捨て子を育てることになった書店店主と、二人を見守り協力する町の人々との絆が描かれる。

問一　「マヤを引き渡す義務はない」と発言したタイミングでの「パパ」という言葉である。二人に結びつきが感じられ、主人公の説明の後押しになっている。

問二　福祉局員は娘の引渡しが簡単に完了すると思っていたが、主人公が娘を育てるとなると行政上の事務手続きが複雑になり、局員の仕事が増えることが文中で示唆されている。

問三　娘を引き取るに当たり、教育や育児の経験がないことが不利に働くと思い、考えている様子である。

問四　不幸な境遇の子供を助けたいと思って福祉局員になったが、山ほどある事務手続きやろくでもない養母の存在など、現実には厳しい仕事が多く、子供の頃のロマンチックな理想が今となっては「好ましくなく」思えてしまうのである。

問五　「マヤが清潔で幸せそうで自信に満ちている」様子にみんなは驚いている。もともと人付き合いが悪く人間味の薄かった主人公に、まともな育児ができるとは思っていなかったのである。

問七　マージーンは本の品揃えを増やすべきだと助言している。母親たちが子育てに協力してくれているのだから、好みの本を取り揃えてくれるくらいの見返りはあってしかるべきだと言っているのである。

問八　それだけ何かに集中していたということを表している。

問十一　設問の指示をしっかり確認する。「具体的に」「どういう人たちが」「どのようにすることで」「できるつながり。」なのかを訊かれているので、その点をしっかり記述する。主に主婦たちと警察署長が、マヤのために子育ての助言をしてくれたり会いに来てくれたりしている。本を頻繁に買ってくれるのも、経済的な協力になっていると思われる。

「夢を持つということ」の意味や功罪、その意味の時代による変化などについて述べている。

問一　漢字は毎年出題される。本校の受験生のレベルであれば全問正解を目指したい。

問二　「吹き込む」という言い方から、良からぬ考えを植え込もうとしているというニュアンスが読み取れる。

問三　次の段落で詳しく説明されている。

問五　直前に「夢を持たねばならないという義務感」とある。選択肢エの「将来なりたいものがなければいけない」が当てはまる。選択肢イは後半が合わないし、選択肢ウの「周囲の人に強制されて」もおかしい。

問六　「虚栄心」は選択肢オの見栄で裁判官を目指した例・「事前弁解」は選択肢イの勉強から逃げる口実としての運動が、それぞれ合っている。

問七　「本来なら」・「現在」という、「かつて」と「現在」を表すキーワードが見つけられただろうか。かつて夢は現実逃避の妄想・慰安のための絵空事など無責任なものであったが、現在では「将来就きたい職業」を意味する無味乾燥な用語になってしまったと述べている。当然、「～から。」でまとめる。

問八　選択肢ア・ウは後半、選択肢イは全体が文意に合っていない。

問十一　「アタマ」と対になる言葉がやや探しづらいかもしれない。どんな職業でも、「仕事の素晴らしさやくだらなさ(仕事の価値)は、ある程度の期間それに携わって(実体験)みないとわからない」と述べている。「アタマ」はそれ以前の脳内だけで考えた判断という意味であろう。文中に「経験」というぴったりの言葉があるので、これを使ってまとめれば良い。