城北埼玉中学校 入試対策
2019年度「城北埼玉中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
漢字の読み書き・説明的文章の読解・文学的文章の読解の大問3つという形式が定型となっている。説明的文章と文学的文章の問題数はほぼ同じである。長文読解の素材文は8000~10000字ほどで、総解答数は35問前後。記号選択・書き抜きの問題が多い。記述問題は年度により1行程度のものと40~50字ほどのものとが出されている。長文読解と合わせて言葉の知識・文法などが数問出題されている。
長文読解
〇説明的文章は心理学・いじめ問題など、社会科学的内容のものが多い。難解な専門用語が多数出てくるような文章ではないので、受験生の年齢を考慮した難易度になっている。まずは論理的文章の読解の基本を身につけよう。
形式段落と意味段落の整理――意味段落にはその内容で小見出しをつけておくと段落のつながりを考えるとき
に便利である。
要点と細部の区別――段落の最重要な一文を見つけておこう。例を示す部分は細部にあることが多い。
段落のつながり――つながりを図に表す問題が出されることがある。
要旨と要約――試験で求められる答えは多くはこの部分にある。文の読み方は人それぞれだが、やはり重要な
部分に傍線を引いたり、重要点を線で結んだりして目立つようにしておくことは、手際よく
解答を考える手助けになる。論理の流れをスムーズに辿れるように、論理的文章に多く触れて
おこう。
〇文学的文章では小説が多く用いられている。中学生・高校生の学校や家庭での物語が主で、小学6年生でも共感できる話が多い。文学的文章の読解のパターンを習得しよう。
場面分け――時間・場所・登場人物の入出などで場面の区切りを見つける。
登場人物の整理――名前や関係をしっかり把握する。しるしをつけてしまっても良い。
心情の理解――人物の言動や表情などから気持ちを考える。情景で心理が表現されている場合もある。
文学的文章の読解ではこの心情把握が中心となる。様々な小説・随筆を読み、いろいろな
タイプの人間・考えに触れておこう。
記述問題
2017年度は1行ほどの記述問題で、文中から適した部分を見つけて条件に合うように手直しするタイプの問題があった。2018年度は人物の気持ちを40字以内で考えて書く説明記述が、2019年度は筆者の主張を踏まえて与えられた文章にコメントする記述が出題された。
さまざまなタイプの記述問題が出されているので、過去問や類似問題を多くこなしてそれぞれのパターンを見ておこう。
漢字の注意点
トメ・ハネにも注意するという「記入上の注意」がある。減点の対象となる可能性があるので、雑に書くクセがある人は早めに修正しておこう。
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2019年度「城北埼玉中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
素材文は計6600字ほどと少なかったが、総解答数は51問と多めだった。今年度は50字以内の記述問題が出されている。
選択肢の内容も紛らわしいものではないので、読解がしっかりできていれば迷わず選べるだろう。文章量は多めなので読むスピードをつけて解答に時間を多くまわしたい。
【大問1】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:2分
1. 図る――しようとする。測る・計る・量るなどの同音異義語がよく出される。
2. 検討する。見当・健闘などの同音語に注意。
5. 気性・性分などは「ショウ」と読む。
【大問2】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
コメントの定義やコメント力の重要性を説いている。
問1 同じ段落に説明されている。「陥りやすいあやまち」は「通常の傾向」に現れているる。「しかし、ここで言うコメントとは」のあとに本来の意味が説明されている。
問2 傍線部の次の段落で説明して、その次の段落でまとめている。「見方が鋭い、本質をついた言葉」を発する必要があると述べている箇所が具体的な内容でよい。
また、前の段落の「ひじょうに気の利いたコメント」も字数が合うので正解になるだろう。
問3 当意即妙――即座に、その場に合った機転を利かすこと。
問4 傍線の段落と次の段落で説明されている。対話はどんどん流れていって何が残ったかよくわからないものだが良いコメントは相手の記憶の中に刻まれる、とある。
問5 傍線直前の2つの段落に注目。新しい視点・新鮮な見方を示してくれるコメントが魅力的であることが語られている。
問6 藪をつついて蛇を出す――余計なことをしたせいで悪い結果を招くこと。的外れなコメントならしない方がましというものである。
問7 D. 昔の日本社会は「男子は黙して語らず」が良しとされていた。
問8 「即座に短く的確に」が良いコメントの条件であるので、ア・イは当たらない。また、まずは何かコメントすることで練習になるとも述べられているので、エは良さそうである。
問9 「変化や違い」に敏感であることが良いコメントには必要であると主張されているので、その点を指摘すればよい。さらに相手を褒める内容も加えればなおよいだろう。
【大問3】随筆文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:28分
- ★必答問題
近すぎたり遠すぎたりしては気づかない美しさ・距離の美学について述べている。
問1 こどもは写真で見た遠景が本当の富士山だと思っているので、近くで見た黒いかたまりを富士山だとは思えないのである。
問2 遠くから見ると富士山は青々と見える。(k)・(l)・(m)にはすべて「青」が入る。
問4 c. それ以上話す気がなかったので「口をつぐんだ」。
h. 先入観で正確に物を見れない→「目をくらませられて」
r. どんなに完璧に見える英雄でも、近くから見ると「欠点」がわかってしまう。
問5 少年が近景の富士山をウソだと言ったのは、遠景の富士山を美しいと思っていたがゆえの「正直」な気持ちだったのである。
問7 遠景にこそ美しさがあるという筆者の主張から考えると、近くの富士山をウソだと思った少年には審美眼があったということになる。
問8 1・2 ここは両方とも、こどもが親から言われても意見を変えない態度を指している。
3 はげます――元気づける。声を大きくする。
問9 写真で見た富士山だけが本当の富士山であるという思い込みを、「先入観」と言っている。
問10 近くで見ると「こまかい目障りなもの」や「おもしろくないこと」が目に入ってしまうと述べている。
問11 遠くから見ると山の「全体の形・姿」が見える。これを漢字3文字で表している言葉を探す。
問12 近視眼的な、決まりきった狭い部分しか考えない固い態度が「お役所的」。その逆の、全体をゆるやかに見渡すような考えの広さを「柔軟」という語で表している。
問13 三保松原を除外しようとした当初のイコモスの考え。「富士山本体だけ」しか見ていないという意味の1文を探す。
問14 「青くかすむ富士」「遠景の富士」とあるので、字数にまとめる。
攻略のポイント
選択肢・書き抜きの問題が多いオーソドックスな試験である。設問も無理に複雑な惑わせるようなものにはなっていない。文章量が多いので読むスピードは欲しい。読みながら重要点を手際よくマークし、解答をスムーズにこなしたい。
記述問題は、書き抜きを利用できるタイプと自分で考えて書くタイプと、年度によりどちらも出される可能性がある。過去問で多くのパターンに触れておきたい。
言葉の知識や文法も数は少ないが出題があるので、ひととおりは覚えておくこと。漢字のトメ・ハネなど丁寧に書く習慣をつけよう。
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