鎌倉女学院中学校 入試対策
2018年度「鎌倉女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
鎌倉女学院中の満点は100点、合格者平均点は例年6割~7割程度である。満点が国語や算数と同様に100点なので、理科の学習に対してもしっかり取り組んで得点源にしたい。
標準的な問題が多く、問題の形式としては、問題文・図・実験データ等を読み取った上で各設問に答える問題が中心である。計算問題も含まれているが、記述問題はなかった。試験時間は45分、問題量に対して十分な時間は用意されていると思われる。慌てる必要は全くないので、落ち着いて取り組んで欲しい。
各分野の学習法は次の通り。
分野毎の学習法
生物分野
本年度は植物の光合成に関する出題であり、基本的な知識問題が中心であった。
近年では、林の中の生物、人のからだのはたらき、魚のからだのつくり、植物のつくりなどが出題されている。
この分野の学習法としては、人のからだの働き、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物に関する基本知識を確実に覚えることが第一である。
人のだ液のはたらき、光合成などの植物のはたらき等については、それを確認するための実験の進め方についても、覚えておきたい。
地学分野
本年度は惑星を中心とした天体に関する出題であった。
ここ何年かでは、地層と岩石について、川の流れの働きについて、大気圧について、台風についてなどの出題が見られた。
この分野の学習としては、まずは地層・岩石・地震と火山・気象そして天体に関する基本知識を確実に固めることが第一である。
月の満ち欠け・星の動きなどに関してはその理屈を理解した上で確実に定着させておきたい。火山や地震については、主な火山の場所や近年起こった地震など時事的な内容も含めて学習しておきたい。気象に関しては、日本の四季の天気の特徴・低気圧と高気圧・台風・大雨・フェーン現象などに関して理解をしておきたい。時事的な内容を含む出題もあり得るので、入試前に対策をして頂きたい。
物理分野
本年はてこのつり合いに関する出題であった。
ここ数年では、光の性質、音、物の運動、浮力などについての出題がみられた。この分野の学習法として、まずは最も出題される可能性の高い力のつり合いに関してしっかり演習を行って欲しい。ばね、てこ、滑車、輪軸、浮力、振り子などについて、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習に時間をかけて欲しい。
音や電気、光などについても出題の可能性はあるのでたり、基本を身につけておいて欲しい。
化学分野
今年度は水の三態変化と半透膜に関する出題であった。
半透膜は見慣れないテーマであったが、問題文に従って解けば、解答可能な内容であった。ここ何年かでは、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、塩酸と石灰石の反応などが出題されている。
この分野の学習法としては、まず、水溶液の性質、気体の性質・ろうそくの燃焼などの基本知識をしっかりと固めて頂きたい。さらに、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、燃焼などに関しては、計算問題の練習をしっかり行って欲しい。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。
なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい。
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2018年度「鎌倉女学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4題、小問数は30題程度で100点満点。試験時間は45分で例年通りであった。
適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で記述問題はなかった。
リード文やデータ・図を読み取った上で、設問に答える形式が中心になっている。
試験時間が45分あるので、慌てることなく問題文をしっかり読み、説明やデータの読み取りに時間をかけて欲しい。
【大問1】物理 てこのつり合い
- 難度:標準
- 時間配分:10分
問1 支点が中心にあるてこ:ペンチ・はさみ・上皿てんびん
作用点が中心にあるてこ:せんぬき
力点が中心にあるてこ:ピンセット
問2 「力点にかける力」×「支点から力点までの距離」と「作用点にかかる力」×「支点から作用点までの距離」が等しい時にてこはつり合う。
問3 右利きの人が物の重さを測るとき、測ろうとするものは左の皿に乗せ、分銅は右の皿に乗せる。
問4 58.4gを測った状態では、50g+5g+2g+1g+200mg+200mgとなり、6個の分銅が皿に乗っている。
問5 分銅は重いものから乗せていくことに注意する。乗せた分銅が重すぎた場合は、それを下して、1つ軽い分銅を乗せる。
てこのつり合いと上皿てんびんの使い方に関する出題。内容としてはいずれも標準的なもの。
【大問2】地学 太陽系の惑星
- 難度:やや難
- 時間配分:15分
- ★必答問題
問1 太陽のように自ら輝いている天体を恒星とよぶ。
問2 惑星のまわりを公転する天体を衛星とよぶ。
問3 太陽からの距離が近い順に、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星となる。
問4 冥王星は惑星の1つであったが、2006年8月以降、準惑星という扱いになった。
問5 2003年に打ち上げられた日本の小惑星探査機「はやぶさ」は2010年に帰還した。
問6 1日に0.6度ずつ差が開いていく。再び一直線に並ぶまでには360度差が開けばよいので、360÷0.6より、600日かかる。
問7 惑星Bは公転周期が88日、自転周期は58日。従って、90度自転するのにかかる日数は22日、この22日間の自転の角度を計算すると136.6度となる。
惑星Bが1回公転する間に、地点アは日の出の位置から日の入りの位置まで移動する。従って、地点アの日の出から次の日の日の出までの間に、惑星Bは2回公転する。
太陽系の惑星を中心とした天体に関する問題。冥王星が以前は惑星であったことや、小惑星探査機「はやぶさ」に関することなど、時事的な内容も含まれている。後半では天体の軌道計算も問われている。
ここで得点できなかった場合には、まずは惑星など天体の知識の復習をしっかり行って頂きたい。また、軌道の計算に対応するためにも、天体の動きを単なる丸覚えではなく、なぜそう動いて見えるのか?といった理屈を理解して覚えることを心がけて欲しい。
【大問3】生物 植物の光合成
- 難度:易
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1 光合成の働きは次の通りである。
水+二酸化炭素→でんぷん+酸素
問2 根で吸い上げた水は道管を通って運ばれ、光合成でできた養分は師管を通って運ばれる。
問3 でんぷんは糖に変えてから運ばれる。
問4 蒸散作用によって植物体内の温度を調節している。
問5 蒸散作用は、気温が高く、日光がよく当たり、湿度が低い時に盛んになる。
問6 気孔は葉の裏側に多い。
問7 光合成の働きを確認するための実験に関する出題。
葉を一日暗室に入れるのは、葉の中のでんぷんを無くすため。アルコールに葉をつけるのは、葉緑体を溶かして、ヨウ素液による反応を見やすくするため。
光合成に関する知識の基本問題。確実に正答したい。
ここで得点できなかった場合は、植物のつくりと働きについてテキストを使ってしっかり復習して頂きたい。その際、光合成・蒸散作用などの働きを調べる実験については、実験の進め方についても確認し覚えて頂きたい。
【大問4】化学 水の三態変化・半透膜
- 難度:標準
- 時間配分:10分
問1 水が氷になると、重さは変わらないが、体積が増える。
問2 水に不純物が混ざると、凝固点が0℃よりも下がる。道路にまく融雪剤はこの原理を利用したものである。
問3・問4 半透膜を通して、濃さの薄い水溶液から濃い水溶液への移動(浸透)が起こる。野菜に塩をかけてもむと柔らかくなるのは、この原理による。
問5 水をつくる粒は半透膜の穴より小さく、食塩をつくる粒は半透膜より大きい。
問6 浸透する量を多くするためには、右側の食塩水の濃さをさらに濃くすればよい。
前半は水の凝固に関する問題。融雪剤など知識を必要とするが、難問ではない。
後半は半透膜に関する問題。半透膜自体は聞き覚えのない言葉かもしれないが、問題文に従って考えていけば、十分に正答可能である。
攻略のポイント
やや細かい知識や思考力を必要とする問題も含まれているが、全体としては標準レベルの問題が多い。また、単なる一問一答式の問題ではなく、やや長めのリード文や実験のデータを見ながら解き進めるタイプの問題が中心となっている。
本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を身につけることがあげられる。その上で、長めの問題文や実験・観察の結果を見ながら解くタイプの問題演習を積み重ねる必要があろう。また、計算問題も出題されるので、各分野の計算問題の練習も行って欲しい。
やや細かい時事的な知識を問う問題も見られた。日頃からニュースや身近な自然現象などに興味を持って接していくことが求められている。
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