城北埼玉中学校 入試対策
2022年度「城北埼玉中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
漢字の読み書き・説明的文章の読解・文学的文章の読解の大問3つという形式が定型となっている。説明的文章と文学的文章の問題数はほぼ同じである。長文読解の素材文は8000~10000字ほどで、総解答数は35問前後。記号選択・書き抜きの問題が多い。記述問題は年度により1行程度のものと40~50字ほどのものとが出されている。長文読解と合わせて言葉の知識・文法などが数問出題されている。
長文読解
〇説明的文章は心理学・いじめ問題など、社会科学的内容のものが多い。難解な専門用語が多数出てくるような文章ではないので、受験生の年齢を考慮した難易度になっている。まずは論理的文章の読解の基本を身につけよう。
形式段落と意味段落の整理――意味段落にはその内容で小見出しをつけておくと段落のつながりを考える
ときに便利である。
要点と細部の区別――段落の最重要な一文を見つけておこう。例を示す部分は細部にあることが多い。
段落のつながり――つながりを図に表す問題が出されることがある。
要旨と要約――試験で求められる答えは多くはこの部分にある。文の読み方は人それぞれだが、やはり重要
な部分に傍線を引いたり、重要点を線で結んだりして目立つようにしておくことは、手際よく
解答を考える手助けになる。論理の流れをスムーズに辿れるように、論理的文章に多く
触れておこう
〇文学的文章では小説が多く用いられている。中学生・高校生の学校や家庭での物語が主で、小学6年生でも共感できる話が多い。文学的文章の読解のパターンを習得しよう。
場面分け――時間・場所・登場人物の入出などで場面の区切りを見つける。
登場人物の整理――名前や関係をしっかり把握する。しるしをつけてしまっても良い。
心情の理解――人物の言動や表情などから気持ちを考える。情景で心理が表現されている場合もある。
文学的文章の読解ではこの心情把握が中心となる。様々な小説・随筆を読み、いろいろな
タイプの人間・考えに触れておこう。
記述問題
2017年度は1行ほどの記述問題で、文中から適した部分を見つけて条件に合うように手直しするタイプの問題があった。2018年度は人物の気持ちを40字以内で考えて書く説明記述が、2019年度は筆者の主張を踏まえて与えられた文章にコメントする記述が出題された。
さまざまなタイプの記述問題が出されているので、過去問や類似問題を多くこなしてそれぞれのパターンを見ておこう。
漢字の注意点
トメ・ハネにも注意するという「記入上の注意」がある。減点の対象となる可能性があるので、雑に書くクセがある人は早めに修正しておこう。
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2022年度「城北埼玉中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
素材文は計8500字ほどで、総解答数は30問であった。今年度は50字~70字という記述問題が出されている。
選択肢の内容も紛らわしいものではないので、読解がしっかりできていれば迷わず選べるだろう。文章量は多めなので読むスピードをつけて解答に時間を多くまわしたい。
【大問一】漢字の読み書き
- 難度:標準
- 時間配分:2分
1. 貯金 2. 能率 3. 根比べ 4. ふぜい 5. うけたまわ(り)
【大問二】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:18分
感染症の流行など大きな変化を迎えている現在の世界で、これまでにない価値観 や意識を人々が獲得できる新しい時代がやってくることを筆者は予感している。
問1 一寸先は闇。
問2 「可能になったこと」「あたらしく生まれる可能性」の意味を持たせて、「可」の字を用いて「コロナ可」という造語を作って「コロナ渦」とかけている。
問3 自然破壊の原因のひとつ」「一極集中」などから、「都市型」が選べる。
問4 働き方・外出のしかた・人との距離…などいくつか挙げていって、「なにより」「人々の意識」が大きく変わり始めている、と強調している。
問5 「一方で」の前後に分けて書かれている。ひとつは「誰かからいわれたまま~家畜のような生き方」、もうひとつは「自分で自分に責任~よりどころにして生きること」で、二つの生き方を「両者」と言っている。
問6 筆者が考えるあたらしい時代の特徴の中の「目に見える物質的なもの」と「目に見えないもの(情報・知恵・信頼・人とのつながりなど)」との対比が参考になる。
問7 外側の価値観に合わせてしまうと、ほんらいの自分ではなくまやかしの「自分風」の世界でがんばることになってしまうのである。
問8 「個」が重視され価値観も多様になる、つまり「多様性」が重視される時代になるだろうと筆者は予測している。
問9 ほんらいの自分にもどり、まやかしの自分風でがんばる時代は終わった、とある。これまでは周囲に合わせようと、「自分」で「自分」に嘘をついていたわけである。
問10 この「衣服・サングラス・仮面」は周囲に合わせて身に着けていたものの例えであろう。ほんらいの自分を隠して、社会や世間のこうあるべきという「固定概念」に合わせていたということである。
【大問三】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:30分
- ★必答問題
代筆業を営む主人公は目の不自由なタカヒコ君からの母親への感謝の気持ちを手紙にしたいという依頼を受け、自分自身の文字で思いをつづることを提案する。
問1 (まるで)寄り道せずに声になった「ような」、まっずぐな声。
問2 最初、タカヒコ君の「目が見えないこと」に全く気づかなかったが、机の角に触れている様子を見て気づいた。
問3 目の見えない人にどうぞと椅子をさし出して「果たして」椅子の場所がわかるのだろうか。
問4「私の動揺が伝わったらしい」と主人公は気づいているので、タカヒコくんが気を遣って落ち着いた声で話してくれたのだろうと考えている。
問5 「タカヒコ君の希望は」のあとにはっきり書かれている。
問6 「言葉を濁す」「顔を真っ赤にしている」などから、恥ずかしくて「もじもじ」したのだと考えられる。
問7 直前の「そんなこと」が指しているのと同じである。「おかあさんが、僕のおかあさんで、よかった」。
問8 タカヒコ君のおかあさんへの気持ちがよく伝わるように大事な提案をしようとしているので、居ずまいを正したのだろう。
問9 「何も見えていないということは、すべてが見えている」とは、タカヒコ君が物理」的な視力ではなく「心の目」で世界を感じ取っていることを意味している。
問10 自分が代書するのではなく、たとえ拙(つたな)くても「タカヒコ君自身・本人」の字で書いた方がおかあさんに強く伝わると主人公は感じたのである。
問11 「まるで」詩人が発した~言葉「のようだった」。
問12 主人公はタカヒコ君に「太陽に育てられたみたいな、ゆるぎない健全さ」を感じている。太陽が大好きなタカヒコ君の「心の目」は、太陽の下でよりその感受性が解放されるのではないかと主人公は考えているのであろう。
問13 問12も参考にしつつ、「太陽が出ているうちに手紙を書かせてあげたい」という主人公の思いを読み取ろう。
問14 「かっこいい自分を見せるのはどのようなときになるか」という、未来の自分を想像して答える問題となっている。自分の目標やなりたい職業を考え、タカヒコ君のように努力した結果それが実現したときに「かっこいい自分」が見せられるのだろう、という文脈で考えを進めればよさそうである。
攻略のポイント
選択肢・書き抜きの問題が多いオーソドックスな試験である。設問も無理に複雑で惑わせるようなものにはなっていない。文章量が多いので読むスピードは欲しい。読みながら重要点を手際よくマークし、解答をスムーズにこなしたい。
記述問題は、書き抜きを利用できるタイプと自分で考えて書くタイプと、年度によりどちらも出される可能性がある。過去問で多くのパターンに触れておきたい。
言葉の知識や文法も数は少ないが出題があるので、ひととおりは覚えておくこと。漢字のトメ・ハネなど丁寧に書く習慣をつけよう。
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