内なので字数を絞る。
問2 「怖くはあったがお話の怖さで、自分で自分の瞼に描いて、『それ』を怖がっていたに過ぎない」ということであるから、頭の中で姿を想像して怖がっていたということである。
問3 話で聞くお化けの想像上の怖さとは違って、滝や淵に感じる怖さは「実感」できるものだった。
問4 ア. 枝分かれではなく、合流している。
イ. ヘイ淵は本流ではなく支流の長野川にある。
問5 「不気味だ」は形容動詞。ア・ウは形容詞、イは動詞である。
問6 「~せざるを得ない」は「どうしても~することを避けられない・~しなければならない」という意味。
問7 破線3の「そうだ」は様態・伝聞の助動詞で、ウだけ伝聞の意味である。
問8 同段落の神隠しについての解釈をまとめると、「人がいけない時刻に田圃に行くと、先祖がえりをして山に向かってしまう」という内容である。
問9 ここは柳田国男の解釈について述べているので、「田圃」がいけない空間ということになる。
問10 前段落までの解釈を自分の子供時代の経験に当てはめると、いけない空間は「淵」ということになる。
問11 問10と同様に、いけない時間については「真昼は真昼で、暮れ時は暮れ時で」怖かったと言っているので、選択肢ウが合う。
【大問三】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:30分
- ★必答問題
野生の生物への人間の干渉の問題を指摘しながら、人と野生生物との共生について論じている。
問1 Ⅰ. 倒れたムクドリを見つけて「焦っ」た声で連絡してきた。
Ⅱ. 慌てているので焦った声で「まくし立て」てきた。
Ⅲ. 地面に落ちて「倒れ」ているムクドリ。
Ⅳ. 危険があるので触らないように「念押しし」た。
問2 a 親切・サ b 専用・コ c 復帰・ア d 観光・エ
問3 少し後を探すと「助けてあげたいという気持ち」・「助けたい気持ち」が見つかるので字数から後者を抜き出す。
問4 筆者の説明として、ア・イ・ウは述べられている。
問5 安楽死させた理由として、公園側は選択肢ウの説明をしている。
問6 環境省の報告を紹介した後で、「生き物の生死も含めて生態系は存在しており、助ける際にも生物多様性という視点が重要である」とまとめている。
問7 ウ. 「事故や病気をもらう」のだから、「危険性」である。
問8 何か所かあるが、字数を考えると終盤にある「人が野生の生き物に餌を与えたり慣れさせたりすること」の一部が抜き出せる。
問9 筆者の意見をまとめると、野生動物を助けたいと思う気持ちは理解できるが、生死を含めて生態系があり、生物多様性を損なわないという視点が重要で、ただ見守るという接し方も大切である、ということである。こうした考えに沿って、人間の勝手な思い込みで過度に干渉しないことが大事であること、野生の生き物の生態系を壊さず、一線を超えないようにしながら互いに共存することが、双方にとっての幸せな関係であることなどをまとめればよいだろう。指定された形式から外れないように注意すること。
問10 野生の生き物の生活には原則として干渉してはいけないというのが本文の内容であるから、ア・イ・エの意見は合わない。
攻略のポイント
選択肢・書き抜きの問題が多いオーソドックスな試験である。設問も無理に複雑な惑わせるようなものにはなっていない。文章量が多いので読むスピードは欲しい。読みながら重要点を手際よくマークし、解答をスムーズにこなしたい。記述問題は、書き抜きを利用できるタイプと自分で考えて書くタイプと、年度によりどちらも出される可能性がある。過去問で多くのパターンに触れておきたい。言葉の知識や文法も数は少ないが出題があるので、ひととおりは覚えておくこと。漢字のトメ・ハネなど丁寧に書く習慣をつけよう。
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