開成中学校 入試対策
2014年度「開成中学校の算数」
攻略のための学習方法
<合格への鍵>
パターンや公式に頼る学習しかしてきていない生徒は確実に必要としておらず、将来、東大や医学部などを目指す為に必要な精神力とやる気を持つ生徒を明らかに募集しています。とはいえ、基本はしっかりと学習しなければなかなか実力は定着してこないので、いかに効率よく学習するかが重要です。
試験時間は、60分で小問数としては11問くらいが例年の傾向です。年々「数の問題」「立体図形の問題」が、高度化してきています。
「傾向がない」と評されることも多い開成中学の算数ですが、得点率も年度によってかなりの波があります。この数年の出題を見ても、正確な作業力と高度な思考力、柔軟性がバランスよく問われています。中学受験における典型問題を確実に得点し、練習量と計算力で差がつく思考力を要する高度な難問での部分点獲得が大きな合格への鍵となるでしょう。
26年の入試では、受験者平均点が約60%、合格者平均点でも約70%と、最近の中ではやや難度が高い出題となりました。出題内容もテキストによく掲載されているような典型問題は少なく、高度な算数的思考力や正確な作業力を持ち合わせた生徒を見極めるための、良質な試験問題であったと言うことが出来るでしょう。それを、攻略するためには、日々の学習をいかにすべきかが課題となります。
<整数問題>
素因数分解や約数・倍数の本質的な性質から考えて公倍数、公約数を考えて解答を導くことが重要です。この種の整数問題は、これからもますます出題が増えてくるでしょう。高校の新課程の影響も出てきています。注目される単元でもありますが、得点源となる問題もよく出題されます。しかし、難易度にばらつきがあって、内容・難易を的確に判断して、いかに得点するかが今後も課題となることでしょう。
<図形問題>
開成受験生ならば絶対に落とせない図形の問題も良く出題されます。中学受験算数における典型問題も出題されます。幅広い図形の学習が必要です。
立体図形の問題の、「2つの面が交わるとき、直線になる」という発想は、本来であれば中学校の数学の内容ですが、本校では定番です。その上で立体図形をどのように投影図に落とし込んでいくか、柔軟な立体図形に対する感覚が求められます。立体図形の問題では、高度な知識とトレーニングが必要です。なお、真上から見た図を書くようなことも多く、たとえば26年度の問題で、大問2にはABCDの位置関係に気をつけるところもありました。いろいろな見方、表現の仕方、書き方などの特別なトレーニングも必要です。四角柱から三角錐台を2つ引くだけの計算は、計算などの処理量も決して多くはないので確実に正解して満点を目指したいところです。日頃から、求積問題等では、着実に立式して、正解を導けるような力を身につけてください。
<時計算>
さらに、26年入試のような特殊な設定の時計算は、難関校において時々見られるテーマですが、典型問題の演習を数多く重ねた受験生にとっては「長針:6度/分」「短針:0.5度/分」という「常識」が気になって、非常に解きにくく感じられる場合も多いようです。また、この問題では秒針も考える必要があるため、非常に高度な処理能力が求められます。計算処理量が多い問題は後回しにして、時間を測りながら、解答時間を意識した解法研究や記述の練習も秋頃から始めてください。問題の内容によって着手する順番の見極め方も練習しておいてください。
<思考力重視>
論理的に組み立てることが非常に困難な問題も良く出題されるので、粘り強く考え抜く習慣もつけたいものです。たとえば、26年度の正八面体は、東大の入試問題でも出されており、展開図に各頂点を書き込んだ上で、どの面に、どの数値を設定するのかを考えながら解いて行くことになります。サンプルを自分で作りながら、試行錯誤する内容が多く、また数値の向きなどの注意点も多いので、完答することは非常に困難な問題です。パターン化された問題は、ほとんどないので思考力重視のパズルタイプの問題にもたくさんチャレンジしておくことです。時間をかけてじっくり考えることを日頃から実践していきましょう。
<ここがポイント>
開成受験での学習法として、特に注意してほしい点は、
☞常に考え方を重視して、どのように考えるかをまとめていく
☞記述式答案の練習をかねて、ノートにしっかりと書いてまとめる。
その際、図・表・グラフ・計算・立式などをきちんと書いてまとめるように心がける
☞60分という時間内で、サンプル・解法のための実験を要領よく出来るような問題練習をたくさんする
<過去問演習>
過去問演習は、出来るだけ過去にさかのぼって学習することをおすすめします。類題がほとんどないので、より多く過去問を研究することです。
出来なかった問題は、『出来ない問題ノート』を作成して、何度でも解き直して出来るまで続けてください。夏までは、思考力重視の基本問題を、たくさん解いてください。日頃は、整数問題・図形問題(特に立体図形)を重点的に、暗算などせずにノートにしっかりと書いて学習して行くことが肝心です。 たくさんのノートが書き上がる喜びとともに、実力が着実についていきます。
また演習をする際は、制限時間の60分を下回る目標で取り組んでください。万が一、制限時間内で出来なくても、自力で解ききることを優先してください。正解をきちんと自力で導けることこそが、実力アップの基本です。とにかく、あきらめずに何回でもチャレンジすることを忘れずに学習してください。
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2014年度「開成中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
すぐにわかる問題はほとんどなく、自分でサンプルを考えてみたり、いろいろと実験をしてみることを必要とする問題が常に出題されています。
26年度も、テキストによく掲載されているような典型問題は少なく、高度な算数的思考力や正確な作業力を持ち合わせた生徒を見極めるための問題が良く練られて出題されています。26年度の開成中の算数の出題で合格点を獲得するためには、「大問1」と「大問2」での失点を最小限に食い止め、「大問3」と「大問4」で、得点できそうな問題を的確に判断し、少しでも確実におさえることが重要でした。思考力や柔軟性、作業力や判断力それに計算力などをバランスよく高度に持ち合わせた生徒が、合格を勝ち取ったと言うことができるでしょう。以下、大問ごとに分析してみます。
【大問Ⅰ】
- 時間配分:15分
(1)は約数・倍数の基本問題です。(2)は平面図形の基本問題です。
いずれも中学受験における典型的な基本問題で、開成中学合格を目指す受験生ならば、確実に正解する必要がある問題です。
【大問Ⅱ】
- 時間配分:15~20分
「大問2」は、立体の見取り図と投影図を関連付ける空間把握の力みる問題です。普段から立体図形をいかにして平面で捉えなおすことか練習できてきたかを問う問題です。図形を正確に書くことに時間がかかりすぎないようにしたいです。
開成中受験生にとっては、決して難しい問題ではないでしょう。
【大問Ⅲ】
- 時間配分:15分
「大問3」は、特殊な設定の時計算です。既成概念にとらわれない柔軟さや、正確な作業力が問われるかなりの難問でした。
計算処理量が多いものの(2)までは何とか正解したいところです。
【大問Ⅳ】
- 時間配分:10~15分
「大問4」は、立体図形の感覚と、展開図に関連付けて考える論理性が問われるかなりの難問です。特に(2)以降の難度が高いので、ここは部分点狙いに徹し、時間が余れば手をつけても良いですが、出来れば他の問題に力を入れたほうが得点効率は良かったかもしれません。手順を間違えずに解きたい問題です。
攻略のポイント
出題別難易度から分析して、開成中学合格を目指すなら、まず確実に得点したい問題は、【大問1】(1)、(2)、【大問4】(1)の3問。
次に、知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題として、【大問2】(1)、(2)、【大問3】(1)、(2)が考えられる。手順を間違えたりすると失敗しがちである。合否の鍵を握る内容・レベルといえるでしょう。
最後に、難易度、処理量などから判断して、部分点を拾えればよしとする問題として、【大問3】(3)、【大問4】(2)、(3)、(4)があげられます。部分点を少しでも取ろうとする姿勢を日頃から身につけたい問題です。
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