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海城中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「海城中学校の算数(帰国生入試)」
攻略のための学習方法

本校の帰国生入試と一般入試を比較してみる。

入試問題の難易度の差は小さい。標準的な問題についてはきちんと正解できる力が最低限必要で、応用力も身に着けておきたい。帰国生入試の試験時間は60分になっており、一般入試より10分長い。10分長いが、問題の量的負担はそれほど大きな差は見られない。

「一般入試と難易度差は小さいが、試験時間が長い分だけじっくり取り組むことができる」というのが帰国生入試の特徴といえる。

また、帰国生入試では、必ず記述式問題が出題されるのも大きな特徴である。一般入試では記述式問題は出題されてないので注意したい。記述式問題の問題数は少ないが、途中式を書く問題、グラフを作成する問題、理由を記述する問題など、様々なタイプが出題されてきた。対策としては、普段の学習から、途中式などをきちんと書く習慣をつけておけばよい

その他の対策については、帰国生入試も一般入試もほぼ同じと考えてよい。

立体図形の対策

立体の切断に関する出題が多く、難易度も高い。立体の切断については、深い理解とともに、高難度のものまで十分に演習を積み重ねる必要がある。ただし、この分野の学習は大きな負担がかかるので、入試までの残り期間や学習状況によっては、他の分野の学習に重点をおくことも選択肢として考えておきたい。算数が得意な受験生にとっては、力の見せ所である。正解できれば大きな差をつけることができる。

立体の切断は高難度だが、その他の領域の、水そうグラフなどについては標準的な問題であることが多いので注意したい

平面図形の対策

図形の基本的な性質を、状況に合わせて自由に使いこなせる力が必要である。また、設定が複雑な問題も一部に出題されている。複雑な問題も、ひらめかない限り解けないような問題ではなく、基本に忠実に考えれば解ける問題である。まずは、標準的な問題を、素早く正確に解けるようにしておきたい

規則性・数の性質の対策

典型的な問題だけでなく、試行錯誤が必要な問題も出題されている。手がかりがつかみにくい問題もあるが、粘り強く手を動かしてみることが重要である。あきらめずに手を動かすことによって解決の糸口が見えてくる。そこまで到達できれば、なんとか解けるようになっている。この分野は本校の特色がよく表れているといってよいだろう。

割合の対策

食塩水に関する問題が多い。難易度は、本校の問題の中ではそれほど高くはないが、標準程度以上のものまで演習しておきたい。

速さの対策

状況をグラフなどに整理しながら解く問題が多い。難易度は、標準からやや難しい程度。差がつきやすい問題が比較的多いので、ある程度高難度のものまで演習しておくことが望ましい

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2024年度「海城中学校の算数(帰国生入試)」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

平均点が比較的安定している本校。今年度の合格者平均点は91.4点(得点率76.2%)、受験者平均点は76.1点(得点率63.4%)と、近年と同じような平均点であった。

試験時間は60分。時間配分を失敗しない限りは、時間が足りなくなる可能性は低いだろう。

【大問1】小問集合

  • 難度:標準
  • 時間配分:13分

(1)は計算問題。

(2)は3つの食塩水を混ぜる問題。4%の食塩水と6%の食塩水のみを混ぜたときの濃さは計算するまでもなく分かるので、2種類を混ぜるタイプと負担はほぼ同じである。

(3)は差集め算。勘違いやミス防止のためにも、丁寧に処理した方がよいだろう。

(4)は規則性の問題。難しい問題ではない。

(5)は数の性質の問題で、連続する整数の積を2で割れる回数を求める。

(6)は角度の問題。三角形ADCを移動させて、二等辺三角形を作るとよい。

【大問2】売り上げに関する問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

シャープペンシル1800本を仕入れて販売するが、途中で値引きする。

(1)では実際の利益を求める。易しい問題である。

(2)では、値引きした金額を求める。色々な解法が考えられるが、「予定よりも減ってしまった利益」と「値引きした本数」に注目すると楽に求めることができる。

【大問3】場合の数

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

赤、青、黄の札が5枚ずつあり、どの色にも1~5の番号が書かれている。この15枚から3枚を選ぶ場合を考える。

(1)では、すべて同じ色になる選び方が何通りあるかを求める。

(2)では。番号がすべて異なる選び方が何通りあるかを求める。まずは番号の組み合わせを考えるとよい。

(3)では、色も番号もすべて異なる選び方を考える。(2)よりも解きやすい。

【大問4】速さ

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

バスと太郎君の旅人算。ダイヤグラムを書くとよい。

(1)では、太郎君がバスに初めて追いこされる時刻を求める。ダイヤグラムの相似な図形に注目するとよい。

(2)では、バスの速さが太郎君の速さの何倍かを求める。(1)が分かれば、易しい。

(3)では、バスが移動した距離が、太郎が歩いた距離の何倍かを求める。速さの比と移動時間の比に注目すればよい。

【大問5】立体図形

  • 難度:やや難
  • 時間配分:14分

立方体から三角すいを4つ取り除いた立体について考える。

(1)では体積を、(2)では表面積を求める。

(3)は立体切断の問題。かなり解きにくい。

【大問6】n進数

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

整数を、マスを塗りつぶすことによって表す。2進数をテーマにした問題になっている。

(1)は、マスで表された式の足し算。どのマスの図も、整数で表すといくつになるのかが問題文に書いてある。

(2)は、マスの図が表す数を答える問題。2進数との関係が分かれば、難しくない。

(3)はマスの図の足し算。

(4)もマスの図の足し算だが、工夫が必要である。いずれのマスも8回ずつ塗られているという捉え方をするとよい。

攻略のポイント

標準的な問題が多いが、やや解きにくい問題も見られる。平均点を考えると、標準的な問題は大部分を正解する必要がある

【大問1】は小問集合とはいえ、(6)のように類題を経験していないと解きにくい問題もあり、完答できた人は意外と少ないと思われる。しかし5問正解を目指したい。

【大問2】は基本的な問題なので落とせない。

【大問3】は決して難しい問題ではないが、理解度の深さが点差に現れやすい。

【大問4】は、速さの問題をきちんと練習していれば解けるはずの問題。完答が望まれる。

【大問5】(3)が難しい。(1)(2)だけ正解できれば十分である。

【大問6】(3)までは正解しておきたい。

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