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開智中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「開智中学校の算数」
攻略のための学習方法

[出題されやすい内容]

試験時間は60分、大問4問に小問15。

この3年間で問題の質が変わり、標準的な問題指向となった開智「先端A」の算数。
3年続くことでこの傾向は確定されたと思われるので、来年度も以前のように難易度の高い算数に振り回されることはないだろう。

出題されやすい内容とは
「割合・場合の数・平面図形・立体図形・速さ」の5分野である。
ただ基本的な公式が理解できるではなく、いわゆる応用が利くよう少し難問にまで手を染め,いわゆる典型題はいつでも正解を出すことが出来る、くらいの自信が欲しいところだ。

教材としては、塾で使用している問題集などがよいだろう。たとえば「A(平易)→B→C→D→E(難問)」となっているものであれば、「A~D」クラスの問題である。

[過去問演習]

この段階を経て次にやることは、過去問の徹底演習である。
「開智(先端A)」の算数とはどういうものか、ということをよく知っておきたい。
学力があっても(偏差値が良くても)、受験でいい結果が出せないという受験生の大半は、志望校対策が不十分だからだ。
「力はあるのだからその場で解けるはず」と判断してよいのは、算数の偏差値が常時70以上はあるか、対象としている学校が自分の偏差値よりも10以上低い場合に限る。あとは対策次第で合格する割合はかなり変動する。

「先端A」の場合,大問のスタイルはだいたい似ている。

【大問1】は小問集で標準レベルの一行問題が並ぶ。以降の大問は1つの大問に3つの設問。そして、設問のレベルが徐々に上がっていく。
前半の1問ないし2問が勉強してきた成果が生かせる「標準的」な設問,最後の設問はかなり応用力を要求されるものになっている。本年度では【大問4】(3)でかなり時間と手間がかかったはずだ。
そして、合格だけを考える場合には、前半の2問をそつなくこなせれば十分に可能性がある。

ただし、「標準的」とはいうもののその難度はなかなかのものだ。基本的なものだけを解いてきたという勉強法では【大問1】の小問から足をすくわれかねない。それでは合格などまだまだだ。

また,(1)の解き方または答えが次の設問のヒントになっている場合が多い。一見関係なさそうに見える問題でも実はその前の設問が使えることが分ったときの「なるほど」感にはなかなかのものがある。そういう設問をうまく見つけて、算数を解く楽しさも味わっておきたい。

[場合の数]

「場合の数」にはいろいろな解き方がある。 「和の法則」「積の法則」などの有名な公式をふくむものから始まり、「道順の問題」「トーナメントとリーグ戦」「円順列」などさまざまな解き方がある。それらはいずれも「すべて書き出さなくても計算を使えば、またはやり方を知っていればうまく解けるよ」と言うものである。合理的でしかも時間の節約につながる。

しかし、「先端A」はあくまでも「場合わけをして,細かく調べていく」にこだわる。そういう設問があることを肝に銘じておかないと受験生としても覚悟が決まらない。

「先端A」でも他の分野の出題はスマート、または巧妙な構成をもった問題が多い。良問の宝庫と言える。しかし「場合の数」は時間をかけて丹念に調べてあげていくという解き方にこだわるようだ。
ここは従うしかない。テストに出たら、時間をかけて場合わけをし、調べていく。これを実践するしかない。そういう作業をいとわない精神力も必要になるだろう。このようなテスト形式である以上、どのような生徒がこのテストに向いているかと言うことはおおよそ見当がつくだろう。

それは、「ねばり強く問題にあたれる生徒」ということである。

書き出しをふくむ、細かい作業の積み重ねに耐えうる、またはそういった算数が好きという生徒には格好のテスト問題だと思う。自分はとてもよい「作品」だと思っている。
「先端A」の算数は本命校が待つ2月校の力試しにはもってこいの内容を持った良問である。しっかり対策をして、自分の納得がいく点数が取れるようがんばってみよう!

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2018年度「開智中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

60分で大問が4,小問が16。

本年度はここ2年間の「問題易化」傾向をさらに推し進めたものとなり、「これは解けなくても仕方がない」という設問が一つもないという近年まれに見る標準レベルの出題となった。それによって受験者平均点も男子70.9(前年63.9)点、女子57.9(前年55.2)点と10%近い上昇を見せ、とっておきたい算数の点数は120点満点中80点とした。

当然問題の質から考えて時間は十二分にあるものとなり、じっくり取り組んでも時間不足になることはない。

【大問1】小問集(計算・相当算・差集め算・時計算・平均算・立体図形)

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

(1)から(6)まで,平易または標準的な水準の問題が並ぶ。できれば全部正解しておきたいところだ。特に(1)(4)(5)は基礎問題なので、不正解の場合はあわてて補強すること。
他の問題も多くを語る必要はない。

(2)は、全体の人数を①として等式を立てそこから解くか、線分図に条件をまとめて全体を求めれば良い。

(3)もやや応用がかった差集め算で、「12個より少ない」=「1~11個不足」と条件を置き換える。1人あたりに配るアメの差が(12-5=)7個なので、それにみあった(割り切れる)数を探せば良い。

(5)も典型題で、まさか開智の先端Aでお目にかかるとは意外な事実。PQDを延長して大きな三角すいを作り相似の考え方を使って数値を求め、あとは計算。計算も簡単なもの。

昨年とまでに比べると気が抜けるほどあっさりしたレベルだが逆に失点することは出来ない。早く、正確に解けるように心がけよう。

<時間配分目安:12分>

【大問2】速さ(動く歩道)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

「動く歩道」の問題ではその考え方のもとには「流水算」がある。しかし歩道を逆に歩かない限りはつねに「下りの速さ」であるからそれほど悩むことはない。ここでは問題の条件に気をつけて解きさえすればそれほど難易度の高いものではない。(2)が成否を分ける設問となっている。

(1)太郎くんが「動く歩道」の上を歩いたときとただ歩いたときの時間から逆比をとり、あとは必要な比を取り出す。速さと比の公式を確認する問題。

(2)が成否を分けるのは、この設問があっていると(3)も正解できるがここでしくじると次も不正解になるからだ。「動く歩道」を歩いたときの太郎くんと花子さんの速さの比は安易に求まるので(1)の結果も踏まえて比の大きさを上手にそろえたい。

(3)はつるかめ算の考え方を用いる。計算がやや面倒だが時間は十分にあるのであせらず取り組みたい。

ここも全問正解を望みたい。(2)の出来が明暗を分けることになる。

<時間配分目安:10分>

【大問3】平面図形(おうぎ形の弧と面積)

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

一見連動して見える(1)から(3)の設問だが、実はあまり関連性はない(おいおい)。(1)はできなくても(2)はできるし、(2)ができなくても(3)はできる。ただし、(1)ができないと(3)はできないので最低限の関連性はあるのか…1つの角が30度の二等辺三角形の面積が求められるかどうか、にかかっている。

(1)では、斜線部分を真っ二つに切って、その1つを「中心角30度のおうぎ形-1辺6cmの二等辺三角形」の面積から求め2倍する。1つの角が30度の二等辺三角形の面積はさんざん演習してきたはずなのでこういうときに使いこなせるかどうか、で実力が明らかになる。

(2)は点が動いた線を作図してから求めよう。同じ動きのくり返しなので作図も答えもさほど難しくはない。

(3)(1)(2)をあわせたような問いだが面積を分割するとなおさらそれがわかる。(1)(2)が求められた生徒は確実に出来る設問だが、やはり開智先端の問題であれば(1)(2)をヒントにしてももう一つ工夫しないと解けない、レベルの設問にしてほしかった。

ここもまた全問正解を望みたい。

<時間配分目安:12分>

【大問4】場合の数(素因数分解と約数)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:15分

問題を解く道筋として、与えられた35280を素因数分解していけばなんらかのヒントが得られるだろうとは誰もが思いつくところ。これで最後まで押し切れる。

(1)35280=2×2×2×2×3×3×5×7×7と素因数分解してみて気になるのは2つの「7」。このことからA~Eに7の倍数が2つ入ることが明らかになり、A~Eは15までの数だから「7,14」と求めることが出来る。

(2)A(最も小さい約数)が5であることから、Bは6か7になる。あとは残った数を組み合わせて答えを作りたい。

(3)ではもう一つ進んでAが2になる場合から考えていく。

全設問のなのでここが一番やっかいであり時間もかかるがまだ時間は20分はあると思うので、じっくり取り組むかあるいははじめに戻ってしっかりと見直しをしたいところだ。

<時間配分目安:15分>

攻略ポイント

テスト時間は60分で120点満点。

受験者平均点から考えると、本年度は120点中80点以上(70%)が合格するための目標点になる。昨年度までは目標とする点数は60%だったので本年度は問題の平易化にともなって大幅に合格点が上昇した。

この3年間「先端A」の問題レベルは標準的なものになっていて、解く側の生徒にとっては大変負担の少ないテストになっている。難易度が同傾向で進んでいくとすれば来年度も「標準からやや難」レベルの問題を数多くこなし自分のものにしていけば合格点を取るのは必ずしも難しいことではない。
ただし、「先端A」の難易度が下がるわけではないので油断をしていいということではなく、今まで同様の集中力と正答率の高さが必要となる。
しかし以前のように算数に偏った注意をすることは必要ないので受けやすくなったことも確かだ。

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