鎌倉女学院中学校 入試対策
2017年度「鎌倉女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
鎌倉女学院中の満点は100点、合格者平均点は例年6割程度である。満点が国語や算数と同様に100点なので、理科の学習に対してもしっかり取り組んで得点源にしたい。
標準的な問題が多く、問題の形式としては、問題文・図・実験データ等を読み取った上で各設問に答える問題が中心である。計算問題も含まれているが、記述問題はなかった。試験時間は45分、問題量に対して適切な時間と思われる。各分野の学習法は次の通り。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年度は林の中の生物に関する出題であり、やや細かい知識を問う問題も含まれていた。近年では、人のからだのはたらき、魚のからだのつくり、植物のつくりなどが出題されている。
この分野の学習法としては、人のからだの働き、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物に関する基本知識を確実に覚えることが第一である。人のだ液のはたらき、光合成などの植物のはたらき等については、それを確認するための実験の進め方についても、覚えておきたい。
地学分野 本年度は川の流れの働きと化石に関する出題であった。ここ何年かでは、地層と岩石について、大気圧について、台風についてなどの出題が見られた。
この分野の学習としては、まずは地層・岩石・地震と火山・気象そして天体に関する基本知識を確実に固めることが第一である。本年度は天体の出題はなかったが、月の満ち欠け・星の動きなどに関しては確実に理解しておきたい。火山や地震については、主な火山の場所や近年起こった地震など時事的な内容も含めて学習しておきたい。気象に関しては、日本の四季の天気の特徴・低気圧と高気圧・台風・大雨・フェーン現象などに関して理解をしておきたい。
物理分野 本年は光の性質に関する出題であった。ここ数年では、音、物の運動、浮力などについての出題がみられた。
この分野の学習法として、まずは最も出題される可能性の高い力のつり合いに関してしっかり演習を行って欲しい。ばね、てこ、滑車、輪軸、浮力、振り子などについて、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習に時間をかけて欲しい。音や電気、光などについても出題の可能性はあるのでたり、基本を身につけておいて欲しい。
化学分野 今年度は金属等と水溶液の反応に関する問題であった。ここ何年かでは、溶解度、中和、塩酸と石灰石の反応などが出題されている。
この分野の学習法としては、まず、水溶液の性質、気体の性質・ろうそくの燃焼などの基本知識をしっかりと固めて頂きたい。さらに、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、燃焼などに関しては、計算問題の練習をしっかり行って欲しい。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい。
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2017年度「鎌倉女学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は30題程度で100点満点。試験時間は45分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で記述問題はなかった。
実験や観察に関する説明やデータを読み取った上で設問に答える形式が中心になっている。
試験時間が45分あるので、慌てることなく問題文をしっかり読み、実験の説明やデータをしっかり読み取ることに時間をかけて欲しい。
【大問1】生物分野 林の中の生物について
- 難度:標準
- 時間配分:7分
問1 落葉広葉樹に該当するのは、クヌギ、ケヤキ、カエデ である。
問2 ツバキが常緑広葉樹にあたる。
問3 カブトムシと同様に完全変態の昆虫は、アゲハチョウ、オオスズメバチ、ナナホシテントウ である。
問4 オオスズメバチはカブトムシ同様クヌギの木の樹液に集まる。
問5 カブトムシの幼虫は土の中で腐った落ち葉などを食べて育つ。
問6・問7 食物連鎖において、落ち葉を腐らせる働きをする生物を「分解者」とよぶ。
カビやキノコがそれに該当する。
問8 腐った落ち葉を食べている生物には、ミミズ、ダンゴムシが該当する。
林の中で見られる生物に関する出題。基本的な知識が中心だが、やや詳しい知識が必要 な設問も見られる。
<時間配分目安:7分>
【大問2】物理分野 光の性質
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
問1 ア~オの各点について、鏡に対して線対称の位置に点を打つ。これらの点と点Oを結んだ線が鏡と交われば、像にうつると判断できる。
問2 2回反射した像なので、左右反対にはならない。
問3 ①空気からガラスに入った光は空気とガラスの境界から遠ざかるように屈折する。②一部の光は反射するが、このとき入射角と反射角は等しくなる。
③光ファイバーは、光の全反射の性質を利用したものである。
問5 ①焦点距離の2倍の場所にろうそくを置いた時、同じ大きさの倒立実像がスクリーンにうつる。
②焦点の位置にろうそくを置いても、像はできない。
③凸レンズの一部を厚紙でかくしても、像の向き大きさは変わらない。ただし、光の量が減るために、像は暗くなる。
④ろうそくと凸レンズの間の距離が36cmになる。このとき、36×2=72
より、スクリーンと凸レンズの間の距離を72cmにすると、像の大きさは2倍になる。
光の性質に関する出題。凸レンズによる像の問題は、像の作図に関する学習をかなりしっかり行っていないと対応できない。
【大問3】水溶液の性質と気体の発生に関する出題
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
実験結果の説明より、Aはアルミニウム、Bはマグネシウム、Cは石灰石、Dは食塩、Eは銅と分かる。
問1 アルミニウムが水酸化ナトリウム水溶液に溶けると水素が発生する。水素は水に溶けにくいので、水上置換法で集めることができる。
問2 石灰石が塩酸に溶けると二酸化炭素が発生する。石灰石同様に炭酸カルシウムを含むチョークを溶かしても、二酸化炭素を発生する。
問3 水に溶けるものは、Dの食塩だけである。
問4 グラフより、塩酸100㎤と過不足なく反応するAの重さは0.45g、Bの重さは0.6gである。0.6÷0.45 の結果を小数第2位で四捨五入する。
問5 濃さは2倍、体積は0.7倍になっているので、発生する気体の体積は
600×2×0.7 より840㎤となる。
問6 濃さは2倍、体積は0.25倍なので、過不足なく反応する物質B(マグネシウム)の重さは、0.6×2×0.25 より0.3g、また、発生する気体の体積は、
600×2×0.25 より300㎤となる。
問7 濃さが2倍、体積は0.5倍なので、もとの塩酸100㎤と同じと考えることができる。Aを1つぶ入れると200㎤、Bを1つぶ入れると50㎤の水素が発生するので、Bを4つぶ入れた後Aを2つぶ入れると合計600㎤の水素が発生して、Aをそれ以上入れても水素は発生しなくなる。
水溶液に金属や石灰石を入れた時の反応に関する標準的な出題。問7はやや難問だが、それ以外は、しっかり学習していれば正答可能な問題である。
【大問4】地学分野 川の流れの働きと化石に関する出題
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1 粒の大きさで、泥<砂<れき となる。
問2 Aが侵食作用、Bが運搬作用、Cが堆積作用を表している。
問3 グラフをしっかり見ること。グラフより最も遅い流速で動き出すのは砂である。
問4 同様にグラフをしっかり読み取る。最も速い流速で堆積が始まるのはれきである。
問5 問3で解答したように、最も遅い流速で動き出すのは砂であり、「粒が大きいほど速い流速で動き出す」は間違いとなる。
問6 サンゴは示相化石であり、浅くて暖かい海であったことを示している。
問7 古い順に、三葉虫(古生代)、アンモナイト(中生代)、ナウマンゾウ(新生代)となる。
なた、恐竜はアンモナイト同様に中生代に栄えた生物である。
川の流れの働きと化石に関する基本知識を問う問題。ただし、グラフをしっかり読み取ることが大切で、思い込みで答えると間違える。
攻略のポイント
やや細かい知識や思考力を必要とする問題も含まれているが、全体としては標準レベルの問題が多い。また、単なる一問一答式の問題ではなく、長めのリード文や実験のデータを見ながら解き進めるタイプの問題が中心となっている。
本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を身につけることがあげられる。その上で、長めの問題文や実験・観察の結果を見ながら解くタイプの問題演習を積み重ねる必要があろう。また、計算問題も出題されるので、各分野の計算問題の練習も行って欲しい。
やや細かい専門的な知識を問う問題も見られた。日頃からニュースや身近な自然現象などに興味を持って接していくことが求められている。
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