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開智中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「開智中学校の算数」
攻略のための学習方法

出題されやすい内容

試験時間は60分、大問4問に小問15~19。
昨年度・本年度と難問が並ぶ開智「先端A」の算数が復活しており、以前ほどではないにしても難問への備えも必要になっている。
ただ、本年度は平均点が120点中49.1点と得点率は40%程度であるものの、そこまで難易度の高い設問が並んでいるとは思えず、受験生の奮闘に期待したい。手がまったく出せないような(捨て問)問題は多くないので、やはり対策は「やや難」クラスの問題に数多くあたると言うことで間違いはない。
出題されやすい内容は
「割合・場合の数・平面図形・立体図形・速さ」の5分野である。
ただ基本的な公式が理解できるではなく、いわゆる応用が利くよう少し難問にまで手を染め,いわゆる典型題はいつでも正解を出すことが出来る、くらいの自信が欲しいところだ。
教材としては、塾で使用している問題集などがよいだろう。たとえば「A(平易)→B→C→D→E(難問)」となっているものであれば、「A~D」クラスの問題である。

過去問演習

この段階を経て次にやることは、過去問の徹底演習である。
「開智(先端A)」の算数とはどういうものか、ということをよく知っておきたい。
学力があっても(偏差値が良くても)、受験でいい結果が出せないという受験生の大半は、志望校対策が不十分だからだ。
「力はあるのだからその場で解けるはず」と判断してよいのは、算数の偏差値が常時70以上はあるか、対象としている学校が自分の偏差値よりも10以上低い場合に限る。あとは対策次第で合格する割合はかなり変動する
「先端A」の場合,大問のスタイルはだいたい似ている。
【大問1は小問集で標準レベルの一行問題が並ぶ。
以降の大問は1つの大問に3つの設問。そして、設問のレベルが徐々に上がっていく。
前半の設問1つないし2つが勉強してきた成果が生かせる「標準的」な設問,最後の設問はかなり応用力を要求されるものになっている。本年度では【大問3】の(2)(3)がそれにあたる。また、【大問4(3)も一筋縄ではいかない設問だった。
しかし、合格だけを考える場合には、前半の2問をそつなくこなせれば十分に可能性がある。ただし、「標準的」とはいうもののその難度はなかなかのものだ。基本的なものだけを解いてきたという勉強法では【大問1の小問から足をすくわれかねない。それでは合格などまだまだだ。
また,(1)の解き方または答えが次の設問のヒントになっている場合が多い。一見関係なさそうに見える問題でも実はその前の設問が使えることが分ったときの「なるほど」感にはなかなかのものがある。そういう設問をうまく見つけて、算数を解く楽しさも味わっておきたい

場合の数

「場合の数」にはいろいろな解き方がある。 「和の法則」「積の法則」などの有名な公式をふくむものから始まり、「道順の問題」「トーナメントとリーグ戦」「円順列」などさまざまな解き方がある。それらはいずれも「すべて書き出さなくても計算を使えば、またはやり方を知っていればうまく解けるよ」と言うものである。合理的でしかも時間の節約につながる。
しかし、「先端A」はあくまでも「場合わけをして,細かく調べていく」にこだわる。そういう設問があることを肝に銘じておかないと受験生としても覚悟が決まらない。
「先端A」でも他の分野の出題はスマート、または巧妙な構成をもった問題が多い。良問の宝庫と言える。しかし「場合の数」は時間をかけて丹念に調べてあげていくという解き方にこだわるようだ。
ここは従うしかない。テストに出たら、時間をかけて場合わけをし、調べていく。これを実践するしかない。そういう作業をいとわない精神力も必要になるだろう。このようなテスト形式である以上、どのような生徒がこのテストに向いているかと言うことはおおよそ見当がつくだろう。
それは、「ねばり強く問題にあたれる生徒」ということである。
書き出しをふくむ、細かい作業の積み重ねに耐えうる、またはそういった算数が好きという生徒には格好のテスト問題だと思う。自分はとてもよい「作品」だと思っている。
「先端A」の算数は本命校が待つ2月校の力試しにはもってこいの内容を持った良問である。しっかり対策をして、自分の納得がいく点数が取れるようがんばってみよう!

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2020年度「開智中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

60分で大問が4,小問が17。
昨年度・本年度と平均点が大幅に下がり、一時の「問題易化」傾向から、再び後半の大問を中心に難易度の高い問題が並ぶようになった。時間は60分と余裕があるので、速読即解タイプの生徒よりも、じっくり考えるタイプの生徒に向いている。
冒頭の【大問1】で点数を落とさず、【大問2】以降の標準的な設問をきちっとおさえていけば決して難しい注文ではない。

【大問1】計算・食塩水・場合の数・数の性質・差集め算・仕事算・面積

  • 難度:標準
  • 時間配分:24分
  • ★必答問題

 本年度もまた【大問1】は問題数が8問であり、全体として標準レベルの問題が多いものの、中ほどの(4)~(6)は難関校らしい難易度を持っているので、昨年度のように簡単に全問正解とはいかないだろう。それでも1・2問程度のミスにとどめたい。

(2)は面積図(または「てんびん」)を使う食塩水の問題で、上位生には解き慣れた問題だろう。
(3)は書き出してみるとそんなに種類も多くなく、そつなく解ける問題であるが、問題文の例として挙がっている「20,220,2002」はいずれも0も2も使っている数であり、たとえば「222」のような数はダメなのか、と疑問を持つ生徒もいたと思う。もちろん問題文にある「2か0しか使われていない数」とあるから問題自体に不備はないが、だとしたら「2」しか使っていない数も取り上げるべきではないか。
(4)【大問1】の中では最も時間がかかる問題で、数の性質では上級の部類に入る。失敗するとしたらこの(4)か次の(5)だろう。
「5で割ると3余り」「7で割ると5余る」数は、「5で割っても7で割っても2不足する数」とまとめられるので、はじめの1つは「33」で、あとは5と7の最小公倍数35ずつ増えていく。33,68,103,138,173と書いていくと、173が11で割ると8余る数なので、これを該当する数の一つ目とする。そのあとは5と7と11の最小公倍数385ごとにあるので、先ほどと同じ作業を続けていき、2098にたどり着く。手法にはさほど新味はないが手間がかかるという点は否めない。注意深く調べていきたい。
(5)は「順列」の問題で、Nを除いた4つのアルファベットを並べ、その間にNを1つずつ差しはさむ解き方がスマートで良い。
(6)は見てすぐ「差集め算」とはわかるものの、同傾向の問題を解いた経験がないとかなり苦戦しそう。「おとな1人に3個、こども1人に2個配ると31個余り、おとな1人に6個、こども1人に5個配ろうとすると38個足りなくなる」ところから、「おとなとこどもにそれぞれ3個ずつ多く配ろうとすると69個(31+38)の差がつく」、69÷3=23(人)…おとなとこどもの人数の和が求まればしめたものだ。あとはちょうど配りきれた「おとな5個、こども3個」と31個余った「おとな3個、こども2個」を比べて「おとな2個、こども1個」で31個必要になる、という関係からおとなやこども数が求まる。
(7)は典型的な仕事算で、仕事の量の比を求め、あとはいつも鍛錬してきた作業をくり返せば良い。
(8)は、三角形ACDの中に三角形ABDと同じ三角形を作ることで一気に解答に持ち込める。ただし、答えは小数第4位の数になるので分数で解くのもお勧めである。

【大問2】速さ(流水算)

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

昨年度も【大問2】として出題された「流水算と比」の問題だが、難易度もほぼ同程度で、咲きの大問を考えるとここはぜひ全問正解しておきたいところだ。
(1)を解くために、ABの速さの比、AとCの速さの比を求め、さらに連比を作っておけば(2)までは解けてしまう。昨年度よりは前半は平易になっていて解きやすい。
(3)ABが同じ方向に泳いだことによって普通レベルの旅人算になっている。ABの速さの差が具体的な数値として表れるのでそれをもとにしてどんどん解いていけば良い。流水算なので「流速」も含めたさまざまな速さが出てくるものの、作業はさほど複雑ではない。ぜひ解けるように仕上げておこう。

【大問3】場合の数(平面図形)

  • 難度:
  • 時間配分:12分

この大問では作業が大きく要求されており、(1)はまだしも(2)(3)に部分点がなく完全解答のみ点数を与えられるとするとかなりの苦戦が予想される。この大問は本年度最も点数の計算が静来問題なので、与えられた時間に合わせて問題の条件に合致する図を書き込んでいこう。

【大問4】和と差の文章題(平均算)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:12分

本年度も昨年度同様、平均を使って求める問題が出された。本年度と昨年度の問題は、テストの構成はもちろんのこと出題された問題の分野・配置が大変に類似しており、一卵性双生児とは言わないものの「そっくりさん大会」ならテレビに出演くらいは出来そうだ。
(1)は、昨年同様平均の面積図を使う問題になっている。これは【大問1】(2)と同じく基本問題なので苦もなく解けたことと思われる。
(2)が点差のついた設問になったことは間違いない。
平均点より高い生徒を1人でも多くしたいのだから、100点の4人は除いてできるだけ76点の生徒を多く作れば良い。得点の総和から100×4をひいたあと76で割り、整数値を残したそれを答えとする。
逆に(3)は正解することがかなり難しく差はつきにくいだろう。残った時間は【大問3】の作図に費やし、1つでも正しい図を書いてテストを終わりにしよう。

攻略のポイント

テスト時間は60分で120点満点。算数の得点だけが120点で、国語は100点、理社はそれぞれ60点と変則的な点数配分になっており、算数重視であることは間違いない。
受験者平均点(49.1点・約40%)から考えると、本年度は120点中60点(50%)が合格するための目標点になる。これはかつて問題の難易度が高かったころの目標点とほぼ同じである。
今年のテストで言うと、難問に値するものは【大問3】(2)(3)【大問4】(3)くらいなので、それ以外の問題は出来るような学力はつけておきたい。
当面、この難易度で推移していくものとすると、来年度も「標準」または「やや難」レベルの問題を数多くこなし自分のものにしていくことがなによりも大切である。

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